テラーノベル
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「舜太、さっき大丈夫だった?」ライブが終わった後、仁ちゃんが俺に声をかけてきた。ん?と首をかしげると心配そうに話す。
「ほら、トロッコの時に顎にぶつけただろ?」
「あー!」
思い出した、アンコールで一緒のトロッコに乗っていた時かんでいた仁ちゃんが体を起こした時ちょうど俺の顎にぶつかったのだ。公演中なのに仁ちゃんが心配してくれて、頭を撫でてくれたのがとても嬉しくて、痛みなんて考えていなかった。
仁ちゃんの顔を見たら歌声がぶれてしまう気がして顔が見れなかったのだけ悔いが残る。
「あれな、別にだい………」
ちょっとした思いつきで、出かけた言葉を封じ込める。
「じょぶやと思ったんやけどやっぱ痛なったきたな〜思い出したら…」
「…本当に?」
俺の演技に違和感を覚えたのかいぶかしげな視線をなげかけてくる。
「だって痛かったでーそれなのにちゃんと歌ってー」
「あーごめんごめん…マジでごめん…」
少し悲しそうな顔でそう言うと仁ちゃんが気遣うように俺に寄り添ってくる。
ずるいかもしれないけど仁ちゃんが俺のためにこんな顔をして気遣ってくれることが嬉しい。
それだけで幸せだと思ったのに、もっとずるいことを考えてしまった。
「…仁ちゃんがちゅーしてくれたら、治る気がする」
「は?」
「ここに、ちゅって」
自分の顎を指しながら言うが仁ちゃんは硬直していた。まあそうなるよなぁ。
でもせっかくのチャンスを逃すわけにはいかない。仁ちゃんが押しに弱いのはちゃんと知っている。
「はよ治してー痛かったんやで?」
わざとくしゃくしゃの顔で痛そうに振る舞い、仁ちゃんの目をじっと見つめる。
「いやいやいや…」
状況を飲み込めていない仁ちゃんが距離を取るために後ろに下がっていくが遠慮なくついていき壁に追い詰める形になった。
これがいわゆる壁ドンみたいなやつ?
意味がわからないと混乱して戸惑う仁ちゃんが可愛くて思わず笑みが溢れる。
「軽くちゅってすればええんやで?」
「いや、意味わからん、マジで。ほんとに何?お前?どした?」
「俺はどうもしてへんよ?仁ちゃんの方がそんなに照れてどしたん?」
子供をなだめるように仁ちゃんの頭を撫でる。それに腹が立ったのか仁ちゃんが上目遣いで睨んでくる。
「お前さ、冗談にしてもやっていいレベル、が…」
頭を撫でる手を顔へ移動させ仁ちゃんの唇を撫でると、仁ちゃんはビクリと体を震わせた後硬直した。
「冗談で言うてへんよ、はよちゅーして」
真面目な顔で言うと仁ちゃんは言葉が出なくなったようで、口をぱくぱくさせている。ほんまに、かわええなあ…。
俺、これでもいっぱい我慢してるんやで?
「顎が嫌なら唇でもええよ?そっちの方が元気でるし」
もう実力行使に出てしまおうか、なんてまがさして片手を背中を回す。仁ちゃんの体を引き寄せようとする。
その時目をぎゅっと瞑った仁ちゃんが俺の顎にチュ、と口付けた。本当に軽く。最低限かのようなキス。それでも天にも昇るような気持ちで体が熱くなる感覚がした。
「こ、これでいいだろもうっ!」
ジタバタと暴れて仁ちゃんが俺の体をすり抜けていき、俺と5メートルほどの距離と取る。
「うん!治った!もう痛ないわー」
笑顔でそう言うと仁ちゃんは安心したようなげんなりしたような顔でがっくりと膝に手をつく。そこに仁ちゃんが警戒しない程度に近づいていった。
「マジでお前、訳わかんねえ……」
仁ちゃんが俺によく言う言葉だ。多分今の行動も俺のおふざけだと思ってるんだろう。
ある意味都合がいい、とも思うが自分の気持ちの伝わらなさに歯痒さも感じる。
俺はこんなに仁ちゃんのことが好きなのに、仁ちゃんには全然伝わってない。
本当にテレパシーがあったらいいのに、なんて。
「みんなに仁ちゃんがちゅーしてくれたって自慢してこよー!」
「ちょっお前マジでやめろばか!」
そんな思いを吹っ切るように走り出した俺を仁ちゃんが追いかける。
いつかテレパシーなんてなくても仁ちゃんに伝えられるような男になるから。
それまで待っててな、仁ちゃん。
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み!のライブ、HHHAPPYが1番好きで…めちゃくちゃそのじん要素があるんで好きな方は是非円盤を買って頂きたいのです…。
アンコール部分でじんとくんがしゅんちゃんと一緒のトロッコに乗っていて、じんとくんが頭をあげる時にしゅんちゃんの顎にぶつかっちゃってヨシヨシする場面があるのです…。
ライブ映像何度も見てたらどうしてもこのネタが書きたくなってしまった。
しゅんちゃんが素直すぎて捻くれてるじんとくんに好意が伝わらないっていう、付き合う前のそのじんも書いてて楽しいなぁと思いました。
Nera🍀︎❄🐈⬛
腐女子
コメント
2件
え!私もハハハッピーのぶつかっちゃったそのじん大好きなんです!!素敵なお話にして下さり取り上げて下さりありがとうございます!!