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はるき
69
りぃ @🥀
127
・カンタロー×貧ちゃん
・貧ちゃんの親がかなり毒親設定
・2人共過去が激重
・かなりグロテスク且つ過激な表現あり
・貧ちゃんが貧血持ち
・貧ちゃんが虐待されてます
・「」←カンタロー 『』←貧ちゃん
・地雷の無い方のみどうぞ
(貧ちゃん視点)
(幼少期)
またテストで赤点を取ってしまった、お父さんとお母さんに怒られる…髪を引っ張られる…な、ナイフを向けられる。俺は震える足で家のドアを開いた。
『ただいま…』
震える声をなるべく抑え、深呼吸をしてリビングに行く。今日の機嫌は悪くないようだ、でも表情が読めないから何を考えているのか分からないのが怖い。
「今日のテストどうだったの」
淡々とした声音でお母さんが聞いてきた、また赤点を取ってしまったなんて言ったら今度は何をされるか分からない。俺が俯いて黙っていると、お母さんは足音を荒くして近付いてきた。無様に俺の頭を鷲掴みにする。
『痛っ…』
「見せなさい」
冷たい目で見下ろされ俺は恐怖でブルブルと震えた。ランドセルから1枚のテストを取り出すと、お母さんは勝手に取り上げ眉間に皺を寄せた。
「何なのこの点数は、ちゃんと勉強したの?」
今日のテストは難しかったんだ、分からないことばかりで。でもそれを言い訳にしたらもっと叱られると思ったから口を噤んだ。
「はぁ…何であんたはこんなに勉強も運動も出来ないのかしら、本当に何も出来ないんだから」
お母さんの口から次々と俺の人格否定の言葉が出てくる。あぁ、お母さんごめんなさい。俺が全部悪いんだ。
「これ、お父さんに見せるからね。後でしっかりお説教を受けるのよ。あんたみたいな子供がいるだけで私は恥なんだから」
そう言い捨てた後、お母さんは台所へ出ていった。良かった、殴られなくて。ナイフを向けられなくて。でも、お父さんには殴られるだろうな。
(夜)
夜ご飯の前にお父さんに呼ばれた、きっと叱られる。俺は必死に感情を殺しながらリビングに入った。テーブルにはお父さんが険しい顔をしながら座っていた。すると俺を見るなりいきなり俺の頬を殴った。床に転がり、うずくまる。
「何だこの点数は!お前は本当に大バカ野郎だな!お前みたいなガキがいるから俺は恥をかくんだ!」
お父さんが声を荒らげ、ひたすら俺に暴力を振るった。殴られ蹴られ、俺はただ耐え抜くしか無かった。暴力が終わったと思い立ち上がろうとすると今度はナイフを目の前に向けられた。
『ひっ…!』
まずい、今度こそ殺される…!俺は必死に逃げようとするもお父さんに胸ぐらを掴まれどうすることも出来なかった。俺は堪えていた涙をボロボロと流しながら許しを乞うた。
『あ…あぁぁ…ごめんなさいっ…!ごめんなさいッ!許してっ…』
『おれっ…ちゃんと勉強するからっ…!お父さんとお母さんの言うこと聞くからっ…!』
「その俺と母さんの言うことをずっと聞いてこなかったのはお前だろうが!!」
耳鳴りがするほどの大声で怒鳴られ俺は泣きながら耳を塞ぐ。胸ぐらを掴んでいたお父さんは俺を突き飛ばし、テーブルにあった熱めのお茶を俺の頭にかけた。
『あ”あああぁっ!!あづいっ!!ひっ、うぅっ…うう”〜〜っ…』
最早全身火傷に近い状態で俺は熱を感じ、ぼたぼたと全身を伝うお茶を近くのタオルで拭く。見ると腕や足が赤く腫れていた。先程の暴力で痣だらけである。
