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るか
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あめ。
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悪びれもせずしょぴちのです。
尊すぎるあいつらが悪いまである。
しょぴちの二人ともモブ女と結婚する描写が一応あります
幸せそうに笑うあいつを張り付けた笑顔で祝福する
ワイの気持ちなんて知りもしないで
こいつはなんて腑抜けた顔で笑うんやろう
そんな顔に、初めに恋をしたのは、あの隣の女やなくて、ワイやったのに
まばゆいほどの白いスーツで笑うちーのは
ワイの目からしたら、天使そのものだった
黒く渦巻く感情が生まれたのは、今からちょうど二か月前
いつもの飲み屋
穏やかで楽しい時間
毎月のこの時間がワイの一番の楽しみやった
「でさ~彼女がさ~」
酒に酔って真っ赤になった顔
ふにゃふにゃと笑いながら無防備にワイに話し続けるちーの
コイツに彼女ができたのは知ってた
一番最初にワイに連絡してきたのを、今でも覚えてる
いつかきっと女側がこいつをフるかこいつがフるかして、破局すると思ってた
だっていつもワイに愚痴を吐くし
それを親身に聞いていたワイに、少なからずとも勝ち目はあると
心のどこかで思い込んでいた
「なぁショッピ。俺結婚するんや」
「…は?」
「今の彼女と。もう親御さんへの挨拶も済ませたし、式も挙げんねん。」
ふわりと花がほころぶように笑う
胸に確かな甘さと少しの棘を感じた
「やから、ショッピには友人代表としてスピーチしてほしくてな?」
適当に相槌はうってはいるけど
ちーのの言葉はワイの耳を右から左にへと抜けていく
「ほなよろしく頼むわ!」
心底幸せそうに笑ったちーの
この笑顔を見た瞬間
ワイのこの想いは
墓場まで持っていくことが決まってしまったんや
穏やかな洋風の式場が見える庭園の
バラの低木のそばにワイは立っている
ワイの視線の先には、過去のものになりつつある思い人
ちーのと女が、ゆっくりと、踏みしめるように式場からパーティー会場である庭に出てきた
誰もがちーのとあの女に祝福の言葉を投げかけていく
世界で一番幸せそうな新婚夫婦を、ワイは傍から眺めていた
物理的には、ほんの数歩しか離れてないのに
気が遠くなりそうなほど、ワイとちーのは遠かった
悔しくて、惨めで
下を向くと、細身のグラスに入った赤いワインに、ワイの顔が映った
その表情は、まるで何も感じてないかのようにふるまわれていて
自分ながら少し不気味にすら思えた
赤い水面が震える手のせいで揺れる
ワイの顔が、醜く、変に歪んだ
「…ショッピ」
ワイの肩を大先生が支える
大先生は、ワイのちーのへの想いを知っている数少ない人
ワイのことを心配してくれてるみたいや
何かを言う気にもなれず、静かにほほ笑んで、ワイの喪服のような黒いスーツをまとった肩から、
乗った手を優しく払いのける
「平気っすよ。ちーのの幸せはワイの幸せなんで」
「…そうか」
何を察したのか、大先生は少し浮かない顔で離れていった
こういう時の大先生ほど頼れるうえに相談しやすい知り合いはいない
でも、これだけはワイの中だけでくすぶらさせておきたいんや
全部、全部ワイの中だけで_____
その日の夜。ワイは一人でバーにおった
二次会を断ってきたから、本当に一人や
琥珀色の酒が入ったグラスを勢いよく傾ける
氷が冷たい音を鳴らして大きく揺れた
「…はぁ…」
そうため息をつく。
式は最高の形で幕を閉じた
ワイも三日三晩考えつづけたスピーチを無事終わらせ
とうとうワイは、ちーのの親友というこの上ない最高の形で、この恋心に幕を下ろす
アルコールが喉を焼くようにひりつかせた
その痛みをどうにかしようと、また冷たい酒を流し込む
まるで麻薬を繰り返す犯罪者になった気持ちや
苦しみを緩和させるために苦しむ要因をもう一度
…なんてセンチメンタルなことを思うのは、ワイが人生初の失恋をしてしまったからやろうか
