其処は横浜の貧困街・擂鉢街
今日は雪が降っていてとても寒い
手先が凍りそうな程
私は〇〇。16歳
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7年前
父が殺人をした。
大量の人間を殺したんだ
もうその時思ったことなんて覚えてないし思い出そうともしたくない。
でも非常に父が憎らしく、殺したかったことは覚えてる
私は孤児院に入った
その時私はまだ9歳になったばかり
綺麗な孤児院だった。
孤児は少ないが 建物は白とピンクを合わせたような可愛らしい色で私は見た目からも孤児院を好きになった。
施設は二階建てで二階の真ん中には一階を見下ろせる柵付きの大きな四角形があった。
私はそこからみんなを見るのが好きだった
院長も素敵な方で自らボランティアに参加するような人だった
私はそんな院長がすきだった。
私が怖い映画を見て寝れなくなっていると傍にいてくれた
私がおつかいで迷子になった時も捜し、助けてくれた
そんな院長が大好きだった。
15歳の誕生日
悲劇は起きた
悲鳴と共に二階の院長室から聞こえずらかったが
『殺人_逃げろ_』
という単語が聞こえた
誰が殺された?
誰がやった?
被害者は?
加害者は誰だ
何故?
自分の居る二階から一階にかけて降りる階段からどう安全な場所にいけるのだろう
孤児院のみんなは?
他の職員は?
院長は?
必死に思考を巡らせていると足音を立てながら私より1つ下の妹(14)が
『何かあったの?』
と聞いてくる。
そうだ。
この子達は一階中心部分に居て悲鳴の後の声が聞こえていなかったんだ。
そりゃそうだろう。
私ですら聞こえずらかったのに。
私は唇を震えさせながら答えた
「落ち着いて聞いてね」
「此処は今殺人現場になってる可能性が高いの」
話してる途中で院長が頭をよぎった
院長は無事なのか
院長は今どんな状態なのか
呼吸が荒くなっていた
ハッと妹を見ると状況は理解しているが困惑していた。
「取り敢えず地下室へ行こう」
私達は他の孤児を連れ地下室へ行った。
孤児を呼んでいる時に気づいたが職員がいなかった。
困惑したがまずは地下室にみんなで行った
みんな動揺していてザワザワ話していた
殺人犯が居るとしたらこれでは殺人犯にばれてしまう。
静かにできる?と言い最年長の私と私と同い年の紗奈(サナ) と一緒に地下を出て院長や院長室で叫んだ女の子らしき子を見に行った。
院長は死んでいた。
言葉には表せられない程酷かった。
両目はえぐり取られていてとても見られるものでは無かった。
紗奈は言葉を失っていた
院長が死ぬことは覚悟していたと思ったが目にしたら自分がしていたと思っていた覚悟なんてちっぽけだった
『〇〇』
紗奈が震えながら私を呼んでる
嗚呼
応えるのが面倒臭い
『〇〇』
五月蝿い
院長以外に名前を呼ばれたくない
『〇〇!』
嗚呼もう
心の声が紗奈に聞こえたらいいのに
私は紗奈の顔を見た
声を出す気力もなかった
『もう戻ろう』
まだ職員を探してないのに
この際もう1人がいい
「先に戻ってて。みんな私たちが居なくてきっと不安だよ」
分かった。気をつけてね
そう言って紗奈は階段を降りて地下へ戻った
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そこから私は外に出て職員を探した
探す気力も探す意味もなかったけどね。
ポケットにある”なにか”が私が歩くと共に揺れていた
安心する
好きだよ。
孤児院のみんな。
院長。
施設。
職員さん。
小さい時まで遊んでくれたお人形さん。
私のお気に入りのお洋服。
私は森の中へ歩いていった。
「ばいばい」
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