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カランコロン
???「いらっしゃいm……ってお前か。雨花」
???「そうだよん〜おひさ!翡翠ちゃん!」
ここは、「翡翠」の何でも屋。「紫雲雨花」は久々に来店した。
翡翠「何を買いに来たんだ?」
雨花「ん〜?小雨丸の餌だよ〜」
翡翠「そんなに買うのか……?小雨丸の一生分くらいあるぞ?」
雨花「いずれ買うことになるんだから貯めて保存しておいた方が良いかな〜って!」
翡翠「…………」
《ジェイド。もし、雨花さんが『レブルキー』を手に入れていたら、知らないふりをしろ。》《どうして……?》《雨花さんには申し訳ないが、お前が巻き込まれるのは……とても嫌なんだ。》
雨花「じゃあはい!これお金ね。じゃあね!翡翠ちゃん!」
翡翠「雨花!!!!」
雨花「?」
翡翠「……少し話さないか?」
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雨花「なぁに?話すことって」
翡翠「それは……その……えっと……あっそうだ!体の具合はどうだ?お前怪我した上でさらに怪我したんだろ?大丈夫なのか?」
雨花「あぁそれは、紆余曲折あって治ったんだよね〜だから大丈夫!」
翡翠「お前はあたしの大切な金ヅルだ。……生きてもらわないと困る。」
雨花「あはは!そうだねぇ〜」
翡翠「雨花」
雨花「ん?なぁに?」
翡翠「……お前」
「「レブルキー持ってるだろ」」
雨花「レブルキー?あぁ天使たちが欲しがってたやつ?どうしてわたしがそんなもの持ってるの?」
翡翠「とぼけなくて良い。今お前は「そんなもの」と言ったな。通常、お前は人の品物を「そんなもの」とは言わない。でも、言ったということは自分自身が持っている物だから言えたセリフなんだ。」
雨花「…………はぁ」
雨花の目が一気に暗くなる。
翡翠「雨花……お前……本当にやるつもりなのか……?そんなに消えるために……」
雨花「わたしは決めたんだ。自分という存在を完全に消滅させるって。…………私は絶対に自分を戒め続けなくちゃいけない。本来なら戒めて楽になることも許されないけど、何もしない訳にもいかない。そして本当なら誰か他人に戒めて貰わなくちゃいけない。でも、でもさぁ……!いないんだもん……そんな人。だから自分で戒めるしかない。自分自身に戒めの焼印を押し続けるしかない。」
翡翠「お前……」
雨花「まぁ正直に言うと……」
雨花は下を向いて顔を手で抑える。
雨花「もうね……疲れた。どんなに優しい言葉をかけられても、尽くされても、気を使われても、善意に触れても、わたしはその人たちを「好き」になることもできない。「好き」なのか分からない。感謝はしてる……はず。でも、わたしの心は何も響いてない。響かせることができない。」
ところどころ穴が空いてて破片が足りないし、汚くなった寄せ集めの絆創膏やら包帯やらが巻き付けられているそんな瓶がわたしの心。
……遠い遠い昔、壊してしまったわたしの心の瓶。
雨花「ずっと「好き」なフリをし続けのも疲れるし、わたしは大罪人。罪を償って楽になることも許されないし、戒めて楽になることも許されない。もうわたしは……何をしても許されない。わたしが何をしても、何もしなくても、わたしが傷つけ続けてる人たちの傷も、わたしの罪も変えられないなら、何かして自分に罰を下し続けた方が良い。「罪を償う」のと、「罰を与える」のは違う。「罪を償う」のは自分の意志で行うこと。そして、いずれ楽になれること。「罰を与える」は、自分の意志に関係なく、自分を痛めつけること。これには、楽になれると感じる人もそうじゃない人もいる。わたしは楽になるからやっちゃいけない。でも、何もしない訳にもいかない。だから、誰もしてくれないなら、自分に罰を下すしかない。傷つけたことを無駄にしないようにすれば良い……なんてそんな甘言わたしは認められない。少なくとも自分に対しては。でも、本当は罪とか罰とかもう色々、投げ出したいんだよね。」
翡翠「雨花……」
雨花「…………あはは。まぁとにかくもうすぐ消えるから。翡翠ちゃんの頭からも記憶がなくなると想うけど……翡翠ちゃんの店がもっと繁盛することを祈ってるね」
翡翠「おい……あめ……」
雨花「じゃあね」
そして雨花は瞬間移動して消えていった。
翡翠「…………あたしにはどうすることもできない。」
翡翠は、願った。
────どうか雨花が心から幸せを感じることが出来ますように、と。