「お前は生きる価値の無い人間だ、この世に生まれてきたことを恥じろ」
そう言い放った後湯呑みを床に向けて叩きつけた。割れた湯呑みの破片が顔や腕、足を引っ掻いた。体感で分かるように血の生々しさを感じた。その頃には俺はもう何も感じなかった。明日、学校行けるかな…自分で治療して行かなきゃ。自分の部屋に戻り、怯えるように布団を被る。するとやはり、両親の酷い喧嘩が始まった。
翌朝…
長袖を着て学校に行く、暑いけどしょうがない。顔には湿布を貼り、腕と足には包帯が巻いてある。これをキング達に見られる訳にはいかない。心配をかけたくないんだ。でも顔はバレちゃうな。どうしよう。とりあえずキングを迎えに行こう。
ピンポーン
「はーい、あら貧ちゃん!いつもありがとうねぇ」
『いえ、これくらい大丈夫です』
「将!貧ちゃんが迎えに来たよ!」
「分かってるよ!今行く!」
バタバタと忙しそうにキングが準備を始めている、まずはキングにバレないようにしないと。
「おはよ、貧ちゃん!今日の授業体育あるけど大丈夫?休む?」
『うん、今日は休もうかな。俺貧血持ちだし』
「ま、貧ちゃんの分まで頑張るからな俺!」
良かった、キングにはバレてない。バレてない…よね?チラリとキングを見る、話に夢中で俺のことはあまり見てない、良かった。
(カンタロー視点)
貧ちゃんとキングが教室に入ってきた、キングはいつも通りだった。でも問題は…
『おはよ、カンタロー』
「おはよ」
貧ちゃんだ。顔には湿布が貼ってあるし夏なのに長袖だし、何よりランドセルを背負っている時に見えてしまっている包帯が只事ではないことを物語っていた。いつもの笑顔もぎこちなく見える。これは聞かない方が良いことなんだろうか…?沈黙を守ろうとしたが今日を境に日に日に貧ちゃんの怪我や包帯が増えていることに黙っていることも出来なかった。ここまで来ると流石にみんなも気付き始めた。
(冬)
俺は放課後に貧ちゃん以外のキング達を呼び出し、教室に集めた。話の内容はもちろん貧ちゃんのことだ。
「…あのさ、貧ちゃんやっぱ虐待されてるよな…?」
俺が口を開いた瞬間一気に場の空気が重くなった。本人はヘラヘラして何でもないように見せかけても俺の目は誤魔化せなかった。どうして俺達に何も言わないんだ。
「何か…日に日に傷ついてる貧ちゃんを見ていられなくなった」
「なぁ、今日貧ちゃんの家行ってみようぜ。本当に虐待されてるかどうかを確認するんだ」
「でもどうするの?私こわいんだけど…」
「僕、ナイフ持ってるんだけど貸そうか…?」
みんな口々に貧ちゃんの家へ行こうかどうかを試行錯誤しているがこれはこいつらが行くべきではない。
「…いや、俺が行く」
「え?」
そう、俺が行くしかないんだ。俺の親友を傷つける奴は誰であろうと許さない。
(夜)
俺はこっそり家を出ると、色々準備していた物を入れたバッグを抱え貧ちゃんの家に着いた。外からでも分かる通り怒号やら食器の割れる音、悲鳴が上がっていた。あぁ、やっぱり貧ちゃんは虐待されているんだ。俺は物陰から貧ちゃんの両親と貧ちゃんのやり取りを聞いていた。
「あんたなんか産むんじゃなかったわ!!さっさと消えればいいのよ!!」
…は…?
「これ以上俺達に恥をかかせるようなら存在ごと消してやる!!」
は……?
『ああああ…ごめんなさいっ!!生まれてきてごめんなさいっ…!!』
貧ちゃん…!!
