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富来 えび
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富来 えび
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その叫び声は小田原城や、他の陣にまで届いていた。
多目元忠はその声を聞き、ちらっと氏康の方を見る。
「むっ……この声は長尾景虎殿……
さてはあの一件で怒られておるな笑
おそらく叱っているのは長尾政景殿であろうな。
親近感がわくわ、ははははは」
視線を感じた北条氏康は、少し気まずそうに答える。
「………はい、賭け事は…辞めます。
きちんと大将らしい振る舞いをします」
多目元忠はため息をつく。
「分かれば良いのです」
(´^ω^`)ハァ…
すると北条幻庵が呆れたように怒鳴る。
「できるなら最初からそうせんか、馬鹿者💢💢」
「……申し訳ございませぬ、叔父上……」
そうして、お互いに決め手がないまま、
無駄に時間だけが過ぎていった。
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長尾政景が周囲を見渡しながら、景虎へ声をかける。
「さて、ひと月以上経ちましたな^^
そろそろ交代と行きましょう」
「うむ……全ての陣へ交代の書を出せ。
……結局、誘い出しはできなんだか」
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一方、小田原城では――
北条綱成が寝不足の顔でぼやいていた。
「くそう……毎日毎日毎日毎日……
夜中に爆音を鳴らしやがって。
ゆっくり寝れねえじゃねえか」
氏康が首を傾げる。
「そうかお前は、熟睡していたような……???」
すると幻庵が即座に突っ込む。
「わしは寝れなかったし、
綱成も元忠も氏政も寝ておらん。
寝ていたのはお主だけだ、氏康」
「えっ……」
(記憶が違う……泣)
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佐竹義重は兵たちに指示を出していた。
「お前たち、そろそろ交代だ。
里見勢のような戦果は期待するな。
我らの仕事は食糧を補充させないことだ」
「おおおおおっ!」
佐竹兵たちが一斉に返事をする。
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川越城。
長野業正が憲政へ声をかける。
「憲政様、そろそろ交代でござる。
景虎殿の言うことをきちんと聞いて、
この川越城で待っていてくださいね……?」
「わかった。
本当はついて行きたいが……我慢いたす……」
上杉憲政は少し寂しそうに笑う。
「気をつけるのだぞ、業正。
もう知っている者が居なくなるのは……こたえる……」
「お約束いたす!!!」
長野業正は力強く答えた。
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成田の陣。
「さて……そろそろ方円殿と交代だな」
成田長泰が兵たちを見る。
「山中訓練のおかげで、体力はかなりつきましたよ……」
成田兵が胸を張って答える。
「方円殿にならい、
昼の部隊と夜の部隊に分かれて嫌がらせするのだ」
「はっ……!」
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小田原城――丑三つ時。
「ばばばばばばばばばばん!!!」
「くっ……またか……」
北条幻庵が顔をしかめる。
多目元忠も苦々しく呟く。
「まさか……交代するとは……」
綱成が立ち上がる。
「そろそろ出ねえかい?
ちょっとお返ししてやりたい」
その横では――
「ぐうぐう……」
氏康が気持ちよさそうに眠っている。
氏政が父を見ながら呆れる。
「なんで寝れるかなー」
風魔小太郎も外の様子を警戒しながら呟く。
「交代包囲とはな……
向こうは実質、体力が無限にあるようなものだ…… 厄介な……」
すると幻庵が氏康を睨みつける。
「くっ……こやつ、起きぬか!」
幻庵は氏康を蹴り飛ばす。
「ぎゃっ……」
しかし――
「スヤスヤ……ぐうぐう……」
綱成が目を丸くする。
「おおう……本気の蹴りで起きねえか、義兄者!」
「こやつ💢 呑気に寝おって!」
幻庵が怒りを露わにする。
氏政も唖然とする。
「まじか……父上……」
元忠は頭を抱える。
「殿……泣」
小太郎も呆れ果てる。
「……くそっ、あいつら。
そして起きてくれ、殿ー!!」
┐(´д`)┌
綱成は懲りずに外を見ながら言う。
「ということで、逆に奇襲するぞ。
我に続――」
「ダメに決まってるだろう!!!💢💢」
幻庵たちが一斉に止める。
綱成は不満そうに振り返る。
「えええ……。 いい加減でようぜ。
そんなに怒らなくてもさー。
このままだと疲れで落ちちまうよ笑」
その時、瑞渓院が静かに姿を現した。
「……夫はこの状況で寝れるのですね」
氏政が母を見る。
「は……母上。
もしや母上も寝れていなかったのですか?」
「ええ」
瑞渓院は眠そうな顔で答える。
「せめて自分たちが叫ぶのは辞めます」
氏政が申し訳なさそうに頭を下げる。
すると氏康以外の全員が一斉に頭を下げた。
「……申し訳ございません、奥方様……泣
配慮が足りませんでした……泣」
しかし――
「ぐうぐう……スヤスヤ……」
氏康だけは未だに寝ている。
瑞渓院の眉がピクリと動く。
「起きなさい!! みんな起きていますよ💢💢」
「ボカボカ!!」
「ドスッドスッ!!!」
「スヤスヤ……」
「起きなさい!!💢この!!」
「ボカッ!ドスッドスッ!!」
「ぎゃっ!
