創作小説
人が人を愛しても結局は愛さなくなる。今世で人が人を愛し続けたら、
来世ではきっと報われない。
人生はそう上手くいかないだろう。
これは誰の日記だろうか。
道端に落ちていた小さな日記帳を開く。
本当は人のを見てはいけないだろう。
でも、気になってみてしまった。
開いた1ページ目には「 俺の人生 」という題名が付いていた。
落として行った人の人生について記録したものだろうか。
こういうのはすぐ飽きるものだと思う。
でも、外にまで持ち歩いて落としている訳だ。
この人はしっかりと書いているのだろう。
1
これは今まであった人生をかくやつ。
あの人とあった時からだから4年前くらいかな、
そこから話すとこの日記帳は全て埋まるだろう。
俺が中2の時。
俺は母子家庭で育った。
それプラス、俺は貧しい生活を送っていた。
そんな中で俺の母親は男と遊んでいた。
いつも俺が帰ると母親は居ない。
朝起きて、ダイニングテーブルに行くと母親が座ってテレビを見ている。
この光景を目にするのはいつもの事だ。
「璃斗」
「何、母さん」
「何時になったら学校に行くの?」
毎日聞いてくる。早く出て行って欲しいのだろう。
「もうすぐ出るよ」
恒例の「もうすぐ出るよ」
毎日毎日こう返す。日常茶飯事だった。
「なら早く行ってちょうだい」
そう言われ、俺は急いで家を出ていつもの通り道を通り学校に向かった。
学校に着いたら下駄箱で靴を脱ぐ。
そして学校指定の上履きに履き替える。
教室に向かう。
「お、璃斗おはよう」
友達の大輝がそう言ってきた。
「おはよう、大輝」
そう言い返す。
俺は1人の方が好きだが、何かあったら大輝に頼る。
それだけの仲なのだ。
帰りになると俺は図書館に行く。
勉強もやるが、好きな著作者の本を見に行く。
「君の瞳に一つの恋(ハート)を」
題名からすると、ラブストーリーだと思う人が多いだろう。
でも読んでみると、意味深な物語。
ラブストーリーとは程遠いだろう。
表紙は一人の男の人が立っている。
その男の人は泣いているんだ。
そこからは「失恋」としか読み取れない。
これは人は見掛けによらない。みたいなもんだろうか。
馬鹿な俺からしては、そんな意味の分からない事しか考えが無かった。
「相島さん、また来たんだね」
図書館にいる司書が言う。
俺が毎日放課後、ここに来すぎて覚えられたらしい。
「そういえば、相島さんの下の名前はなんて言うの?」
「璃斗です」
「璃斗くんね〜、」
相島璃斗。それは俺の事だ。
あまり居ない名前だろう。
司書は驚いたような表情を見せた。
「それ、好きな本なの?」
司書は、俺が持っていた「君の瞳に一つの恋を」を見てそう尋ねてきた。
「そうです」
「K . Tさんねえ、その人は題名と中身が全然マッチしない感じがいいのよね」
褒めているのか貶しているのかが分からない。
「借りる?」
司書が言う。
「いいんですか?」
「図書館はそういうものなのよ」
あんなに通っていたのに初耳だった。
いつも本をここで読んで、6時になったら本棚に戻し、
家に帰っていた。
借りれるのなら借りたい。
借りて家で読むのも良い。
「貸出カード」
そう聞いた時、心の中で驚愕した。
俺は図書館の貸出カードを持っていなかったのだ。
「あ、あの…持ってません、」
「なら、作ってあげようか!笑」
司書のその笑顔は安心する笑顔だった。
別に好きという訳ではない
ただ単に安心する。
母親とは真逆の雰囲気が漂っていた。
「どうする?作るの?」
俺はずっと黙ったままだったから返事をしていなかった。
「あの、作って..欲しい、です…」
何とか言いきった。
言葉を詰まらせて言えないかと思ってしまった。
「いいよ笑…なら、ちょっと待ってもらえる?」
今の時刻はまだ5時15分。
6時まで後45分もあったため図書館の椅子に座り、待っていることにした。
「出来たよ、璃斗くん」
そう言われた為振り返った。
「はい、これ笑」
そこには長方形のカードが司書の手にあった。
それを受け取る。
「あ、ありがとう、ございます…」
「さ、その本、借りていく?笑」
「あ、はい、」
「君の瞳に一つの恋を」
その本を借りれる事は嬉しかった。
家でも読めると思うと楽しみで堪らない。
借りたら、今日はちょっと早いけど家に帰ることにした。
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コメント
3件
初コメ 失礼します 🙇♀️ ! とっても 面白くて 続きが見たくなるような お話しでした!!✨✨ 音ゲー で 鍛えた この 指ハート500 にしたので 続き の お話 無理しない 程度 で 頑張って ください🔥🔥!
創作小説かいてんのなんか意外