テラーノベル
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■読まれる前の注意書き
・本作は「カントリーヒューマンズ(CountryHumans)」の二次創作(ファンフィクション)です。
・実際の歴史、国家、政治団体、宗教、および実在の人物とは一切関係ありません。
・かつて対立していた国々が、現代風の平和な世界線でひとつ屋根の下、あるいはご近所さんとして仲良く「ほのぼのとした日常」を送っているパラレルワールドを舞台にしています。
・キャラクターの口調や性格に独自の解釈(マイルド化)が含まれます。 ・以上の点をご理解いただける方のみ、お進みください。
■第4話
題名:白熱の盤上戦と、甘い特効薬
ジャンル:日常・ゲームほのぼの
梅雨のジメジメとした空気をも吹き飛ばすような、凄まじい緊迫感が居間に漂っていた。
卓を囲んでいるのはソ連とナチ。二人の視線の先にあるのは、白と黒の格子模様が美しい「チェス盤」だ。
「……チェック(王手)だ、ソ連。貴様の強引な進軍もここまでだな。我が緻密な戦略の前にひれ伏すがいい」
ナチが冷徹な笑みを浮かべ、黒のナイトをカチリと進める。彼の盤面は完璧な陣形を保っており、ソ連のキングをじわじわと追い詰めていた。
「フン、相変わらず教科書通りの退屈な指し方だな、ナチ。だが、我が連邦の粘り強さを侮るなよ」
ソ連は不敵に笑うと、大きな手で白のルークを動かした。一見すると無謀な特攻に見えたが、それはナチの守備陣の僅かな隙を突く、計算された一手だった。
「何……!? 捨て駒を使った罠か!」
「ははは! 戦場でも盤上でも、最後に立っていた者が勝者だ!」
かつての世界大戦を彷彿とさせるような、一歩も引かない頭脳戦。お互いのプライドが激突し、部屋の温度が数度上がったかと思うほどの熱気が満ちていく。
「あの……お二人とも、あまり睨み合っていると目が乾きますよ?」
少し離れた畳の上で、日帝が苦笑しながら二人の様子を見守っていた。その膝の上では、いつの間にか遊び疲れたイタ王が「すー、すー」と気持ちよさそうに昼寝をしている。
「日帝、口を挟むな。これは私とこのシロクマの、男の尊厳をかけた闘争だ」
「そうだ、日帝。今日こそこの傲慢な男に、敗北の二文字を刻み込んでやる」
二人は盤面から目を離さないまま、同時に日帝の言葉を突っぱねた。これほどまでに息が合うのも、ある意味で奇跡に近い。
試合は膠着状態に陥り、一時間が経過した。ナチは眉間に深い皺を寄せ、ソ連は腕を組んで唸り声を上げている。あまりの集中力に、二人とも完全にエネルギー切れを起こしかけていた。
「……よし、ここは一旦、休戦としましょう」
日帝がすっと立ち上がり、台所から持ってきた盆を二人の間に置いた。そこにあったのは、冷たい麦茶と、日帝が今朝から仕込んでいた特製の「みたらし団子」だ。
甘辛い醤油のタレがたっぷりとかかった、つやつやのお団子が皿の上に並んでいる。
「甘いものですか。集中力を使う脳には、糖分の補給が合理的ですね」
ナチはプライドを一度横に置き、お団子を一本手に取った。上品に口へ運ぶと、もちもちとした食感と絶妙な甘辛さに、険しかった表情が一瞬で和らぐ。
「ほう、これは美味いな。日帝、我が国の黒い森のケーキ(シュヴァルツヴェルダー・キルシュトルテ)にも匹敵する完成度だ」
「お気に召して何よりです。ソ連殿もどうぞ」
「うむ、いただく。……美味い! このタレのコ クは素晴らしいな。ウォッカのつまみにもなりそうだ」
「ソ連殿、何でもアルコールに結びつけるのはやめてください」
お団子を頬張る二人の姿には、さきほどの殺伐とした雰囲気は微塵も残っていない。もぐもぐと口を動かしながら、自然とチェス盤を見つめる目が優しくなっていく。
「……ナチ、ここの一手をこう受けていれば、お前の勝ちだったな」
「いや、ソ連。貴様がここでポーンを進めていれば、私の負けだった」
いつの間にか、二人は勝敗を競うのをやめ、お互いの指し手を褒め合い始めていた。
お腹がいっぱいになり、冷たい麦茶で喉を潤した二人は、どちらからともなく駒を片付け始める。
「ふあぁ……あれ? みんなでお団子食べてるの? ずるい、僕の分は!?」
ちょうど目を覚ましたイタ王が、お団子の匂いにつられて飛び起きてきた。
「安心してください、イタ王殿。あなたの分もちゃんと残してありますよ」と日帝が微笑む。
「よし、次はイタリアも交えて、日本の『将棋』とやらをやってみようではないか」
ナチが提案すると、ソ連も「面白い、受けて立とう」と賛同した。
外ではジメジメとした雨が降り続いている。しかし、この部屋の中だけは、甘いお菓子の香りと、四人の賑やかな笑い声で、いつでもカラリと晴れ渡っていた。
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コメント
3件
チェス?!すごいね!!ルール難しそう…集中力を高めるには糖分がいいって言うよね!今回も神作でした!
あらためて、うん、この第4話はめっちゃ良かった!チェスバトルから一転、日帝の特製みたらし団子で仲直り(?)する流れが最高だったよ。しかもナチとソ連がお互いの指し手を褒め合うシーン、あれめっちゃ胸熱だったわ。イタ王の「ずるい、僕の分は!?」も可愛くて草。ジメジメした雨の日でも、この部屋だけはカラッと晴れてるのがもう、ほんわかしたわ。次回、将棋対決も楽しみにしてる!🔥