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私が目を覚ますと朝になっていた。どうやら、風呂にも入らず、寝てしまったらしい。私は、またあの場所に行かなければならないのかと思うと、胸が苦しくなった。そんな気持ちを無理矢理押し殺し、学校に行こうと準備を始めた。パジャマから制服に着替えてリビングに行った。すると、いつもは明るくにぎやかなリビングがまるで夜の公園のように暗く、静かだった。お母さんと、お父さんは仕事に行ったらしい。そして私は、朝ごはんを食べて玄関のドアを開けた。けれど行き先は学校ではなかった。私はまず大きなショッピングモールに行った。そして映画を一人で見た。映画は二時間ほどで終わった。面白かったはずなのに、学校をサボったせいか罪悪感で楽しんで、見ることができなかった。お昼ご飯をファストフード店で食べて、私が席を立つと何故かいつもいじめてくる、あいつらがいた。私があいつらに気づくと、あいつらも私に気づいたのか私に笑顔で、手を振ってきた。だが、わたしにはあの笑顔がとても不気味だった。私は、ファストフード店を逃げるように出た。すると、あいつらも私を追って店を出てきた。私は、震える足を動かして必死にあいつらから逃げた。けれど、五人から逃げ切れるわけもなく、あっさり捕まってしまった。私は、五人に、連れられるがまま、多目的トイレに連れて行かれた。そして、「ゆい、あんたなんで学校休んでるの?」その質問に対して私はなにも言うことができなかった。「何か答えろよ。」そんな凄まじい怒号が聞こえた。その刹那、私のお腹に、強い蹴りが鈍い音と共に直撃した。私は、その衝撃に耐えられず地面に蹲った。けれど、あいつらは私を蹴ることをやめなかった。蹲った私を蹴ったり、殴ったり、何時間にもわたって私を壊そうとしてきた。そして耐えられなくなった私は「ごめんなさい、ごめんなさい」と泣きながら土下座し何度も謝った。けれど、あいつらはやめるどころか謝っている私の頭を笑いながら両足で踏んできた。そして私が意識を失っても暴行は、続いた。そして、私を壊す事に、飽きたのかそいつらはどこかに行った。あいつらが出て行って、何分ぐらい経ったのだろう。しばらくして、若い女の人の悲鳴が聞こえ、私は、救急車で運ばれた。次に目覚めた時私はベッドの上にいた。私は、状況がよく分からず誰かを呼ぼうと思い、ベッドから起きあがろうとした。けれど体が動かない、息をするたび肺が痛い。私はここで初めて自分が、どんな状況なのか分かった。そして、私が目覚めたことを気づいて、医師と両親が入ってきた。「ゆい」と泣きながら、お母さんが私に抱きついてきた。「ごめんね….」気づいたら私は両親に向かって謝っていた。そんな私に、お母さんは言った「なんで、なんで、話してくれなかったの。どうして、いつも一人で抱え込むの」私には、返す言葉が無かったそして、それ以上お母さんは何も言わず私を抱きしめてくれた。私は、自分が思っていたより大怪我だったらしく、五日間の入院を余儀なくされた。入院中、色々なことをした。読書や音楽鑑賞、絵本を書いたりもした。けれど、なんだかあまり手につかず一日もせずにやめてしまう。そんな時、ふと病院の中を探検していた。すると、目の前から中学生の女の子が歩いてきた。そして、私はなにを思ったのかその女の子を追いかけてみる事にした。その女の子は病院の入り口で、話をしていた。よく見るとその女の子の奥で、大人の女の人が頭を下げていた。その女の人はうちの娘がすみませんなど、話していた。しばらくして、話が終わったらしく女の子はこちらに戻ってきた。どうやら、私が話を盗み聞きしていた事に、気づいていたのかこちらをじっと見てきた。私が自分の病室に戻り、うとうとしていると病室のドアが勢いよく、開いた私は両親が来たと思いベッドの上でら、ドアの方に寝返りをうった。私は、ドアの前に立っている人を見て目を見開いた。そこには、ついさっきまで私が後をつけていた女の子がいた。そしてその女の子は「さっき、話聞いてました?」と弱々しく言った。私は「盗み聞きしてしまって、ごめんなさい」と素直に謝った。すると女の子は、ほぼ初対面の私に状況を説明してくれた。「私、学校でいじめられてるんです。」その時、私はその子と自分を重ねてしまった。どうやら、この子の名前は雪と言うらしい。雪ちゃんは学校でいじめられて、友達の女の子に、階段から突き落とされてここに運び込まれたらしい。私も、その女の子に事情を話すことにした。すると、その女の子は私の話を聞いて泣き出してしまった。私はどんな対応をしたらいいのか分からず、雪ちゃんの背中をさすった。三十分ぐらいして雪ちゃんと私は、連絡先を交換して別れた。そして、私は怪我が完全に治り学校に行けるようになった。あの一件から、私は学校を転校した。前の学校とは違い、みんな私に対してとても優しく接してくれた。そんな当たり前のことが、私にとってはとても嬉しかった。新しい学校に通い始めて、学校生活にも慣れてきたある日、いつも通り家に帰り学校で出た宿題をやっていると、静かな部屋に電話の着信音が響いた。電話をかけてきたのは、仕事中のお母さんだった。嫌な予感がした。私が電話に出ると、お母さんは深刻そうな声色で「前の学校で仲良くしてたみさきちゃんって覚えている。」覚えているに決まっている。私がいじめられている時、唯一声をかけて仲良くしてくれたのがみさきだった「みさきちゃん、家のマンションから飛び降りて亡くなったらしいの」