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「…ククク。人間どもの分をわきまえぬ『絆』とやら、ここで壊してやろう」
魔王軍幹部が妖しく微笑み、その両手を大きく広げた。直後、彼の瞳から放たれた不気味な紫色の光が、廃城の玉座の間を埋め尽くすように爆発的に広がっていく。
「うおっ!? なんだこれ、まぶしっ……!」
大河蹴介が、いつもの弾けた笑顔のまま腕で光を遮り、俊足を活かしてバックステップを踏んだ。
「零、一回下がった方がいいんじゃねえ!?」
完璧な容姿を持つ長田零も、一切の隙のない構えのまま、静かに蹴介と視線を交わして距離を取る。しかし、その光は物理的な衝撃を伴わない、奇妙な精神の波動だった。光が収まった瞬間、前線にいたメンバーたちの動きが、ピタリと止まる。
「…あれ? 裕人、泰輝? どうしたんだよ、急に黙り込んで」
石神秀都が、素の明るい笑顔のまま、隣に立つ笠原裕人の肩を揺すった。だが、いつもならすぐに一発ギャグを返してくるはずの裕人は、うつむいたままピクリとも動かない。
「おい、冗談だろ? 泰輝、次のバッターボックスは俺の番じゃ……」
秀都が次に井上泰輝の顔を覗き込んだ瞬間、その言葉が凍りついた。泰輝のまあまあイケメンな顔から、一切の感情が消え失せていた。いつも楽しそうにポンポンとトスしていた愛用の白球が、彼の手から力なく床へ落ち、不気味な音を立てて転がっていく。その瞳は完全に濁り、どす黒い紫色の光が、じわじわと網膜の奥で蠢いていた。
「…何、これ。普通じゃない」
綿部翅が、可愛い顔をこれまでに見せたことのない強張った表情に変え、自身の頭を押さえた。
「頭が、なんか、変……。いつも通りに、体が、動か……な……」
普通のトーンだった翅の声が、徐々に機械のように抑揚を失っていく。翅の瞳もまた、深い紫色へと染まっていく。
「みんな、ダメだよ……! そんな暗い顔しちゃ、僕が、みんなを、癒やさなきゃ……」
お人好しの檜村賢太が、仲間を心配して必死に歩み寄ろうとする。しかし、彼の穏やかな笑顔は徐々に引きつり、操り人形のように不自然な足取りへと変わっていった。
「あはは……。癒やしてあげる……魔王様のために、みんなを……」
優しいはずの賢太の口から、聞いたこともない昏い声が漏れ出す。
「なっ……なんだよ、これ……!!」
秀都が恐怖に目を見開き、一歩、また一歩と後退りした。
「みんな、どうしちまったんだよ! 裕人! 翅! 賢太!!」
「無駄だ。彼らの精神は今、我が主への絶対の忠誠へと書き換えられた」
幹部が冷酷な笑みを浮かべ、指をパチンと鳴らす。その音と同時に、感情を失った裕人、泰輝、翅、賢太、そしてじわじわと侵食されつつある秀都が、ゆっくりと首を傾げながら振り返った。その濁った瞳の照準は、明確に、後方にいる仲間たちへと絞られていた。
「おい、嘘、だろ……。みんな、僕たちのことが分からないの……?」
後方で戦況を見ていた末田渉が、ツンとした態度を完全に忘れて声を震わせ、メガネの奥の目を大きく見開いた。
如縣 遼太
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コメント
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うわぁ〜〜第6話、めっちゃ重い展開すぎる😭💔 紫の光で一瞬で仲間の目が濁っていく描写、ゾッとした…! 特に賢太の「癒やしてあげる…魔王様のために」って台詞、優しかった子がこうなるの本当つらいよ…😢 秀都の叫びに全部の恐怖が詰まってた。次どうなるか気になって仕方ないんだけど!