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4時間目の終わりのチャイムと同時にあたしたちは弁当を持って、駆け出した。
向かうは、いつもの場所。
あたしたちは、いつも人気の少ない屋上でお昼ご飯を食べていた。
瑞希「うち、1番!」
和泉「いいや、あたしだね!」
瑞希「うちの方が0.1秒早かった!」
和泉「0.1秒もそんな変わんないでしょ!」
瑞希「変わるよー!!あー、お腹すいた〜」
和泉「瑞希が急に走り出すから………!」
瑞希「でも、楽しかったでしょ?」
和泉「………」
そう言って、カラカラ笑う瑞希。
この笑顔はあたしにしか見せない顔。
いつも、作り笑いをしている瑞希の素の顔……だとあたしは思っている。
瑞希「あ、卵焼きおいしそー、うちのおかずと交換しよ〜」
和泉「いいよ。」
そういえば、あたしと瑞希が友達になったのも、屋上が始まりだった。
その日も、今日みたいによく晴れた日だった。
その時のあたしは、やさぐれていた。
喧嘩だってたくさんした。
親には散々怒られたが、やめる気にはならなかった。
でも、そんなことをしていたら、神様だって罰を与える。
ある日、あたしが喧嘩をして帰ってきた日。
弟が死んでいた。
なんでも、あたしと喧嘩して負けた輩が弟を狙ったらしい。
弟の頭は原型をとどめていなく、体も切り傷だらけだった。
あたしは、初めて後悔した。
あたしが喧嘩をしていなければ、弟は死ななかった。
自業自得だと、誰かが言った。
………………いや、あたしが言った。
それから、あたしはこの屋上へ立った。
死んでしまおうと思った。
弟が苦しんで死んでしまったように、ここから飛び降りれば、もがき苦しんで死ねるだろうと。
フェンスに手をかけて、身を乗り出す。
「ねぇ、何してんの?」
飛び降りようと身構えしていた後ろで声がした。
和泉「……………邪魔しないでよ。」
「死ぬの?」
さらりと風があたしの頬を撫でた。
和泉「死ぬって言ったら、どうすんの?」
空を見上げて、深呼吸をした。
「私には、死のうが関係ないけどさ…」
和泉「じゃあ、とっととどっか行ってよ。」
誰かは会話を続ける。
「どうせ、死ぬんだったら、私と友達でもなってよ」
和泉「………はぁ?」