TellerNovel

テラーノベル

アプリでサクサク楽しめる

テラーノベル(Teller Novel)

タイトル、作家名、タグで検索

ストーリーを書く

シェアするシェアする
報告する

「『ガムダナ女王』。初めまして。今あなた様の肉体を作っている途中です」

「ルーペント」から出てきた暗くて美しい姿の女王は、あくびをしてからお化粧をし始めた。ポンポンとファンデーションを塗り、まつ毛を直しているところだった。

今、エチケットをしている場合だろうか?女性には大切なことだけども。


彼女はやる気なさそうに返事する。

「あらそう。すぐに終わらせなさいよ」

「かしこまりました」

頷いてから、最後のモンスターを貼り合わせた。黒いオーラは薄くなり、目も元に戻る。ほっと一息ついた。これで完成した。

影のシプリートは、満足そうな笑みを浮かべた。これでこの惑星を終わらせることができる。

「いでよ、ドロドロのモンスター!!」

「グォァァァァ!!」

影のシプリートの背後に、大きな口をした化け物が。手が六本あり、黒くて泥水を固めたのような体をしている。奇妙な声で吠えた。これがラスボスか。少し気持ち悪いかもな。

それをお見えになった女王様は、拍手するほど歓喜する。頬を赤らめていた。

「いい器ね」

どうやらこのモンスターで満足してくださったようだ。ほっと息を吐く。断られたらまた作らないといけないしな。二度手間はめんどくさいから、ありがたい。

「さて、飛び移るわよ」

ルーペントと共に飛び移るのが一瞬すぎて、三人は止めることができなかった。合体して、変形していく。

両手はハサミに変化し、足は鋭く伸びて針へ。針の先からは毒が溢れる。その液体は紫の蔦を刺激し、ピント伸びて網を作り周りに盾として配置。背中には紫色に光る鎧が現れ、尻尾には紫のトゲトゲした鎧にさそりの尻尾が現れてる。

「グギャァァァァァ!!」

大きな口には鋭い牙が生え、口を開けて雄叫びを上げる。まさに巨大なラストモンスターだ。とても強いモンスターに早変わりする。何か倒す方法は……。

カロリーヌが考えていると、母上が昔おっしゃっていたことを思い出した。それ以外のことを思い出すのはやめておこう。虚しくなるし。

「昔母さんが言っていたの。全ての属性を混ぜれば、攻撃力がとても高くなる。魔法が使えない相手に友好的かもしれない。失敗すれば、攻撃力が下がる。一か八かの勝負よ……」

カロリーヌは大きな声で提案してくる。汗をかいていて、かなり緊張している。これは責任重大。

怪我を心配してやってきたアンジェがそれを聞いていたのか、険しい表情で現実を突きつける。

「でも炎と風しかないよ。それに蔦に魔力を吸われるのも時間の問題。水も木も闇もない状態でどうやって倒すの?」

その質問に答えようとした時、空から青い鱗のドラゴンがやってきた。白と紫の瞳のドミニックだ。彼女は目を輝かせた。

「生きてたの!?」

「ああ。この通り、元気満タンだ!!」

翼を使って、一回転。喜びを表す。

彼は死んだのではなく闇の渦に吹き飛ばされて、ずっと意識を失っていた。やっと目を覚まして復活。こちらへ向かったということだ。

アンジェはほっと胸を撫で下ろす。ずっと死んでいたと思い込んでいたので、これで安心できる。

そんなことよりもエンジェル。彼女を説得しなければいけない。しかし彼女と接点が多かったのは、シプリートのみ。言葉だけではどうすることもできない。そもそもこの四人との交流はほとんどない。

建物から出てきたエンジェルの様子がおかしい。真っ暗に染まっていく赤毛の「影のシプリート」を見て、恐怖で怯えているようだ。目には光が戻っていた。どうやらアズキールの洗脳が解け始めたようだ。髪の色は変わらない。

怯えは全くなくならず、悲鳴を上げるよりも固まってしまい言葉が出てこない。なぜこうなってしまったのか、全く理解不能。

なぜシプリートがアズキールの服装をしているのか。なぜ邪悪な笑みを浮かべているのか。頭が混乱してしまう。アズキールに似ているシプリートを怒りで殺したくない。

彼のことがずっと好きで、毎日エミリのことを両親の代わりに褒めてくれた。それに王子は花が好きで、二人で花壇の整備もした。彼が微笑んで楽しそうにしているのを見ていたら、自分もワクワクしてしまう。

どうすれば彼の意識を取り戻し、日常に戻れるの?

目が涙でいっぱいになる。もうどうすることもできない自分の無気力に失望してしまう。

そんな時、背後から柔らかい手を差し伸べてくれた。涙でぼやけてよく見えない。シプリート……?いや、違う。メイドのカロリーヌだ。

「エミリ姫、戻ったんですね。あの人の専属になってたら、逆らえないですもの」

「そういうこと言ってる暇はないです。私は木の能力を使えます。あとは光と闇ですよね。でも闇の属性を持ってる人はいませんよ」

エミリもカロリーヌの話を聞いていたのだ。

確かにその通りである。光はシプリートの父が持っているが、闇は影のシプリート以外いない。どうすれば。

あれから迷っていると、敵が痩せ細って力の出ないザールに攻撃し始めた。ハサミで切り刻もうとしたら、足から針を出したり。

彼はなんとか耐えて避けているが死にそうである。巨大な攻撃がこない今がチャンス。

「あの蜘蛛はどうでしょうか?あれを仲間にしましょう」

エミリが指差したところに、モンスター化できなかった蜘蛛が一匹現れた。攻撃はしてこないが、敵に違いない。

時間は残りわずか。それを見たエミリは的確に指示をする。

「ドミニック、ドラゴンの爪攻撃で相手を引っ掻いて!それから意識をなくしたら、カロリーヌ。あなたがこの紐で縛りなさい」

そう言われて渡されたのは、ドミニックを縛っていたあの紐だ。魔力入りなので、拘束されても解けない仕組みになっている。だから一度も落ちなかったのだ。

手が器用なカロリーヌがそれを受け取り、ドミニックが蜘蛛の位置を観察。この蜘蛛は逃げ足が早く道筋が掴みにくい。苦戦してしまう。これではダメだ!もっと早くしなければ!

ドミニックは目を凝らして、その場所で爪攻撃をすると見せかけて他の場所を狙った。すると攻撃が当たり、ノックダウン。

その瞬間カロリーヌが手をテキパキと動かし、縛ることに成功。ノックダウンから戻っても身動きが取れない。成功だ。

失われた姫と消えた秘宝

作品ページ作品ページ
次の話を読む

この作品はいかがでしたか?

10

コメント

0

👏 最初のコメントを書いて作者に喜んでもらおう!

チャット小説はテラーノベルアプリをインストール
テラーノベルのスクリーンショット
テラーノベル

電車の中でも寝る前のベッドの中でもサクサク快適に。
もっと読みたい!がどんどんみつかる。
「読んで」「書いて」毎日が楽しくなる小説アプリをダウンロードしよう。

Apple StoreGoogle Play Store
本棚

ホーム

本棚

検索

ストーリーを書く
本棚

通知

本棚

本棚