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第62話『揺れる信念、蘇りし魂』
🏛 ゴッドエデン・叡智の殿堂
静かな空間に、ただ一本の光の道が続く。
リオンはその道を一歩一歩、噛みしめるように進んでいた。
「死んだはずの俺が、生きている……」
「これは奇跡か、それとも……罰なのか……」
そこに現れたのは、叡智と正義の女神・アテナ。
銀の鎧をまとい、澄んだ瞳でリオンを見つめていた。
「リオン。あなたの魂は揺れている。
命を取り戻した今、あなたは“何のために戦う”の?」
⸻
🌓 試される“存在意義”
アテナが手をかざすと、周囲の空間が変わった。
そこは、かつてリオンが命を落とした戦場――ルシフェルの軍との激戦地。
セレナの声が聞こえる。
「兄さん……! 目を開けて……!」
だが、その声は届かない。
リオンは再び“死”を体験する幻の中へ引きずり込まれた。
痛み。無力感。そして、虚無。
その中心で、もう一人の自分が立っていた。
虚ろな目をした“影のリオン”が、言う。
「お前は英雄じゃない。死んでいればよかったんだ」
「命を返されてまで、何を成すつもりだ?」
⸻
⚔ 自問の戦い
リオンは剣を構える。
だが、影の自分も同じ剣を持ち、容赦なく襲いかかってきた。
刃と刃が交差するたびに、心の奥底で信念が問われる。
「俺は……まだ答えを出せていない。
でも、もう一度戦えるなら……!」
「俺のこの命は、あの日、セレナがくれた。
ゲズたちが、守ってくれた――!」
最後の一撃で、影のリオンを貫いた瞬間、光が爆ぜた。
⸻
💫 神の認証
空間が戻り、再びアテナが現れる。
「あなたは死を越えてなお、自分を見つめた。
だからこそ、その命には“価値”がある」
アテナは静かに、手を翳す。
リオンの胸に、青白き叡智の紋章が刻まれた。
「その魂は、かつてよりも強く、澄んでいる。
あなたはもう、迷う者ではない――」
リオンは目を閉じ、小さく息をついた。
「ありがとう……アテナ。
俺はもう、後ろは見ない」
⸻
🌌 次なる者
静けさの中に、新たな気配。
次にその名を呼ばれるのは――セレナ。
彼女が抱くのは、“愛する者を守る覚悟”。
過去と向き合い、未来を見据える旅が、今始まる。