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* けちゃ:女の子。先輩2人のことが好き(でもバレてない)
* あっとくん&まぜた:先輩。けちゃのことが好き(これはけちゃは知ってる)
* 3人は仲良しで、放課後は教室じゃない場所で会う
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◆第1話(知られてない想い)
放課後、校舎裏の階段。
「また来た」
まぜたが少しだけ笑う。
「来ちゃいました」
そう言って隣に座ると、
「ちゃんと来るの偉いね」
あっとくんが優しく言う。
そのまま、軽く頭を撫でられる。
「っ……」
ドキッとする。
(こういうの、ほんとずるい )
だって——
(先輩たち、私のこと好きなんだよね)
それ、知ってる。
でも。
(私は……)
言えない。
「今日も俺ら目当て?」
まぜたが意地悪に聞く。
「……そうですよ」
いつも通り答えるけど、
本当の理由は言わない。
(好きだから、来てるなんて)
絶対言えない。
「ふーん」
少しだけ近づいてくるまぜた。
距離、近い。
逃げようとすると——
「どこ行くの」
軽く手首を掴まれる。
「逃げなくていいでしょ」
そのまま引き寄せられて、距離が戻る。
(ほんと無理……)
心臓うるさい。
その反対側で、
「顔赤いよ」
あっとくんが覗き込む。
「先輩のせいです」
思わず言うと、
「俺の?」
少しだけ楽しそうに笑う。
「じゃあ、もっと赤くなるかもね」
そう言って、わざと近づいてくる。
(わかっててやってる……)
でも、違う。
2人は——
(私が好きってこと、知らない)
だからこんな風にできる。
だから私は——
「……先輩たち、ずるいです」
小さく言う。
「何が?」
「言ってみて」
2人とも覗き込んでくる。
逃げ場、ない。
でも、本当のことは言えない。
「……なんでもないです」
誤魔化すと、
「絶対なんかあるでしょ」
あっとくんが優しく聞く。
その顔、ほんと反則。
(好きって言ったら、どうなるんだろ)
少しだけ考えて——
でも、すぐやめる。
今の関係、壊したくない。
だから。
「……先輩たちが優しすぎるからです」
それだけ言うと、
2人とも一瞬止まって——
少しだけ笑う。
「なにそれ」
「意味わかんないけど」
でも——
どこか嬉しそうで。
その空気が、少しだけ苦しい。
(ほんとは、もっと近づきたいのに)
でも言えない。
言ったら、全部変わりそうで。
だから今日も——
この距離のまま。
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