※直接的ではないですが、残酷表現含まれます。
——数時間前——
「はーい、遺言は?」
「わ、分かった! 金はいくらでも出す! だから命だけは!」
・・・・・・遺言まで予想通り。巷でよく見る悪役の小説みたいだ。勿論モブキャラ。
全く、金で解決できると思っているのだろうか。
「残念ながら、お金じゃないよ。じゃあ、さよなら」
そう言うと、相手は悔しそうな表情を浮かべた。
その表情に趣があるというのに。それを知らないで私にその表情を見せるなんて、なんて滑稽だろう。
「くそ、なら、最後に!」
は?
相手は身を乗り出し、私にキスをしようとしていた。
来るのは分かっていたが、避けられると確信していたからあえて動かなかった。
なぜって、面白そうだったから。
私という美少女に、キスする直前まで顔を近づけられた事に感謝いたしなさい。
そのままいつも通り始末した。
後片付けの人にその場を任せて、本部へと戻ろうとしていた、時。
目が合ってしまった。
東雲蓮と。
コメント
0件
👏 最初のコメントを書いて作者に喜んでもらおう!