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部活終わり。
帰る時に必ず彼とすれ違うと、かすかに柑橘系の匂いがする。
「 お!! 今日もすれ違った!!! おつかれえ〜!! 」
そしてこの言葉をかけてくる。
廊下に響き渡るくらい。笑
┈┈┈┈┈┈┈┈┈┈
もうそろそろ、10月も終わりに近づき、街はハロウィン色に染まっていた。
10月の下旬は世界がいつもより忙しなく動いている気がする。
10月はハロウィン、11月は何も無いけれど彼氏彼女を作ろうとする人、12月はクリスマス。
仮装して、青春して、ケーキ食べて。
ここの高校は毎年31日、ハロウィンの日に文化祭がある。
秋と冬の境目で冷たい風が吹いていて少し肌寒い。
teacher「 今年は2年全クラスで文化祭の準備するぞー。」
「 全クラスって笑 2クラスしかないですよーwww!!!」
「 結局分けるのにー。」「二度手間じゃね?」
2年生全体で準備をすることを先生が伝えるとクラスは大騒ぎ。
めんどくさいやら、嬉しいやら。
『 先生、出し物も一緒ですか..!? 』
気になったので聞いてみた。
「 待ってさすがに無理ww 」「 人数多くて逆に嫌だ~… 」
「 おっ、いい質問だ、その質問を俺は待っていた。出し物はさすがに分けるぞ~ 」
Foooo!!! という歓声の中、え~…..という声も聞こえたり。笑
先生はその歓声を遮るように学級委員に係の振り分けを頼んだ。
ー
ー
「 じゃあ、今日から2週間くらい? このグループで活動してもらうから頼んだぞー。
— 部活には行ってもよし、材料調達は先生に言ってから行くこと。」
┈┈┈┈┈┈┈┈┈┈
自分は看板や、装飾係を任された。
別に絵は上手な訳では無いし、オシャレな装飾を作ったり買ってきたりできる訳でもない。
なんとなくラクな感じがしたので入っただけ。
すると、嗅ぎなれた柑橘の匂いがした。
周りを見渡すと彼のような人影は見えない。
なんだ、似た匂いの人か。と少しガッカリしたような気にもなる。
『 なんかいるものあったら持って来たり買ったりするので紙に書いて自分にください~!! 』
することないし、材料調達くらいはしなきゃな。と思い、声掛けをする。
「 1人じゃ大変やろぉ? 俺も手伝おか? 」
聞き覚えのある声の人から肩に手を乗せられる。
後ろを振り向くと部活終わりに挨拶するくらいの彼が居た。
『 !!!! あ、ありがと、たすかる。』
柑橘の匂いがしたのは気のせいではなかったみたい。
「 __さん、これ、紙に書いたんだけど、お願いしてもいいかな..? 」
『 あ!! 仕事くれてありがとう!笑 結構使うものとかあったら多めに買ってくるけどどう? 』
「 いやいや… 重くなっちゃうし、大丈夫だよ..!!! 」
「 そのために俺がおんねん!! 」
「 2人とも助かります… じゃあ、頼みます!!! 」
┈┈┈┈┈┈┈┈┈┈
あー、どうしよう。いつもより凄く凄く緊張する。
いつもすれ違うだけの人が横にいるって不思議。
「 なぁなぁ、どこの部活入ってんの? 」
『 えっ? 陸部… だけど。』
「 えぇやん…. だから足速いんか。」
『 まあね 』
「 笑、初めて聞いたわwww、まあねって返す人ww 」
『 努力しましたから笑 自信持たないとww 』
初めて会話したけどすっごい話しやすいし、聞いてくれるし優しいなぁ。
『 じゃあ、自分これ買ってくるから、こっち頼みますわ。』
「 買い終わったら、連絡するからLINE交換しよか 」
『 ぅ、あ、おっけ~。』
「 ほな、また後でな!! 」
~~
よっしゃあ!!! あと1個で買い物終わりっと。
買い出しの方が大変だったかも….
なんて考えていると最後のものが1番上あって届かない。
脚立….脚立…
無い。どうしよかな、
すると、後ろから来た人が商品をとってカゴに入れてくれた。
『 すいません、ありがとうございます、助かりました!!…… あ、』
お辞儀した体をあげると目の前に彼が居た。
「 丁度終わってレジ行こうとしたら居たから笑 」
ほんとこいつ、優しいにも程がある。
┈┈┈┈┈┈┈┈┈┈
なんやかんやで買い出し終了。
疲れたのか楽しかったのかよく分からないけどたくさん話せた。
寄り道して買ったお菓子を頬張る彼に聞いてみた。
『 なんて呼んだら…. いいですか 』
「 んえ? なんでもええけどなぁ ( 食
— よく呼ばれんのはぁ、ん~と、はまちゃん!! 」
『 あー。』
「 え、なんでそんな微妙なん。」
『 いやそんなことないww 』
「 絶対今、うえ気色悪いっておもったやろ 」
『 思って….wwwww ないし… www なんなのほんとwwwwwwww 』
「 思ってないならええんやけどさっ( 食
— 逆になんて呼べばいい~? 」
『 __さん 』
「 __ちゃん。」
『 さん 』
「 __。」
『…….😃 』
「 何その顔wwwww 」
『 そうやって人の容姿をばかにするんすね 』
「 ちがっwwww 」________…..
