「花束をあなたに」
春風が吹く今日、バラの花束を抱えた少女が歩いてゆく。何年もこの日を数えきれないぐらい妄想した日々を思いながら。今日会えるのか分からないのに。それでも、少女は確信していた。必ず会えると。そして、少女はある家の前で立ち止まり、これまでの日々を振り返りながらドアをノックしようとする。だが、ノックをできないでいた。春風がこれからの幸せを告げるように少女に吹いた。いや、春風は再び会う2人の瞬間を告げるために吹いたのだろう。春風が告げる意味の余韻に浸る間もなく少女は懐かしい足音を聞いた。一方春風の吹いたそのとき少女の想い人も春風に連れてこられたのが誰なのか気づき、驚きながらも玄関に向かう。ドアを開けるその直前2人はお互い相手のことが見えた気がした。玄関が開かれる。と同時に暖かい春風が少女を包み込みながら家の中へと一歩、歩を進ませる。少女は目に見えない味方に励まされ呟く。
「花束をあなたに」
まるで無限の輝きと可能性を秘めた春のような目で。何年も想い続けた美しい女性を見つめる。少女の想い人の女性は少女を抱く。強く優しく。そしてきっと想い人は気づく。少女が5本のバラに託した想いに。春風に揺れる青いバラへの想いに
作品補足
少女と想い人は3年前にとある理由から離れ離れになってしまう
想い人は成人。少女は未成年だった。
お互いの連絡先も分からない中、2人はまた会う約束をして別れた。
少女と想い人の出会いはまた後日アップします
コメント
3件
文才分けてほしいくらいうめえ。 百合やったアアアアアアア