前回の続きです
前と一緒で100%捏造・妄想です
それではどうぞ〜
その日は朝起きたら、なんだかずっとうずうずしてたの。魔法の力かなんか知らないけど何か起こる気がしてた。
そしたらその予感が当たったの!
急に城に誰か来て、”呪いを解きます”なんて言うのよ?
初めは信じられなくてね。でもその人の目を見て思ったの。あぁ、この人は嘘なんてつく人じゃないってね。
しかも嬉しくて泣いてたら”あなたの綺麗な顔が台無し”とか言うじゃん?もう惚れちゃった!
…………けど、呪いが解けたってこの気持ちは伝えられない。どうせ叶わない恋なのよ。
だってあたし本当は____
「ぼん子さーん、そろそろ出発しますよー?」
あっ、彼の準備が出来たみたい。ま、この話は聞かなかったことにしてね。彼にも内緒よ?
「はーい!今行くー!」
この気持ちは心の奥にしまっておかなきゃ。
出発の準備が出来たので、彼女を呼んだ。
「ドラゴンの城に行くまでにはかなりの時間がかかりそうですねぇ……。さっきバルコニーから見たときも、道がよく分からなかったし……。地図なんてあればいいんですけどねぇ。」
「あっ、まって!地図ならあるかも!」
「えっ?!本当ですか?!」
「ちょっと待ってて〜!」
そう言うと城の中へ戻って行った。
しばらくしてドタドタっという音と共に彼女がやってきた。
「はぁ、はぁ……あ、あったわ!」
「ありがとうございます!そんなに慌てなくても良かったのに…」
「いや〜こんなことに時間使うのも良くないかな〜って思って!それより、見て!」
そう言われて、彼女の手元にある地図を除き見た。
現在いるこの城の位置は地図の1番左下。ドラゴンのいる城は地図の1番右上。
「ねぇ、この地図間違ってない?!どう考えても遠すぎるでしょ?!バルコニーから見たときそこまで遠くなかったじゃん!!」
「いや、間違ってはいないみたいです。目で見た時は近くても地図で見た時は案外遠いんですよ。あなたの呪いを解くためには進むしかないんです。」
「そう…よね。こんなことで騒ぐのも良くないわよね!頑張りましょう!」
「もちろん、初めからそのつもりですよ。」
「それじゃあしゅっぱぁーつ!」
そうして俺たちはドラゴンのいる城まで元気よく出発した。
___だがこのとき、彼女の顔がやや曇っていることに気がついてはいなかった。
「さっきの地図持っててもいいですか?」
「あっ、全然いいわよ!むしろあたしが持ってたら無くしそうだし……」
「ありがとうございます。」
なぜ地図を貰ったかと言えば、先程少し見た時に遺跡のようなものが目に入ったからだ。一応地図の裏も見てみると、何やら禍々しい字でこう書いてあった。
“我を倒すのみでは呪いは解けぬ。呪いを解きたくば、遺跡での試練を乗り越えよ”
「なるほど………。」
「うん?何がなるほどなのよ?」
「これ、見てください。」
そう言って地図の裏面を見せた。
「え、何コレ?!遺跡って何?!どこ?!」
「一旦落ち着いてください。」
「あ、ごめん。」
「どうやらこの地図に書いてある遺跡の場所に行かないといけないみたいです。それに加え、試練もあるようですね。」
「試練って何よ……そんなの聞いてない、よ?」
「行ってみないと分からないですねぇ……でもきっと大丈夫ですよ。もし何があっても俺が守ります。」
「めちゃくちゃ頼もしいわ………ほんとにありがとう!」
「いえいえ。お礼を言うのはこの旅が終わってからにしてくださいよ?」
「はぁ〜い!」と言ってルンルンとスキップをして行く彼女。そんな様子を見てつい、笑みがこぼれる。
「ふふっ、そんなに急いだら危ないですよー!」
まだまだ長い旅だけど、とても楽しくなりそうな予感。
「そういえば、あなたはギルド長って言うのなんでしょ??どんな仕事してるの?」
「うーん、まぁ基本的には街にやってくる冒険者に討伐や採取の依頼をしたり、自分が危険な魔物の討伐に行ったりしてますね。大変ですが、やりがいもあって困ってる人も助けられてとても楽しいです。」
「なるほど………なんか凄いわね、あなたって。」
「そんな事ないです。今まで助けられなかった命もあります。だから、もっと強くならなきゃ……」