嗚呼、あいつがワイのことを好きって言ってくれたら
ワイが言えていて、その言葉にあいつが了承をくれていたなら
ちーのが、女となんか出会わんと、俺が運命の相手やって、一度でも…錯覚してくれたら
なんて、もうちーのが真実の愛を見つけた今となっては、後の祭りも甚だしい
その苛立ちも込めて、カウンターに乱雑かつ粗暴なしぐさで、
多いくらいの代金を置いて、ワイはそのバーを離れていった
夜の空気が酒で火照ったワイの体を冷やす
体は熱いが心の芯は冷め切ったまま
どこか遠いものを見るように星を眺めた
酒臭い息を遠くに、ゆっくりと吐き出す
深夜、閑静な街でこうやって呆然と立っている姿は、どこからどう見ても変な奴で
通報されてもきっと、ワイは文句を言えないやろう
ふいに、傍の植え込みから音とともにうめき声が聞こえる
酔っ払いでも寝とるんやろうかと、好奇心でのぞき込んだ
その姿に、目を見開く
そこには、ワイと同じく黒いスーツに身を包んだ、二次会に行ったはずのちーのが
酔いつぶれて寝ていたからや
幸せそうに笑うあいつを張り付けた笑顔で祝福する
俺の気持ちなんて知りもしないで
こいつって本当にうれしい時以外こんな穏やかな顔で笑わへんのに
そんなこいつの顔に、初めに恋をしたのは、あの隣の女やなくて、俺やったのに
落ち着いた深い紫の紋付き羽織袴を着て、ほほ笑むショッピは
俺の目からしたら、憧れそのものやった
黒く渦巻く感情が生まれたのは、今からちょうど、二か月前
いつものゲーム画面
穏やかで楽しい時間
週一のこの時間が俺の一番の楽しみやった
「ほんまあいつがさ~」
ゲームをしながら他愛もない雑談を続ける
今は俺とゲームをしているのに、彼女の話をされると、少し妬いてしまう気もするが
ショッピがうれしそうなので、まぁ許していた
コイツに彼女ができたのは知ってた
一番最初に俺に連絡してきたのを、今でも覚えてる
いつかきっと女側がこいつをフるかこいつがフるかして、破局すると思ってた
だっていつも俺に女の愚痴吐くし
それを親身に聞いていた俺に、少なからずとも勝ち目はあると
心のどこかで思い込んでいた
「あ、ワイ結婚すんねん」
「…は?」
「今の彼女と。もう親御さんへの挨拶も済ませたし、式も挙げるって決めてん」
ふわりと半笑いで、でも穏やかに
マイク越しでもわかるほど幸せそうだ
胸に確かな甘さと少しの棘を感じた
「やから、ちーのには友人代表としてちょっとスピーチしてほしくてな?」
適当に相槌はうって、話は聞いている風にしているけど
ショッピの言葉は現実感がなくて
俺の耳を右から左にへと抜けていく
「ほな頼むわ」
そう軽いように聞こえて真剣な声で言って、この話は終わった
この声を聴いた瞬間
俺のこの想いは
墓場まで持っていくことが決まってしまったんや
穏やかで荘厳な広い和室の畳の上
俺はショッピとお嫁さんがよく見える上座におった
家族並みのその席にいてさえも
もう少し隣に入れたら、きっと俺はもっと幸せだったと、思ってしまう俺が恥ずかしい
俺の視線の先には、過去のものになりつつある思い人
ショッピとお嫁さんが穏やかに式場で杯を交わしていた
あんな穏やかなショッピの顔なんて俺しか見たことなかったのに
誰もがショッピとあの女に祝福の言葉を投げかけていく
世界で一番幸せそうな新婚夫婦を、俺は傍から眺めていた
物理的には、ほんの座布団数枚しか離れてないのに
気が遠くなりそうなほど、俺とショッピの距離は遠かった
悔しくて、惨めで
涙を悟られぬように下を向くと、猪口の中に注がれた
透明な酒に映る俺と目が合った
その表情は、本当に感情そのものが抜け落ちたようで
自分ながら少し不気味にすら思えた
透き通った水面が震える手のせいで揺れる
俺の顔が、醜く、変に歪んだ
「…ちーの、平気か」
俺の肩をシャオロンが軽くたたく
シャオロンは、俺のショッピへの想いを知っている数少ない人
浮かない顔でいる俺のことを心配してくれてるみたいや
何かを言う気にもなれず、少し笑って、俺の喪服のような黒いスーツをまとった肩から、
乗った手を優しく払いのける
