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ruruha
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続けて、カトラリーに視線を向けた。
(えっと…カトラリーは、内側からだっけ…いや、外側?)
高校生の時にテーブルマナーを学んだのに、もう忘れてしまった。
俺は陽雅さんの様子を伺う。
陽雅さんは外側のナイフとフォークを持った。
(外側か…)
俺も同じように外側のカトラリーを持つ。
陽雅さんがテリーヌを切り、口に運ぶ様子をただ眺める。
(上品…かっこいいな…)
陽雅さんは一口目を食べ終わると、不思議そうに俺を見る。
「恭也も食べな」
ニコッと笑う陽雅さんを見て、俺はテリーヌを切り、口に運ぶ。
(なにこれ…うまっ…)
俺は続けて一口、二口と食べ進める。
そして、途中で来たドリンクを飲んで、目を丸くする。
(テリーヌとめっちゃ合う…美味い…)
夢中で食べていたら、一瞬で無くなってしまった。
一方陽雅さんはゆっくり優雅に食べている。
(やばい…やらかした…)
そういえば、食事のペースは位の高い人に合わせるって習った気がする。
陽雅さんは位の高い人では無いけど、俺より年上だし、こういう所にも慣れている。
俺が合わせなきゃいけないんだ。
俺はただ、陽雅さんが食べている様子を眺める。
「恭也、早いね。そんなに美味しかったの?」
「はい。初めて食べましたけど、めっちゃ美味かったです」
「そっか。良かった。恭也は何が好きなの?」
「えっと…食べ物ですか?」
「うん。恭也の好きな食べ物、教えて?」
ニコッと笑う陽雅さんを見て、俺は答える。
「そうですね…オムライスですかね」
「オムライスか。じゃあ、今度作ってあげる」
「えっ。いいんですか?」
「うん。もちろん」
陽雅さんが微笑むのを見て、俺もニコッと笑う。
「ありがとうございます」
陽雅さんがテリーヌを食べ終わると、空の食器が下げられる。
そして、続けてスープが運ばれた。
(今度はちゃんと陽雅さんにペースを合わせよう)
俺は陽雅さんがスープをスプーンで掬うのを見て、真似する。
そして、口に運ぶのを見て、俺も同じようにする。
何度か続けると、陽雅さんがフフッと笑った。
「恭也。そんな必死に合わせなくてもいいよ。凄い俺の事見てくるし、緊張するじゃん」
「すみません。ガン見でしたもんね。本当にすみません」
「そんなに謝らないで。ただ、可愛いなって思っただけだから」
あれ。もしかしてまた子供扱いされた?
でも、可愛いって別に子供だけに使う訳じゃないし…。
こうなったら本人に聞いてやる。
「あの、陽雅さん」
「何?」
「俺の事、どう思ってるんですか?」
「えっ?」
待って違う。間違えた。
なんで俺はいつも言葉を間違えちゃうんだろう。
「えっと…俺の事、子供扱いしてますよね」
「してないよ。急にどうしたの」
「だって、俺の事まだまだ子供って言ったり、この子って呼んだり、可愛いって言ったり、子供扱いしてるじゃないですか」
俺の言葉を聞いて、陽雅さんは驚いた顔をする。
あれ。俺なんかいじけてるみたいじゃん。これこそ子供っぽいじゃん。やばい。恥ずかしい。
「誤解させちゃったみたいでごめん。でも、俺恭也の事子供だなんて思ってないよ。恭也も俺も同じ大人でしょ?」
「そう…ですね…」
「大体、恭也を子供になんて見れないよ。恭也は…」
陽雅さんはそこで言葉を止め、少し視線を逸らした。
少しして、再び口を開く。
「…いや、なんでもない。スープ、早く飲も。冷めちゃうから」
陽雅さんはそう言ってスプーンを持ち上げた。
(俺が何…?)
