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「なーんでクソポリが媚薬飲んで発情してんのを見なきゃなんねんだよ!!」
二郎が抗議の声を上げると、銃兎はちらりと二郎の方を見て言った。
「しないと終われませんよ」
「分かってっけどよぉ……」
二郎はため息をつきながらいつの間にか用意されていた机の上に置いてあるピンク色の液体が入った瓶を見る。
「……これが、媚薬?」
「そうみたいですね……私から飲むのか、飲ませてもらうのか……」
銃兎は二郎をちらりと見て、瓶を手に取った。
「どうします? 飲ませますか?」
「……は、はぁ!?」
二郎は童貞よろしく顔を真っ赤にさせて叫ぶ。
「はやくシないと、出られませんよ」
銃兎は瓶に唇を寄せ、ちゅ、と音を出す。
「……な、な……な!」
「ぷっ、ははは!」
銃兎は瓶の蓋を外し、笑いながら中身を飲み干す。
「はっ……あっま」
口の端からたらりと垂れた液体は、銃兎の真っ赤な手袋で拭われる。
銃兎の喉仏がこくんと動いたのを見ながら、二郎は息をのんだ。
「……はぁ……はぁ……」
横から荒い息が聞こえる。
二郎は顔を真っ赤にしながら、銃兎の方を見ないように懸命に耐えていた。
「じ、じゅうと……あ、あのさ……」
二郎が勇気をだして銃兎の方を見る。
「……ぁ……は、はぃ……?」
銃兎は唾液を飲み込むことでも媚薬のせいで反応してしまうのか、口は半分開き、唾液が口の端からたらりと垂れていた。
「……っ!!?」
二郎は少しだけ上側にある顔を見つめる。
「な……にか?」
二郎が赤くなり何も話さなくなって、しばらくしてから、耐えかねた銃兎が話しかけてきた。
「う……や、いや……な、何すればいいのかな……って……」
二郎は挙動不審になりながら銃兎に向かって聞く。
「私に、言われ……ましても……」
銃兎はふぅ、と息を吐いて答える。
『何をしろと?』
途端、部屋に響き渡る声。
二郎と銃兎は周りを見渡し、声の主を探す。
『未成年とセッ×スさせる訳にはいかないから、キス止まりでOKにしようかね』
一応、法律は守る気らしい。いや、既に守れていないが。
「……じゅ、銃兎……、お、俺、はじめて、なんだけど……」
二郎が銃兎に向かって聞くと、銃兎は驚いたように目を見開いた。
「……え……そ、うなんですか……? 私、がファーストもらって……いいんですか……?」
「ふ、ふぁーすと?」
『……とりあえず、頑張ってくれ。未成年とどれだけ法に触れない程度で媚薬の効果を消すのか、見ものだな』
「見世物じゃねぇぞ!!」
二郎が壁に向かって叫ぶ。
「おい……ガキ……こっち、向け……」
「……あぁ!? 誰がガキだ……!」
「と、に、か、く! 早く、終わらせ……ますよ……!」
銃兎があまりにも真剣に言うので、二郎は振り向く。
「!?!?」
振り向いた瞬間、二郎は唇にふに、と柔らかいものが触れた感触がした。
「わ、わ、わ、わわわわわ!!??」
二郎が驚いて銃兎の肩を押しのけると、銃兎は頬をぷく、と膨らませる。
「終わらない、って、言ってるじゃないですか!」
銃兎が二郎の胸ぐらを掴む。
と言っても、媚薬のせいで上手く力が入らないのか、二郎に縋り付くような体制になっている。
「まてまてまてまてまて、ほんとにまてクソポリ!!?」
二郎が顔を赤くして銃兎をぐいぐい押すと、銃兎は「抵抗するな……俺が動かなきゃ、出れさえしないぞ……」と呆れたように言う。
媚薬に順応してきているのだろうか、最初の頃よりも呂律が回っている。
「で、でも、クソポリはポリだから、未成年に手を出すのはあうと!あうと!」
「手は出さねぇわ!! まず、俺が総受けを引いた時点でお前は攻めなんだよ!」
銃兎が大声を出す。
「あ、そっか」
二郎は今気づいたような反応をしたので、銃兎はまだぽやぽやとした感覚が抜けない頭を抱えた。
「、はぁ〜やっと抜けたっぽいな……」
その後、二郎が騒いでばかりなので、銃兎は媚薬が順応するまで待つことにした。
「お、お、俺の、初キス……が……」
二郎は相変わらず騒ぎ続け、しきりに唇を触っている。
「あ〜、まぁ……慣れるまで待っておけばよかったですね……」
銃兎は二郎のファーストキスを奪ったことを気にしており、顔を背ける。
「はぁ〜まぁいいや……」
二郎は持ち前の切り替えの速さを発揮し、気持ちを切替える。
「昔のことなんて気にしてても仕方ねーしよー! 気にせずいこーぜ!」
二郎はさっきまで焦りに焦りまくっていた人物とは思えないほど爽やかに笑う。
「はぁ……ほんと……あなたたちは似ていますねぇ……」
銃兎は今さっきまでこの部屋に一緒に入っていた緑と赤の目を持つ青年を思い浮かべた。