「……助けられなかったとしても、貴方が助けに来てくれたんだから、きっと、天国で皆感謝してると思うわ。助けたいっていう気持ちも分かるけど、すぐに強くならなくても自分のペースで進んでいけばいいのよ。」
その言葉にはっとさせられた。
今までの自分は早く、もっと、強くならないといけないという気持ちが頭の大半を占めていて、いつの間にか自分のことを追い詰めていたのかもしれない。
詰めたままではいつか自分を苦しめ、何か大切なものを見失ってしまう。
「確かに、貴方の言う通り、ですね。気づかせてくれてありがとうございます。」
「そんな、礼を言われるまでのことなんて言ってないって!」
「いえ、それに気づいていなければ自分を見失っていたかもしれません。だから、本当にありがとうございます。」
「な、なんか照れるからやめてよ……」
その時今までよりも少し強い魔物の気配がした。
「っ、ぼん子さん!下がっててください!」
グルルルル、、
その魔物は血に飢えたオオカミのような見た目をしていた。
「な、なにあの魔物………」
「多分ドラゴンの手先だと思います。多分ドラゴンに俺達が出発したのバレてます。」
「ええっ?!それってマズくない?!」
「ちょっとマズイかもしれないですけど、これぐらいの魔物なら大丈夫です。」
と言ってあの魔物に斬りかかる。どうやら魔物は少し素早いようで、傷は浅かった。
すると、次は自分の番だと言っているかのように、魔物は俺の腕に噛み付いてきた。
「っ!…………ですが、近づいてきて来てくれて好都合ですね。それでは、さようなら。」
そして剣を振り、首を討ち取った。
ガァァ、ァ………
それ以降、その魔物は動くことはなかった。
「ふぅ。ちょっと手強かったですね。あ、止血しなくては……」
「だっ、大丈夫っ?!」
遠くに離れていた彼女が息を切らして走ってきた。
「これぐらいの傷何ともありませんから、大丈夫です。」
「血止まってない!ほら、見せて!」
「え、あ、」
「つべこべ言わないでさっさと見せる!」
「は、はいっ。」
言われるがままに腕を差し出した。
「ちょっと!!ぜんっぜん大丈夫じゃないわ!言ったでしょ!傷治すからって!これから傷ついたらすぐ見せなさいよ!」
「す、すみません………」
「分かればいいの、分かれば!じゃあ治すからじっとしててね。」
_____✩.*˚𓂃 𓈒𓏸☆≈!!
そう唱えると、暖かい光が腕を包んで傷が治っていく。傷はあっという間になくなった。
「本当にその力は凄いですね。おかげで治りました。ありがとうございます。」
「そんなことないって!………あたし戦えなくてごめんね。」
「いえ、貴方が無事で何よりですよ。女性の方に戦わせる訳にもいかないでしょう?」
「………実はあたし、回復以外にも魔法が使えるの。」
「えっ?」
『氷、雷、風、光』
この4つが使えるの、と彼女は話してくれた。
「そこまで強くないけど……ちょっとでも役に立てればって思ったけど、怖くて足が動かなかった。………ほんとそういうとこダメだなーって思うの。」
「でも、役に立ちたいって思っていたんでしょう?その気持ちがあれば十分ですよ。」
「そう言ってくれてありがとう。でも、これから役に立てるように頑張るわ!」
「ふふっ、”自分のペース”で、ですね?」
「うん!」
「あ、あれですかね、遺跡。」
「そうみたいね。」
色々と話している間に遺跡へと辿り着いた。何故か入口が2つある。
「あっ、ここ見て!なんか書いてあるわ!」
「えーっと、なになに………」
“よくぞここまで辿り着いた。ここでは『2人で』試練を受けてもらう。そこに入口が2つあるだろう。右が冒険者、左が女の入る方だ。説明はそれぞれ中に入れば分かるようになっている。まぁせいぜい頑張るんだな。”
「てっきり一人でやるものだと思っていたのですが………」
「なにがあるか分かんないって事よね……」
「右が俺、左があなたですね。」
「そうみたい。悩んでたってしょうがないわ。早速行きましょう!」
「そうですね。それでは、ご武運を!」
「ご武運をっ!」
そうして2人別々の間へと足を進めた。
今回はここまでです。まだまだ続きます。
そういえばタイトル変えました
それでは〜
コメント
3件
たいとるかっこよくなってる