痛い……お方……やめてくれ。
殴るのは……殴るのはやめてくれ泣」
ようやく氏康が目を覚ます。
全員が顔を見合わせる。
「あっ、父上ようやく起きた笑笑」
「奥方様、ナイスー!」
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氏康は気まずそうに皆を見る。
「……その」
全員が無言で氏康を見つめる。
( ^ω^ )
「……本当にすいません。
わしだけ寝てたみたいで」
すると綱成が話を切り替える。
「なあ、そろそろ打ってでないか?
さっきも言ったが、城にいるだけじゃ
負けてしまうぞ」
小太郎も頷く。
「そうだな……。 川越のように夜戦にかけるか」
氏康が口を開こうとする。
「………あの」
しかし全員から即座に遮られる。
「寝てた殿(父上)は発言権ないですから」
「泣」
その直後――
「ばばばばばばばばばばん!!!」
幻庵が頭を抱える。
「本当にうるさいのぉ💢💢」
氏康は外から響く銃声を聞きながら心の中で呟く。
(夜中にこれがずっと続いていたとは……
わしはなんで寝れていたのだ???)
氏政が真剣な表情になる。
「たしかに綱成の叔父上が言う通り、
そろそろ攻めないとまずいかも。
向こうは交代で体力が無限だから」
一同は顔を見合わせる。
「うむむむむむ……いつ行くべきか」
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成田の陣。
成田兵が戻ってくる。
「今日も睡眠妨害してまいりました!」
「うむ、ご苦労……」
成田長泰は大きなあくびをする。
「眠いから寝る。あとは頼……」
「ぐうぐう……」
「はっ……オヤスミナサイマセ」
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海上。
佐竹義重が海を眺めながら苦笑する。
「まじで海、やることないな笑
里見の兵に言われて遊技の道具を持ってきていて良かった笑」
佐竹兵が声をかける。
「殿、夜の監視は我らにまかせていただいてよいのですよ」
「いや、俺は元々夜の方が好きだからな。
星を見るのが好きなんだ……」
「なら監視しながら、少し遊びますか笑」
「だな笑、はははは」
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長野の陣。
長野業正は小田原城を眺めながら、静かに笑う。
「ふっ……北条め。 明らかに動揺しておるわ。」
交代するとは思わなかったのであろうな。
「その慢心で、遠慮なく勝たせていただくぞ」
そして少し考えた後――
「ふむ……少し寝るか」
上杉兵がすぐに返事をする。
「はっ、長野様、おやすみなさいませ。
あとは夜間担当の我らにおまかせを」
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そうして北条家では――
絶望の夜が続くこととなる。
コメント
1件
あらら、北条陣営ボロボロじゃんか笑 氏康だけ爆睡してるのズルすぎるし、瑞渓院の本気ビンタでようやく起きるとこ最高だったわ。 でも綱成の「そろそろ打って出ないとヤバい」って焦りも伝わってきて、じわじわ疲弊してる感じがリアル。 このまま交代包囲でじり貧になるのか、それとも北条が逆転の一手を打つのか…気になるな🔥