コメント
0件
👏 最初のコメントを書いて作者に喜んでもらおう!
戦場の空気が一瞬で変わった。虎杖と伏黒が千早と激しく交戦する中、突然、空気が引き締まり、呪力の奔流が急激に押し寄せてきた。その波動は尋常ではない。まるで周囲の空間すらも歪ませるような力。二人はその圧力に身をすくめ、直感的に後退する。
その瞬間、空間が裂けるようにして現れたのは、釜会竜児。彼の登場は、まるで戦闘の方向性を変える一撃のようだった。彼の姿が見えた途端、千早がその存在に気づき、目を見開く。
千早:「あ…お前は…」
釜海は何も言わず、ただ冷ややかな目で千早を見据えた。彼の目には迷いも、優しさも、そして言葉も無かった。彼の呪力は、圧倒的なまでに強力であり、空気がその力を感じ取り、震えているような感覚すらあった。
竜児:「お前は、もう終わりだ。」
その一言が響くと同時に、地面を蹴り、足音が轟音となって周囲に響き渡る。瞬時に千早との距離を詰め、圧倒的なスピードで彼女に迫る。
千早:「待て…!」
千早が何かを叫ぼうとしたその時、手が一閃し、周囲の空気を裂くような音が響いた。千早の身体が一瞬で弾き飛ばされ、そのまま地面に激しく叩きつけられる。
虎杖:「なんだ…今の…!」
虎杖はその光景を目の当たりにし、言葉を失った。千早があまりにも簡単に弾き飛ばされ、瞬時に無力化されたからだ。
伏黒:「竜児……。こんなところに来るなんて。」
伏黒の眼差しもまた冷徹だった。釜会竜児、彼の名は呪術界で広く知られている。それはただの「強い術師」というだけではない。「呪術界の破壊者」として、その名を轟かせた一級術師であり、呪霊すらも無力化する圧倒的な力を持っていた。
千早が地面に倒れ、意識を失っている様子を見て、釜海は静かに足を止める。
竜児:「もう抵抗するな。」
釜海の声は低く、冷徹そのもので、彼の目には何の感情も見えない。それでも、その力強さと冷徹さには、並外れたものがあった。千早はゆっくりと体を起こし、震えながら立ち上がろうとしたが、その姿勢すらも不安定だった。
千早:「……こんなことになるとは思わなかった。」
千早の声には、少しだけ情けなさが混じっていた。だが、その目にはまだ意地と怒りが宿っていた。
しかし、その場から一歩も動かず、ただ冷静に目を向けるだけだった。彼の力はもはや千早にとって圧倒的で、どれだけ努力しても追いつけるものではなかった。
竜児:「お前の戦いは、もう終わりだ。」
その一言を最後に、指先から放たれる呪力の束が、千早の身体を捉える。千早はその圧倒的な力に、言葉もなく屈服し、再び地面に倒れる。
伏黒:「これで……終わりか?」
伏黒の問いかけに、短く頷くだけだった。その目に浮かぶのは、戦いの決着をつけるという冷徹な意志だった。
その瞬間、周囲の空気が急激に引き締まり、力が全てを支配する。戦いの場が一変し、もはやその場に立ちすくむ者は誰もいない。
虎杖:「……どうした?」
虎杖は、釜海が千早を瞬殺したその冷徹な行動に驚き、問いかける。
釜海竜児:「理由はない。余裕はない。」
釜海はそう言うと、再びその場を離れようとした。だが、虎杖はその背中を見つめながら、決して戦う意志を見せない自分を苦しむように感じた。
虎杖:「やっぱりただ者じゃない…」
竜児の実力を、虎杖は改めて思い知らされることとなった。しかし、それと同時に彼の心には、ある決意が芽生えていた。
次にもし戦う時――その時こそが、本当の戦いだと。