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・・・おかしい。
思わずブラックは仮面の下の眉をひそめた。
─最近、妙にすまない先生や銀さんたちに避けられている気がする。
ブラックは思い返した。
すまない先生と銀さんがコソコソ何かを話しており、気になって聞くも「ブラックは気にしないで!!」と慌てて答えていたり、他の生徒も同じ反応だった。
(・・・まぁ、私にはどうでもいいですけど)
と、ブラックは立ち上がり、自分の研究所へ。
けれど、何故か心臓がチクチクしているのに、ブラックは気づかないフリをした。
✵✵✵✵✵
とある日、放課後、皆が足早に帰っていく。ブラックも研究の続きをしようと立ち上がった、
「ブラック」
ひょこっと机からすまない先生が顔を出した。
「・・・なんですか?すまない先生、またなんか拾ったんですか?」
「違うって!!今月は何もしてないよ!?!?」
「今月は、て」
「ぐぬぬ」
すまない先生はそう顔を顰める。
「・・・あのさ、今日、暇?」
「研究があるのですが」
「暇だよね!ちょっとこれ着けて着いてきてくれない?あ、これ着けたら見えないから、僕が担いでいくよ!」
「話を最後まで聞きなさい」
だが、すまない先生は有無も言わさず、ブラックに黒い布を被せ、ファイヤーマンズキャリーで運んだ。
(また何かやらかしたのでしょうか)
と、ブラックは軽く呆れつつ、運ばれた。
✵✵✵✵✵
暗くて、今自分がどこに運ばれているかは分からない為、大人しくしていると、突然ぽすんっと落とされた。
そして、黒い布を解かれた。
暗い所から突然眩しい所に移動し、目がチカチカするが、やがて、落ち着く。すると、
パンッパンッ!
「「「「「「「ブラック、お誕生日おめでとう!!!」」」」」」」
「・・・・・・え」
ブラックの目の前には、みんながクラッカーを持って鳴らした。
クラッカーのテープがブラックの頭に落ちる。
そして、机の上には、チョコレートタルトや、色々な料理が。
ブラックは目をぱちくりさせていた。
「凄いでしょ!これみんなで飾って作ったんだ!」
「ブラック、勘いいから、誤魔化すの大変だったぜ・・・」
と、みんながわいわい話していた。ブラックは理解がやっと追いついたのか、言葉をこぼした。
「・・・そうですか、てっきり、嫌われたのかと思いました」
「うっ!ご、ごめん!ブラック!!」
「ブラックにバレないようにって思ってて・・・」
と、皆がワタワタしていた。
ブラックは仮面の下でくすりと笑う。
「ん?ブラック笑った?」
「いえ、笑ってませんが?」
すまない先生の言葉に、ブラックはスンッと表情を取り繕った。
皆で楽しく誕生日を過ごした。ブラックは表情はひとつ変えなかったが、楽しそうに皆と話していた。