『いやだいやだ、ころさないで…!!ごめんなさいッ…!!』
俺は妙に冷静だった、足音も立てずに貧ちゃんの両親の背後に忍び寄り、手袋をし、隠し持っていたナイフで貧ちゃんの両親を…刺した。その時に見た貧ちゃんの表情が忘れられなかった。とても絶望的な表情をしていた。
「はぁ…はぁ…」
冷や汗が流れる、貧ちゃんに見られてしまった。俺が、貧ちゃんの両親を殺害する場面を。血塗られたナイフを落とした。
『あ”…あ……』
『あ”あああああああああああああっ!!!』
貧ちゃんの悲痛な叫びが家中に響いた。その目に涙は流れてなかった。ひとしきり叫んだ後、貧ちゃんは意識を失いバタリと倒れた。俺は貧ちゃんを担ぎ、貧ちゃんの家の周りに灯油をばらまいた後バッグの中に入れていたライターで火をつけた。俺は貧ちゃんを担ぎ、炎が燃え盛る前に逃げた。俺は、小学生にして「犯罪者」になってしまった。
(22年後)
(貧ちゃん視点)
俺はカンタローをとても憎んでいる。俺の両親を殺した裏切り者だから。俺がこいつを親友だと思っていたのは小6の秋までだよ。いつかは復讐してやると決意していた。あの頃からずっと…俺はある物を手に取りカンタローの店に入った。
「いらっしゃいませーって、貧ちゃん…?」
『カンタロー、久しぶり』
俺は笑顔で手を振り、テーブルの席に着く。あの事件…忘れてないよね…?俺は忘れることなんて1度もなかったよ。
「あ…何か頼む?何ならおすすめを…」
『カンタロー』
カンタローが俺の呼び掛けに振り返る。俺はカンタローの目も見ずに淡々と続けた。
『ナイフで俺の両親を殺した感想はどうだった?』
「!」
『刺した感触は?血は温かかった?お前の夢、俺の家で叶えるつもりだった?俺を担いで逃げ続けて今は居酒屋の店長だって?……ねぇ、答えてよ』
「……」
何で黙ってんの?俺の問いに答えてよ、黙ってちゃ分かんないって。
「…ご、ごめん…ごめんなさい…俺、あの日からずっとずっと罪の意識を感じてた。俺は犯罪者なんだって…でも俺は、お前を守るためにあいつらを…!」
守る?俺は守ってなんて一言も言ってないのに?そんなの、ただのエゴじゃないか。虐待されてても、俺の親には間違いなかったのに。
『いいよ謝らなくて、もういいんだ。済んだことだから』
「え…?」
俺は隠し持っていたある物を取り出しテーブルの上に出す。強力な睡眠薬だ。手袋をしたままカンタローに差し出す。
『カンタロー最近忙しくて眠れてないでしょ、これ、夜寝る時にでも飲んで』
「あ、ありがとう…」
(夜)
俺はカンタローを見張りにこっそり覗いていた。ちゃんと睡眠薬飲んだみたいだね。俺は、カンタローの家にライターを付け、急ぎ足で駆け出す。火が上がればカンタローは眠ったままあっちの世界に行くんだろうな。
「……さよならカンタロー」
あーあ、俺も「犯罪者」になっちゃった。
コメント
3件

大切な親友を守りたかったカンタローと、それでも親を愛していた貧ちゃんの対比が美しく悲しいですね😔貧ちゃんの目にはカンタローがヒーローには微塵も見えてないのが読んでてとてもいたたまれなかったです…
うわあああ…第11話、読み終わったけど心臓バクバクしてるよ…😭💦 貧ちゃんの幼少期の虐待描写が生々しすぎて、読んでて胸が締め付けられた…。それなのにカンタローが親を刺しちゃう展開、まさかすぎて声出たよ…。しかも22年後に復讐する貧ちゃんの冷めた口調、あの頃の泣いてた子とは別人みたいで怖かった…。 でも「守るため」って言ったカンタローの気持ちも分からんでもなくて、もう切なすぎる…。2人とも「犯罪者」になっちゃったラスト、続きが気になりすぎるよ…!!😭🔥