テラーノベル
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数日前から少し息が荒くなったり、苦しそうにしている所をよく見る。勇斗はそういうのに自分で気づかないから気をかけている。
って思った途端に佐野から一通のLINEが入った。
『たすえて、あうい、じんと、』
誤字まみれの文面と、ひらがなだけ。かわいくてたまらないけどそれより勇斗の病態を考え薬局で少し買い勇斗の家に向かうことにした。
「勇斗〜、来たよ〜、大丈夫か。」
『っ、うー、じんと、?』
『じんとー、あついよー、』
『うー、あつい、』
「あーあ、無理に立つな立つな、」
一日半寝込んでいたせいか少し乱れた服とボサボサの髪、真っ赤な頬には涙の跡。
「ちょっとおでこ触ってもいい?」
『ん、』
「あっつ、え、お前大丈夫?病院行ったの? 」
『んー、ん、いってない、』
「はぁ?何してんの、行くよ。」
「タクシー呼ぶから。」
『あっ、ね、じんと、!やだ、』
『いきたくない、こわい、いや、』
彼は俺の袖を弱い力で掴み、27歳にもして病院を涙目になりながら拒んでいる。
「ねー、勇斗?行かなきゃ治んないよ。」
『いーもん、こわいのやだ、いたいのもや、』
『おれないちゃうもん、』
とか言いつつもう泣いてる。そんなところが可愛いんだけどね。
「ふは、もう泣いてんじゃん?」
『だってぇ、こわいもーん、』
そう言いつついつもは力が強い彼が熱で弱りかすかに触れるぐらいの力で抱きついてきた
『んー、じんとぉ、やだぁ、』
「あー、も、無理だよ。ほらちゃんと行くよ。」
ハグだけじゃなく、俺の肩あたりに頭をすりすりとしてくる。
『じーん、ちゃ、』
『おれ、やぁ、こわい、』
「甘えん坊すぎない?笑」
「いつもつんつんな癖に。」
少し悪いことを言うが、熱の時の佐野くんもいいなと思った。
ーおわり
コメント
2件
さすがに可愛いか。ありがとう感謝だよあたし