第3章「学園祭に潜む亡霊」その2

「夏休みの注意事項の前に、アンケートを行う」

午後の授業が終わり、ホームルームが始まった。

二年六組の担任・黒澤舞子（くろさわまいこ）が、紙束を手にそう宣言する。

「一時間で区切るため、全てが埋まらない場合もそのまま回収する」

どこか軍人を思わせる担任の振る舞いは、「アンケートに一時間？」という声を一瞬で黙らせた。

修介が回ってきたアンケート用紙に目を落とすと、去年の学園祭で何をやったか、準備した時の感想、他の展示や発表を見た感想に関するものが目に付くが、中には少し毛色の変わった質問もある。

【学園祭のイメージを書きなさい】

【学園祭の存在意義について、あなたなりに考えて書きなさい】

【他人と協力して何かに取り組む際に必要なことは何か、あなたなりに考えて書きなさい】

「アンケートかこれ？」「これが学園祭と何の関係が？」と思う設問もあ＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊

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