TellerNovel

テラーノベル

アプリでサクサク楽しめる

テラーノベル(Teller Novel)

タイトル、作家名、タグで検索

ストーリーを書く

シェアするシェアする
報告する

4時間目の終わりのチャイムと同時にあたしたちは弁当を持って、駆け出した。


向かうは、いつもの場所。


あたしたちは、いつも人気の少ない屋上でお昼ご飯を食べていた。


瑞希「うち、1番!」


和泉「いいや、あたしだね!」


瑞希「うちの方が0.1秒早かった!」


和泉「0.1秒もそんな変わんないでしょ!」


瑞希「変わるよー!!あー、お腹すいた〜」


和泉「瑞希が急に走り出すから………!」


瑞希「でも、楽しかったでしょ?」


和泉「………」


そう言って、カラカラ笑う瑞希。


この笑顔はあたしにしか見せない顔。


いつも、作り笑いをしている瑞希の素の顔……だとあたしは思っている。


瑞希「あ、卵焼きおいしそー、うちのおかずと交換しよ〜」


和泉「いいよ。」


そういえば、あたしと瑞希が友達になったのも、屋上が始まりだった。





その日も、今日みたいによく晴れた日だった。


その時のあたしは、やさぐれていた。


喧嘩だってたくさんした。


親には散々怒られたが、やめる気にはならなかった。


でも、そんなことをしていたら、神様だって罰を与える。


ある日、あたしが喧嘩をして帰ってきた日。


弟が死んでいた。


なんでも、あたしと喧嘩して負けた輩が弟を狙ったらしい。


弟の頭は原型をとどめていなく、体も切り傷だらけだった。


あたしは、初めて後悔した。


あたしが喧嘩をしていなければ、弟は死ななかった。


自業自得だと、誰かが言った。


………………いや、あたしが言った。


それから、あたしはこの屋上へ立った。


死んでしまおうと思った。


弟が苦しんで死んでしまったように、ここから飛び降りれば、もがき苦しんで死ねるだろうと。


フェンスに手をかけて、身を乗り出す。


「ねぇ、何してんの?」


飛び降りようと身構えしていた後ろで声がした。


和泉「……………邪魔しないでよ。」


「死ぬの?」


さらりと風があたしの頬を撫でた。


和泉「死ぬって言ったら、どうすんの?」


空を見上げて、深呼吸をした。


「私には、死のうが関係ないけどさ…」


和泉「じゃあ、とっととどっか行ってよ。」


誰かは会話を続ける。


「どうせ、死ぬんだったら、私と友達でもなってよ」


和泉「………はぁ?」




この作品はいかがでしたか?

22

コメント

0

👏 最初のコメントを書いて作者に喜んでもらおう!

チャット小説はテラーノベルアプリをインストール
テラーノベルのスクリーンショット
テラーノベル

電車の中でも寝る前のベッドの中でもサクサク快適に。
もっと読みたい!がどんどんみつかる。
「読んで」「書いて」毎日が楽しくなる小説アプリをダウンロードしよう。

Apple StoreGoogle Play Store
本棚

ホーム

本棚

検索

ストーリーを書く
本棚

通知

本棚

本棚