テラーノベル
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次の日。
陽翔は学校を休んだ。
「なんだよ、またかよ」ってクラスの誰かが笑った。
「どうせ問題起こしたんだろ」って田村がつぶやいた。
俺は――何も言えなかった。
何も言わず、何もできず、ただノートを開いていた。
でも。
陽翔がいないだけで、教室がこんなに“モノクロ”に感じることが、何よりも悔しかった。
放課後、屋上に行ってみた。
当然誰もいなかった。
柵の向こうに、グラウンドが見える。
陽翔が、「走るのだけは得意だった」って言ってたのを思い出した。
俺はポケットから、ぐしゃぐしゃになったスケッチブックを取り出した。
そっとページをめくる。
破れた紙の隙間に、あの日の陽翔の顔が浮かぶ。
――俺にできることなんて、絵くらいしかない。
そう思って、鉛筆を握った。
コメント
1件
何があったんだ......???