「平気やわ。もう俺も決めてん」
「…そうか」
何を察したのか、シャオロンは少し浮かない顔で離れていった
こういう時のシャオロンほど頼れるうえに相談しやすい知り合いはなかなかおらんと俺は思う
嘘ついてすまんな
でも、これだけはの俺の中だけでくすぶらさせて、終わらせたいんや
全部、全部俺の中だけで_____
その日の夜。俺は一人で行きつけの居酒屋に来ていた
二次会を断ってきたから、本当に一人
これから添い遂げる二人っていうのを祝福した後やからか俺の孤独がより引き立っている気がする
喧騒の中でただ一人だけおとなしく魚をつつきながら黙々と焼酎の瓶を開けていた
空になった瓶が運ばれていく
「…はぁ…」
そうため息をつく。
式は最高の形で幕を閉じた
俺も知人ほぼ全員にアドバイスをもらって必死に書き上げたスピーチを無事終わらせ
とうとう俺は、ショッピの親友というこの上ない最高の形で、この恋心に幕を下ろす
酒に酔ってきて、視界も思考もうまくいかない
普段ならいい感じに酔いが回ってきて楽しいその感覚さえ、
今の俺からしたら、これからの闇夜のような未来を暗示しているかのような気がした
…なんてセンチメンタルなことを思うのは、俺が人生初の失恋をしてしまったからやろうか
正気になれと、目の前にある酒をまた飲む
嗚呼、あいつが俺のことを好きって言ってくれたら
俺があいつに思いを伝えられていて、その言葉にあいつが了承をくれていたなら
ショッピが、碌な女となんか出会わんと、俺が運命の相手やって、錯覚してくれたら
なんて、もうショッピが真実を愛を見つけた今となっては、後の祭りも甚だしい
ずいぶんと飲みすぎた俺はべろんべろんになりながらも、
多めの代金を置いて、その居酒屋を去っていった
夜風が気持ちい
騒がしい持ちを通り抜け、俺は閑静な街の中に入って行った
動くことによって、酒がさっきよりもずっと回り始めた
あまりにも眠たい
いいか、寝ても
どうせ、ショッピにさえ選ばれないような俺だし
そうして、そこの植え込みに倒れるようにして、俺は眠りについた____
正直混乱した。
なんでお前がここにおんねん
嫁さんはどないした?
その格好は?
なんで植え込みで一人で寝てんねん?
もしかしてドッペルゲンガーとか?
他人の空似ちーのか?
とりあえず話を聞かなければと
軽く肩をゆすって起こす
「…あの~。平気ですか~?」
すると、ちーの(仮)はまだ眠たいと言わんばかりに身じろいだ
そこから聞こえたうめき声は本当にちーのそのもの
「起きてください~、警察に補導されますよ~?」
頬をつっついたり、胴体を軽くゆすったり
植え込みから引き摺り出して道路に寝転がらせたり…
見れば見るほどちーのやなこいつ…
「ちーのぉ~?」
ちーの(仮)の名を呼ぶと、こいつはやっと目を開いた
「…んぁ?…しょっぴ?」
うわキモ、なんでこいつはワイの名前を知っとるんや
てことは知り合いか?ますますちーのやな…
「知り合いにめっちゃ似てるんっすけど…どなたっすか?」
そう聞くとちーの(仮)はとんでもない名前を出した
「俺ぇ?ちーのやけど…」
「嘘つけ」
もはや反射で返すと相手はすぐに反論してきた
「嘘ちゃうわ。てか…お前ほんまにショッピけ?…袴はどないしてん、あと嫁さんと一緒ちゃうんか?」
「は?嫁?ワイにはおらんがな、それはお前の嫌味か?てかそれに関してはお前もやん、嫁さんたちと二次会や言うてたやん」
「俺によめぇ!??」
話が食い違ってばかりだ
「なんやこの会話!埒が明かんわ!俺はちーのや!」
「はぁ!?酔っ払いの言葉なんざ信じれるかぁ!」
「酔っ払いはそっちもやろがい!」
「よっしゃ腕出してみ、注射痕あるやろ絶対」
「薬なんてやっとらんわボケ!」
「ほな身分証出せや!」
「出したるわお前も出せや!」
「やってやんよ!!」
お互いポケットから財布を取り出して
中にある運転免許証を手に持つ
「せーのでやからな」
そう言ったちーの(仮)
「待て。お前が言っとるんは「せーの」の「せ」で出すってことか?「の」で出すことか?」
ワイがそう言うと
