コメント
0件
👏 最初のコメントを書いて作者に喜んでもらおう!
#13 「嘘か本当か」
「俺は…会えてよかったと思ってるよ」
「…えっ?」
私に…会えてよかった?
「俺が…こんなに、
こんなに好きって思えた人はいないよ」
気づけば、
シルクくんは泣きながら話していた。
「お前がいなくなるなんて…
信じらんねーよ…。」
「シルク…くん…(泣)」
私も自然と涙が溢れてきた。
「私っ…死にたくない…。
シルクくんと一緒にいたいよぉ…!」
その日は2人で
涙がもう出なくなるほど泣いた日だ。
あと3日でクリスマス。
クリスマスだって一緒に過ごしたい…
年越しだって一緒に笑っていたい…!
来年のクリスマスや年越しだって…!
ずっとずっと…一緒に笑ってたいよぉ…!!
「ん…?」
寝ちゃってた…?
うぅ…座って寝てたから腰が痛い…
「( -ࡇ-)ᐝスヤァ…」
「……。」
ホントだったら毎日この顔を見られたのに…
どうして…
…未来は、変わらないか…。
「…雨」
窓から外を見てみると大雨が降っていた。
風も吹いていてゲリラ豪雨みたい。
「はぁ…退屈だなぁ…」
タッタッタッタッタッ…
「ん?」
何かが近づいてくる音が聞こえてきた。
足音…?
誰だろう、お医者さんかな?
ガラガラッ
「ロミアちゃん!」
「え、兄貴!?」
ど、どうしてここが!?
「んん〜…ロミアぁ…?
どうしたんだよいきなり…」
「いやビックリして…」
てかシルクくん起こしちゃった…
「兄貴〜…?何驚かしてんだ」
「いやそんなつもりないわ!(笑)
てかロミアちゃん大丈夫なの?」
あと半年も生きられないのに
全く大丈夫じゃないよね…。
「大丈夫…とは言えないかな…」
「そっか…なんとなく察したよ」
「………」
「シルクくん?」
何か言いたそうな顔をしているシルクくん…
兄貴は何かを感じて
「ちょっと俺外の空気吸ってくる、
ついでになんか買ってくるわ
シルク、行くぞ」
「え、あ、おう…」
「…気をつけてね」
「うん、ここで安静にしててね」
ガラガラ…
これから…どうなるんだろう。
不治の病…。
「………」
ー休憩室
「兄貴、ありがとな」
「これぐらいどうって事ないだろ」
「…もうロミアは半年も持たない」
「…それってガチだよね?」
「ガチだよ、
こんなことホントは言いたくねーのに」
「…だよな。」
「それでさ…ロミアって生まれてから
ずっと最悪な人生だったらしいじゃん」
「…そうだね…」
「だから…最期ぐらい笑ってほしくね?」
「俺も同じ考えだったよ」
「でも具体的に何したら…」
「そうだ、こんなのはどう?」
「たしかに、それなら!」
「うん、マサイたちも呼んできたら?」
「そうだな、アイツらにも伝えねーと…」
絶対に…ロミアには…、
ー病室
「シルクくん…」
せめて…最期のお願いだよ。
私の前では…、
《シルクくんは笑っててほしいーーー。》
《ロミアは笑ってられるようにーーー。》