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「あ〜つっしくん!」
「やめてください、D31……」
「ちがーう!私は太宰!太宰治!」
「……太宰さん」
それで良し!と太宰さんは喜んだ。
こんな感情も、捨てなければいけないのに。
僕達は、兵器なのだから。
『D31・036、A24・7546、任務です』
「もうそんな時間?面倒くさ〜」
『D31・036、戯れ言を云わないでください』
「ンも〜、うちのオペレーターは五月蝿いんだから……」
「でも、太宰さんのオペレーター、美人ですよ」
「んーむ……」
『A24・7546のオペレーターになりたいです』
「一寸!敦くんは私のなんだけど!」
『あつ、し?』
「あっ、やべ……」
『……私も呼びたいです』
「え?」
『敦……敦……』
「でも、之って駄目なんじゃ……」
『私が許可致します』
「いい、のかな……」
『感情を持つ事が駄目なだけです』
「そ、そうなの?」
「じゃあいい……」
「ダメぇぇぇ!!幾ら美人でもダメ!」
「一寸、太宰さん……」
『貴方にも名前があるのですね』
「てか、一寸待って下さい……」
「太宰さん……今感情を……」
「さぁ敦くん、行こう」
「えっちょ……太宰さん!?」
「あ、敦くんも感情持っちゃってるじゃん」
「……」
ー 廃墟都市 ー
「ふぅーん……此処が大昔の人類が住んでた……」
「興味深いね」
「今回の任務内容です」
「此処に機械生命体が王国を作っているそうです」
「はぁ……面倒くさ」
「行きますよ」
「はぁ〜い……」
「わお、此処、凄いね」
「データによると、此処はデパート、だそうです」
「デパート……」
「昔の人類が衣服や食糧等を売買していたそうです」
「……ねぇ敦くん」
「はい?」
「また、前みたいな平和を取り戻せたら……」
太宰さんがニッコリと微笑み、
僕に云った。
「” デエト “ しようね!」
「デエト……?」
「昔の人類が仲を深める為にしていた事らしい!」
「へぇ……良いですね」
「二人で……また此処に来ましょう」
僕もまた、太宰さんに向けて笑顔で放った。
「ふふっ!」
少しだけだとしても、此の楽しい時間が、
何よりも、大切だった。
ー 廃棄公園 ー
「うひょー!楽しいぃ〜! 」
太宰さんは滑り台と云う遊具で遊んでいた。
「此処は、昔の人類…子供が遊ぶ場だったそうです」
「昔の人類はいいねぇ〜!」
「こんなモノ作れるなんて!」
「僕らは最新型機械ですけどね」
「あっはは!そうだねぇ〜!」
最早今は人類はほぼ絶滅しているが。
カビ、苔が生え、汚くなっている。
こんなの、平和になったとしても
自由に暮らせないだろう。
「太宰さん、行きますよ」
「はいは〜い!」
それでも、僕らは闘い続ける。
狂ったように。
いや……僕らはもう狂っているのかもしれない。
こんなの、
無駄なだけなのだから。
ー 機械生命体の王国 ー
「おや、此処が目的地かい?」
「はい、間違いありません」
『ミンナ、敵、敵!』
『タタカエ!タタカエ!』
「随分と好戦的だなぁ〜!」
「これくらいの数なら余裕ですね」
「オペレーターシステム、” 白虎 “ 使用許可を」
『白虎、使用許可、快諾』
「白虎、Go」
此の世界のアンドロイドにはとある異能がある。
其れはどのアンドロイドにも設定されている。
僕の異能は、
白虎。
その名の通り、白虎を召喚させる。
「之は私に出番無しかな」
「太宰さんは戦闘系じゃないですもんね」
太宰さんの異能は、
機械生命体をハッキングし、再起不能に出来る。
ただ、10秒掛かるので大勢の敵には不利だ。
「……終わりましたね」
「早いなぁ〜流石私の敦くん!♡」
「其のハート付けるのやめてください」
「ンも〜照れちゃって!」
「照れてません」
「僕に、」
感情は無いので。
「…………」
「……そうかい……」
残念だね。