「は?「せーの」なんやから「ー」に決まっとるやろ」
と真剣な顔で返された
「お前やっぱ正気ちゃうやんけ!!」
「酒飲んでるんやから当たり前やろがい!!」
また喧嘩が始まると察したワイはすかさずいう
「もうええわ。いくで、せーの!」
そう言ってひっくり返された免許証…
「…あれ、ほんまにショッピや」
「ほんまにちーのやねんけど…」
「「は?」」
とりあえずということで、このちーのをワイの家に上げる
「ちょっとちーのに電話してみるわ」
「おん…」
そう言って携帯を操作して、チーノのアイコンをタップする
しばらく、無機質な音が電話からなり続ける
すると5コール目やろうか、そのあたりで、通話状態になった
『しょっぴ~?どないしたん~~?』
電話に出たのはワイが知ってるちーのや
思わずさっき出会った方のちーのを見ると、あわてたように首を振って俺じゃないと主張した
「いや別に、ワイは明日早いから帰ったけど楽しそうにやっとんのかなって気になっただけやで」
口から出まかせに適当な嘘をつく
『そっか~!』
コイツ馬鹿酔っとるやんとか思いながら電話校で二言三言交わす
「おん、それだけやで。なんや楽しそうで心配いらんかったなw。おう、お幸せに」
そう言って電話を切った
「…どういうことや、なんであっちにちーのおんのにこっちにもちーのがおんねん…」
そう言って天を仰ぐ
「俺も聞きたい。ちょっとまって、俺もショッピに電話するわ」
「おう…」
目の前にいるのに電話を掛けるといわれる感覚が、きっとこの先も聞かない単語やろう
チーノが電話を掛けるが、ワイの電話は何も言わない
「…こおへんな」
「つながるかな…あ、もしもしショッピ?」
つながったみたいや、和気あいあいと楽しげに話している
いや正確に言うと声だけは楽しそうに話している
その顔は、声のように楽しそうではなかった
「おう、うん、じゃあなお幸せにな~…」
ワイと同じ言葉を吐いて、電話を切ったちーの
どうやらこいつが電話をかけたワイとやらが結婚しているのは本当らしい
「…いろいろ察するに、ワイとお前はどうやら別の世界軸から来たって考えたほうが楽そうやな」
マンションの一室
フローリングの部屋の隅っこにちーのが座りこむ
「多分やけど、俺が迷い込んだ側やろうな…」
「なんで?」
そう聞き返すとちーのは言った
「俺がいるほうではショッピの家って、和洋折衷って感じの部屋やってん。床も畳やった」
そう言って軽くフローリングをなでた
「そうか…ほなお前とちーのを会わせないようにワイは頑張るわけか」
「せやな、こっちの俺と、ここにいる俺が会ったら、それこそ何があるかもわからへん」
話がまとまると、会話が途切れた
同じちーのとは言えど、別人なんや、会話も止まる
それは向こうも同じやろう
「…俺の世界とさ、こっちの世界って…ずれがあんねんな。やから、その…知ってみたいな思ったんやけど…」
急にしどろもどろになったちーのに、少し笑える
「w…ええよ。酒でも開けよか」
「まじ?何があんの?」
大先生から貰い物の赤ワインを取り出す
高い奴らしいから大事にとっといたやつやけど、もう赤ワインは嫌いやし
今こいつと話しながらなら、なんとか飲め切れそうな気もする
栓抜きなんてたいそうなものはうちにはないから
包丁を思いっきり突き刺して、コルク栓を抜いた
「お前んちコルク抜きないの?」
「ワイがそんな丁寧なことすると思うか?」
「こっちのショッピは万能ナイフ持ってたから」
「へぇ、ずいぶんと丁寧な奴やな」
夜は赤に染まって更ける
コメント
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うわあ…これ、両片思いのすれ違い、ってレベルじゃないですね。お互いがお互いの結婚式で「こいつの幸せそうな顔、最初に見たのは俺だったのに」って同じこと考えてるの、胸がぎゅっとなりました。それでいて別世界の二人が出会っちゃうって展開、運命のいたずらというか…同じ名前で呼び合いながら免許証見せ合うシーン、切ないのにちょっと笑えてしまいました。ユエツさんの視点切り替え、すごく好きです。