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「清が此方に来るとか言っててな、なら俺も良いかと思って、ついて来たようなものだ」
なんと迷惑なのでしょう。清さん(今の中華人民共和国に位置する場所にあった清帝国の化身)がかわいそうです。絶対脅されてきてるのですから。
「念の為に聞きますけど、それは、脅しでは無く、お願いですよね。旦那様」
そう旦那様(大英帝国の化身)のルビーの瞳を見つめながら聞きました。
「失礼な。あれはれっきとした“お願い”ですよ」
イングランド様が少し怪しげな、されどあの頃と変わらない嘘の笑顔を浮かべました。
「お願い、ですか。本当ですか?フランス王国さん、ヴィシーさん」
真偽を確かめる為にフランス王国の化身であるフランス王国さんと、ヴィシーフランスの化身である、ヴィシーさんに尋ねました。
「jeは、姉さんについていただけ。分からない」
無表情のまま答えてくれました。昔は、笑顔がキラキラしてる化身だと、西華(仏華)に聞いたことがあります。
ナチス・ドイツに占領されていた時の影響で、切り落とされた右腕は、決して戻ることが無いのだと語るように、中身の無い袖がヒラヒラと風に揺らされています。
腕が無い、なんて思いをして何十年も生きるのは、ドールだけで良いのに、化身であるヴィシーさんがこのような思いをするなんて、私達もまだまだ、力不足ですね。
「お願いねぇ、信じられない程殺気を感じたんだがな」
旦那様に向けて少し笑いながらフランス王国さんは教えてくださいました。
「フランス王国の言うとおりだな」
鼻で笑うようにスコットランド様はイングランド様を見つめてそう言います。
相変わらず仲がいいのか、悪いのか分かりませんね。戦争をしたあと、同盟を組むような人(国)ですから、仕方有りませんね。
「本当になんで来たんですか」
困惑と不安で偏頭痛が、、、。仏華はまだ来ないんですか?
「ごめ~ん!吉お待たせ〜」
パジャマ姿で出てきた仏華はいつもと違う雰囲気でしたが、矢張り、可愛らしいです。最近やっとお付き合いする事になりましたからね。本当に、この人達(国達)に邪魔されたくないんですけどね。
「はぁ~、もう冷えるでしょう。中にお入り下さい」
溜め息を一つ、その後に、五人(国)を家の中に入れた。
リビングには夕食を食べ終わったというのに、まだ、皆さん揃っている状態でした。
困ったものですね。これでは、旦那様達が変なことを言ってしまえば、これまでの努力は無駄になってしまう。
これまで、隠し通してきたというのに。