緑になった桜の葉が、
踊るように風に吹かれている。
(もう桜は散ってしまったのか、、)
なんてことを考えていると、
ふと、思い出す。
『あはは、、w!面白いね!』
『え~やぁ~だぁ~♡』
『ちょ、ひどいってぇ、、w』
_嫌な記憶だ。
今はもう会えていない
元気で僕っ子な彼女の事をまたも思い出す。
別に
彼女の事が嫌いだった訳じゃない。
むしろ愛していた。
だけど
彼女は、風のようにうっすらとどこかへ消えてしまった。
それはもう、優しく頬を撫でる春の風のように_
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キーンコーンカーンコーン
と、そんなこんなで授業は終わり、昼休みの時間になった。
『悠馬ー!一緒ご飯食べようぜー!』
廊下の方から俺を呼ぶ声が聞こえてくる。
俺の名前は七瀬悠馬。
そして、今俺を呼んでいるのは幼馴染の黒鳩理玖だ。
「あぁ。今行く。」
お弁当をとり、理玖と一緒に屋上へ向かう。
『悠馬〜、、勉強教えてくれよ〜!!』
「はぁ?なんで俺が、、」
『だって友達で一番頭良いのお前だし〜、、』
『お〜ね〜が〜い〜、、』
これでもか、と言うほどお願いされるので
「はぁ、、、、分かったよ、、。」
渋々今日の放課後、勉強を教える約束をした。
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『ご馳走様でした〜!』
「ご馳走様。」
理玖とダラダラ話しながら食べている間に、
昼休みは終わってしまった。
「はぁ、、読書したかったのに、、。」
『まぁいいじゃーん!最近二人で話すこと少なかったしw?』
_確かにそれはそうだ。
彼女の事が
頭から離れない。
いつもどこでも
彼女の声が
彼女との思い出が
彼女の顔が
頭の中に蔓延っている。
きっとそれほど
俺は彼女に依存していたんだろう。
あぁ。彼女となんて出会わなければ良かった。
『悠馬ー?おーい?』
「わりぃ。考え事してた。」
『おw?好きな子の事とかw?』
「ちげぇよ。」
咄嗟にそんな事を口にしてしまった。
彼女が消えてから、俺は嘘ばっかり。
「じゃ。また放課後。」
『え、あ、うん!』
一方的に話を切ってしまった。
ごめん理玖。
まだ立ち直れそうにないんだ。