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「立花先輩!」
満面の笑みを浮かべてこちらに手をふる伝七。
仙蔵はそんな伝七に申し訳無さそうな顔をして近寄っていく。
「先輩!約束していた見ていただきたいもの、見てもらえますか?」
今すぐにでも見てほしいと言わんばかりの伝七に仙蔵は膝をついた。
「すまない伝七。」
「え?」
笑顔が、なくなっていく。
「一年は組がまた騒動をおこして敵城に捕まってしまってな。その救出に行かないといけないんだ。」
仙蔵は下を向いた。
1週間も前から約束していたのだ。
申し訳なくて、伝七の顔をちゃんと見れなかった。
「だから「分かりました。」
顔を上げた仙蔵の目にうつったのは、笑顔な伝七だった。
「でんし「どうぞ行ってください。早くしないと手遅れになりますよ。」
腕を後ろにくんでにこりと微笑む伝七に申し訳なく思いながら、
「すまない。」
そう言ってその場をあとにした。
「っ。」
ーその顔、身に覚えがあるようね。今さら悔いても遅いわよ。この子はもうすぐ死ぬんだから。ー
「まさか!」
喜八郎の顔が、どんどん真っ青になっていく。
「どうした喜八郎。」
「っ先輩!早く伝七とあの影を引き離してください!じゃないと伝七が危険です!」
「何?!」
「妖魔は取り憑いた人間の負の心を食します。それには少なくとも三日かかります。負の心を食べ尽くされた人間は死んでしまいます!急がないと!」
「あぁ!」
仙蔵は伝七に向かって地面を蹴った。
伝七に苦無を投げつけるが鋼糸で跳ね返される。
仙蔵はその間に距離をつめ苦無で攻撃する。
「っ!何で、何で今さら僕にかまうんだ!」
その叫びに仙蔵は伝七を抱きしめた。
「離せ!」
伝七は仙蔵の胸を押して後ろへ下がる。攻撃をくり出すが所詮は6年生と1年生。伝七は首に手刀を入れられて気絶した。
ーな!ー
「逃さないよ。」
女の影は伝七から逃げようとするが、喜八郎により退治された。