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一緒に住んでからは大まかに帰る時間を決めて2人揃ったら寝るまでの準備を済ませた後、ソファーに並んで座って寛ぐのが日課になった。
「おかえり〜よく温まった?座りな。」
お風呂上がり、自身にとことん無頓着で髪も乾かさないぐち逸を見かねてぺいんがドライヤーを手にするのもお決まりの流れになっている。
「ほんとぐち逸髪色綺麗だよねぇもっと大事にしなさい。」
「髪の毛なんて大事にしても何にもならないでしょう。」
「そう言うと思った。でもぐち逸が体調崩して仕事できなくなると街の個人医少なくなっちゃうよ。」
「…まぁそれは。」
ぶっきらぼうに返事をするがぺいんに触れられて、優しさが伝わってくるこの時間もぐち逸にはかけがえの無いものだ。
「オッケー終わったよ。」
「ありがとうございます。」
正面に座り直して談笑する。手を繋ぎたい時は握り拳を作り、ハグしたい時はぺいんの胸元をチラチラ見て、言葉には出さなくてもぐち逸のしたい事はとても分かりやすい。
「ぎゅーしよっか、おいで。」
「…ん、ふぅ……」
広げられた両手に入って胸に頭を擦りつける。2人ともスキンシップで緊張やときめきよりも安心感、心地良さを覚えるようになった。
「今日は疲れた?」
「少しだけ。」
「客船泳いで来てたもんね。お疲れ様。」
「あの船ももう屈強な警備員を配置するべきだと思うんですが。警察官が常にいる事はできないんですか?」
「あーまぁね、ハハハ…」
「他の事件現場と言われる所だってもっと…」
ブツブツ小言を言う頭を撫でればすぐに満足気な表情に変わる。外では相変わらず掴み所が無くよく分からない人物なのが、2人きりの時は日に日に素直になっていくぐち逸が愛おしくて堪らない。
「かわい。」
「またそれですか。まぁぺいんさんの感性なので否定はしません。」
「そうそう、そうやってぐち逸は受け入れて自覚してれば良いの。自分って可愛いんだ〜って。」
「そこまでは言ってませんが!?」
「え〜?でもほら、こんなに可愛いんだよ。」
頬に触れるとまた柔らかい笑みを零して強請るように手を重ねてきた。それに応えない訳が無く、優しく撫でてからそこに静かにキスをする。
「ぺいんさん…///」
「すぐ顔赤くなっちゃうところも可愛い♡」
「だって前触れもなく急に…ハックシュン!」
「寒い?ほらこれ掛けて、もっと首まで。なんか温かいもん飲もっか。」
「…ありがたいけどやり過ぎです。」
大きめのブランケットでぐち逸をグルグル巻きにしてキッチンに立つ。ココアが入ったマグカップを2つ持って戻り、テーブルに置いて座ったと同時にブランケットを肩に掛けられた。
「俺は平気だよ、ぐち逸使いな。」
「このほうが、ぇっと、暖かいので。」
「そう?…じゃもっと暖まろ。」
不器用な甘え方を察して抱き寄せ、身体を預けるぐち逸を受け止める。
「あの、ぺいんさん。」
「ん、なに?」
「ぺいんさんはどうしてその、私のこと、したい事とかそんなに分かるんですか。」
「うーん…分かってる訳じゃ無いよ。こうすればぐち逸が喜んでくれるかなーって思ってする時もあるし、俺がしたいからする時もある。さっきのキスとかも。」
「///…それって負担になってないですか?」
「負担になんてならないよ。ぐち逸が喜んでくれたら俺も嬉しいし、こうやってくっついて話す時間すっごく好き。一生こうしてたい。」
一層力強く抱き締められ、本当にこの時間が一生続けば良いのにと夢見心地で抱き締め返した。