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パトロールという名の飲食店巡り中、歩道にある生け垣が何やらガサガサ動いているのに目が止まった。


「ん?何だ?…おぉ、どうしたお前。迷子か?」


影に隠れていたウサギを見つけた。震えていてその場から動かずじっとしている。少しぐったりしているようにも見えた。


「暑いのか?ちょっと待ってな、水あったっけ…あった!ほら飲めるか?」


ペットボトルのキャップに水を入れて前に置くとペロペロ飲んだ。一安心とホッとしながら抱き上げる。


「どうした?こんな所で…とりあえず落ち着ける場所行くか。」


助手席に乗せて慎重に運転する。神経を張り巡らせながら警察署に着いた。


「ふぅやっと着いた…まぁとりあえず中で涼もうな。」


「あれつぼ浦なに抱いて…ウサギ?どうしたの?」


「草むらん中で固まってた。そんなに汚れてないし毛並み良いし迷子だと思うんだよな。」


「へぇ、可愛いな。どっから来たんだお前?」


「ちょうど良いや、アオセンコイツの飯買ってきてくださいよ。」


「え?ウサギって何食べんの?野菜?」


「ペットフードと、野菜はニンジン、キャベツ、レタスとか、果物はイチゴ、リンゴ、バナナ、パイナップルとかすね。」


「へぇー、お前やけに詳しくね?」


「とりあえずその辺の食べもん買ってきてください。お腹空いたよな?…ほら、今すぐ食べたいって言ってる。」


「いや絶対デタラメだろwまぁ行ってくるか。…可愛いな…」


ひとしきり撫でてから買い出しに行った。つぼ浦がダンボールを用意していると他署員も集まって来る。


「つぼ浦君何してるの?」


「なんでそんな大事そうにダンボール抱えてるんだ?」


「迷子のウサギがいたんす。なんかいらないタオルケットとか無いすか?」


「ウサギ?…本当だ。宿直室に古いのがあったかな、持ってくるよ。」


「流石ドリーさん!あとはー…何が必要だ?皿とか?」


「皿ならキッチンにあるだろう、我が持ってくる。」


「皇帝あざす!とりあえずはこんなもんかな…」


「ただいまー買ってきたよ。」


「お、飯がきたぞ!いっぱい食え!」


仮の寝床が完成し、ご飯と水をあげながら話し合う。


「美味いか?お前はリンゴが好きなのか。…ウサギ飼ってる人って誰か知ってるすか?」


「えー誰かいたっけ…」


「とりあえず写真撮ってツイックスに投稿じゃない?」


「そうすね。早く迎えに来ると良いな。」


ウサギの頭を撫でながら微笑みかける。手際の良さと動物への愛情と、つぼ浦の意外な一面を見た一同は驚きを隠せないでいた。


「つぼ浦君てペット飼ってたっけ?」


「いや、俺は飼ってないすよ。」


「なんでそんなに詳しいの?」


「別にそこまで詳しく無いすよ。テレビとかネットとかで見たぐらい。…涼しくて静かな部屋に移動させたいんすけど。なるべく落ち着かせてやりたい。」


「じゃあ使ってない小さい倉庫はどう?皆にも共有はするけど入らないでって言っておこう。」


飼い主から連絡が来るかもしれないし心配だしと、街全体が眠るギリギリの時間まで定期的に様子を見に行き気にかけていたが、この日は飼い主は見つからなかった。




翌日、1番に出勤してウサギの元へ急いだ。すっかり慣れた様子でリラックスしていて、撫でると気持ち良さそうに目を細める。


「おはよう元気か?出すもんもちゃんと出して偉いな。」


「おはよー。つぼ浦早いね、ウサギは?」


「アオセンも早いじゃないすか。元気すよ。」


「いやつぼ浦のことだから様子見に早く来てるんじゃないかなーと思って。やっぱ可愛いな、こんなに慣れてんだから飼いウサギだよなー…連絡来てないの?」


「まだ来てないすね。…大丈夫だぞ、今日はきっと飼い主が迎えに来てくれる。リンゴ切ってくるから待っててな。」


「つぼ浦は動物にもとことん優しいな。動物好きなの?」


「んー別に特別好きってわけじゃ…人並みすかね。」


「いやいや人並みの手際と知識量じゃ無いだろ…お前すごいな。」


実に献身的に、甲斐甲斐しく世話をするつぼ浦に尊敬の念を抱いた。



「めしょみ〜!お前どこ行ってたんだよ〜!怖い思いさせてごめんなぁ!」


かげまる医局長が迎えに来た。涙目になりながらめしょみに頬ずりしている。


「良かったなめしょみ!脱走でもしたのか?」


「たぶん歪み?で外に放り出されちゃったみたいだ。本当にありがとうつぼ浦君!君が見つけてくれなかったらどうなっていたか…お礼は後日改めてさせてもらうよ。」


「いや別にいいぜ、それよりめしょみにごちそうでも食べさせてやってくれ。」


「そんな遠慮しないでくれ。いやぁそれにしても意外だな、つぼ浦君がこんな…いや、この話は野暮だな。今日はこれで失礼させてもらうよ、本当にありがとう!」


「またなめしょみ!もう心配かけんなよ!……はぁ良かった。」


「お疲れさん。良かったね、飼い主見つかって。」


「そっすね、めしょみも嬉しそうだった。」


「やっぱりつぼ浦は街の皆のおまわりさんだな。」


ホッとした顔をしているつぼ浦の頭にポンと手を置いた。

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