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帰り道。
俺は、学校の裏にあるベンチにひとりで座ってた。
昔は誰にも見つからないように帰ってたけど、今はちょっとだけ違う。
心のどこかで、「もしかしたら誰かが来てくれるかも」って思ってる自分がいた。
「水島ー! おーい、蒼真ー!!」
来た。
全力で自転車をこいで、俺の横に止まった陽翔が、ぜぇぜぇ言いながら笑ってた。
「名前で呼んでやったぞー。喜べ〜〜!」
「うるさい」
「知ってる!」
でも……たぶん、少しだけ笑ってたと思う。俺の顔も。