言いかけて止めるなんて、なんか陽雅さんらしくないな。
よっぽど言いづらい事なのかな。
俺はモヤモヤしながらも、スプーンを持ち上げた。
その後の魚料理はヒラメのポワレと海老のブイヤベースだった。
それを食べながら、俺は陽雅さんが尋ねてきた、大学の話をした。
続けて肉料理が運ばれてくる。牛肉の赤ワイン煮だ。
それを食べながら、陽雅さんに問う。
「陽雅さんの好きなタイプって何ですか?」
「えっ? 好きなタイプ?」
何となく今なら聞ける気がして。
「はい。好きなタイプです」
「う〜ん…直感で好きになる事が多いかな…タイプとか無いかも」
「そうですか」
直感で好きになる。自分と真逆のタイプを言われるより難しい回答だ。
「恭也は?」
「えっ、俺ですか?」
「うん。恭也の好きなタイプ、気になる」
好きなタイプが気になるなんて、思わせぶりな事言わないで欲しい。
不満を抱えながらも俺は答える。
「別に好きなタイプとか無いですけど、陽雅さんみたいな人ですかね〜」
なんて、こっちも思わせぶりな事を言ってみる。
まぁ、俺は思わせぶりじゃなくて本気だけど。
「俺みたいな人? 恭也から見た俺ってどんな人なのかな」
「えっと…イケメンでなんでも出来て優しくて料理も上手でスタイルも良くて甘々な人…ですかね」
「ちょっと俺の事美化し過ぎじゃない?」
「そんな事ないです。陽雅さんはイケメンでなんでも出来て料理も…」
「ちょっ、恭也、止まって」
「あ、すみません」
「いや…別に」
陽雅さんはそう言った後、牛肉を口に運ぶ。
心做しか、少し頬が赤い。
(もしかして…照れた?)
俺は照れたかもしれない陽雅さんを見ながら牛肉を食べ進めた。
デザートのタルトタタンを食べ、食後のコーヒーが運ばれる。俺は紅茶だけど。
それぞれコーヒーと紅茶を飲みながら会話をする。
「今日は楽しめたかな?」
「はい。ちょっとって言うか結構あたふたしちゃいましたけど、陽雅さんとたくさんお話出来て楽しかったです」
「よかった。次の遊園地デートも楽しもうね」
陽雅がニコッと笑う。
「はい。楽しみます」
支払いの時間になり、店員さんが伝票ホルダーを机に置く。
陽雅さんは伝票ホルダーを開き、ホルダーのポケットにカードを挟んで、店員さんに手渡した。
「少々お待ちください」
店員さんが去ったのを確認して、俺は陽雅さんに言う。
「あの、いくらでしたか? 半分払います」
「いいよ。俺に払わせて」
「いや…でも…」
「恭也には後で払ってもらうし」
陽雅さんはそう言って俺の体をチラッと見る。
「ま、まぁ…そうですけど…」
「いいから、気にしないで」
「すみません。ありがとうございます」
俺の言葉を聞いて、陽雅さんはニコッと笑った。
店を出て、すっかり暗くなった道を歩く。
しばらく歩くと、陽雅さんが俺を見て言う。
「今日の支払いは恋人プレイにしよっか」
「恋人プレイ…ですか?」
「うん。俺達は両想いのカップルって言う設定ね」
「カップル…ですか?」
「うん。だからちょっと早いけど、今から俺たちはカップルだからね」
(今から…カップル…?)
俺が目を泳がせていると、陽雅さんがフフッと笑う。
「恋人だから手繋ごっか」
陽雅さんは俺の手を握り、ニコッと笑う。
ウソ。陽雅さんが俺の手、握ってくれてる。
握られた手元を見つめていると、陽雅さんが言う。
「ほら、恭也も握って?」
「は、はいっ」
俺が手を握り返すと、陽雅さんはニコッと笑う。
「早く帰ろ」
陽雅さんは嬉しそうにそういい、歩くペースを早めた。
コメント
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灯依さん、第17話読了しました📚 恭也くんの「ガン見しちゃってすみません」→「子供扱いしてますよね?」の流れ、すごく可愛かったです。必死にペースを合わせようとするあまり、逆に気まずくなる感じ、リアルで笑っちゃいました。 最後の「恋人プレイ」で手を繋ぐシーン、ドキドキしました。陽雅さんの「恭也は…」で止めた言葉、気になります!次回の遊園地デートが楽しみですね🎡 恭也くんのツッコミと照れが絶妙で、ニヤニヤしながら読ませてもらいました🌷