6 episode
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親友にも母親にも突っ放され、吐き気を及ぶほどの不愉快に包まれた。なんでという3文字が頭から離れない。
でも、いざ路上ライブをすれば観客たちが笑顔で拍手をしてくれる。音楽が不愉快を愉快へと塗りつぶしてくれることに心が満たされた。
路上ライブも終わりの時間が回った。
「Tenkyu for caming.」
何時ものサヨナラの挨拶をして片付けの準備をする。
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「ただいま、」
家に帰る気はならなくて寄り道をしていると空は星一つもない黒に染まっていた。
玄関からリビングに繋がる扉を開けると、
「おぉ!心か」
「路上ライブか?お疲れ」
涙が溢れそうになった。冷たく突っ放された私を笑顔で迎えてくれた父。だけど、そんな幸せもモンスターは壊しに来る。
「パパ!」
寝室から出てきた姉は父の姿を見て笑顔を輝かせた。その顔は迎えを待ってた3歳児みたいだ
姉は瞬きする間に父に抱きついた。
「おぉ!元気だな」
といい、姉を抱きしめ返す。
「あなた!ただいまぐらい言いなさいよ。」
そう言い、母も姉と父を抱きしめる。
まるで幸せな家族だ。
でも、私は幸せじゃない。家族なのに独り孤独に立っている。存在すら気づいて貰えないことに私は絶望した。
家族の中に私は居なかったんだ。と頭が結論付けると、急いで家を飛び出た。
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気がついたら無我夢中になって走った。まるでリレーで必死になって前の人に追い付こうとしたみたいに。
夜の冷たい風が自分を孤独へと誘う感じがして体が震え出す。
「あぅッ」
情けない声を出しながら落ち葉に転倒した。そしてそのまま視界が真っ暗になった。
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読んで下さり有難う御座います。
次回は少し前の作品と似ていますが、次の次は違うものにしようと思います。
では又のお越しをお待ちしております。
Tenkyu for caming.
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