┈┈┈┈┈┈┈┈┈┈
『 戻りましたー… 𓏸𓏸ちゃん、これしか無かったんだけど、大丈夫..? 』
「 全然大丈夫だよ..!!!!! 逆にストライク笑 ほんとありがとう!! 」
『 お役に立てて光栄です。笑 』
買い出しで少し疲れたので、
自分のクラスの教室に入って一休みしようと思った。
いつもは渋谷みたいにうるさい教室が静まり返って、時計の秒針の音が鳴り響く。
こじんまりとしててこの教室も悪くないなと感じた。
「 あ、いた 」
後ろを振り返ると彼がいた。
何か用でもあるのかなぁと考えながら、どうしたのと聞くと
「 __を探してた。疲れてそうだったし、これ飲まへんかなぁって 」
彼が手に持っていたのは、自分の大好きなババナオレ。
『 なんでバナナオレ好きなの…. しってるの 』
「 部活終わりに友達と話しながら手に持ってるの見て 」
そう。朝登校する時と、部活終わりに飲むのがいつの間にか日課になっていてずっと飲んでいる。
よく見てるなぁ。
勝手によく見てるとか考えたくせに、少し恥ずかしくなった。
「 好きな人いる人~…. はぁーい。」
『 好きな人いるんだ笑 いいなぁ、青春じゃん 』
「 でもな、たぶん俺の気持ちに気づいてないねん。」
『 その人も好きな人いるんじゃないの 』
別に好きじゃないはずなのに、胸が苦しくて、締め付けられて死んじゃうくらい。
いつの間にか返事も冷たくしてしまう。
「 そうなんかなぁ、まぁクラス違うしなぁ 」
『 なんで高2男子の恋愛相談のってるわけ笑 』
「 だって好きな人と話すの楽しいんだもん 」
『 そーですか笑…… ん? 』
今のは幻聴だよな..? 疲れすぎててとうとう幻聴聞こえるようになったのか、?
聞き間違いか? いや、そんなわけが無い。
そう、自分に言い聞かせていると、後ろから包み込まれる。
どんどん鼓動が早くなっていくのが身に染みた。
ドキドキなんてしてない、お願い、鼓動よ、静まってくれ…
「 俺のこと好き…..? 」
好きじゃない、好きじゃ…..
『 ….. すき。』
自分のばか…!!!!!! 思ってることと言ってる事がおかしいよ…!!!
一体どっちが本心かなんなのか分からなくて。
今はただ、好意を持った男の子に包まれているのが幸せなだけ。
「 付き合お 」
またスピードが上がる。
そろそろパンクしちゃう。
『 文化祭、一緒に回る 』
慣れてきたのか、体温も下がっていき、
それと同時に自分は本当にこの人の事を好きで、
一緒に居たいって思ってる事をこの瞬間に気付かされた。
『 …… は、離してください、』
いきなり我に帰ってしまってさすがに恥ずかしくなった。
一生、夢見たままなら良かったのになとか思ってしまう。
「 あぁ、ごめんごめん。笑
— ね、文化祭前にな、バスケの大会あんねんけど、もし都合良かったら… 」
『 え!!! 行きたい!!! …….. かも 』
「 来るの、来ないの 」
『 ……. 行きます。』
「 やった。笑 俺の勝ちやぁ~!!!! 」
『 はっ!? 何を言って…w 見に行くって言っただけで勝ちでは無いし。』
「 素直じゃないなぁ… かわいいからええけど。」
『 ….. そうやっておとそうとしてんのだる 』
「 ちがうしー もうおとしてるしー 」
『 はぁー? おちてないしー 』______….
┈┈┈┈┈┈┈┈┈┈
後日。
大会を見に行くと、いつも会話をしている彼とは別人のような人がいた。
的確な指示、優れた跳躍力……。
キャプテン候補の噂も出てるくらいの腕前らしい。
制服やジャージを着ていると分からない腕の筋肉。
ちゃんと男なんだと感じさせられた。
いつの間にか試合が終わっててこっちに手を振っているのが見えた。
周りを気にしながら小さく手を振ると向こうは大きく振り返してくれた。
┈┈┈┈┈┈┈┈┈┈
試合が終わり、結果は準優勝。
惜しくも優勝には届かなかったけど楽しかったらしい。笑
悔しい気持ちもありながら最終的に楽しかったと言えるのが彼らしい。
『 おつかれさまっすー。』
ふわぁっと香る柑橘の匂い。
すれ違った瞬間からずっと好きだった匂い。
「 __がさぁ、見に来てくれたからさ、ちょっと気合い入れた。」
『 普段も入れて試合をやってください 』
「 チームメイトにな、なんか今日めっちゃ気合い入ってね? って問い詰められた 」
『 逆に普通のときを見てみたいわwww
— まあ、普通の時もかっこいいんだろうなああっ。』
「 ハードル上がった 」
『 ごめん、なんか奢る。….. あ!!!!!!!!! 』
「 うあっ!!! なにっ!!! 」
『 弁当食べる 』
「 え食べたい 」
『 やった。あっちの方で食べようか。』
「 現役陸上部と、現役バスケ部の徒競走。よぉいスタート!!!!! 」
『 え、いや、ちょっ、ずるすぎ 』
やっぱりこういう子供っぽいところが自分は好きなんだなぁと思いながら
フライングした彼を追いかける。
大会なら一発退場。笑
今みたいにフライングしたあなたを追いかけて、時には自分もかき乱す。
友達みたいだけど、ちゃんとパートナー。
そんな今みたいな関係が自分は大好きだ。
fin.