TellerNovel

テラーノベル

アプリでサクサク楽しめる

テラーノベル(Teller Novel)

タイトル、作家名、タグで検索

ストーリーを書く

シェアするシェアする
報告する


最近今までしていた仕事がようやく一段落したのもつかの間。

今度はまた新しいプロジェクトが始まることもあり、すでにそれ以外の仕事でバタバタと忙しくしている日々。

あれから『BLOOM』の店に通う余裕も、気持ちの余裕もあんまりなくて、あの日あったこともすでに忘れていた、ある朝。

いつも通り出勤すると新たなプロジェクトの説明があるとのことで、部長の元へ。


「部長。おはようございます」

「望月さん。おはよう。朝から早速悪いわね」


うちの部の部長は女性メインの商品のプロデュースということもあり、仕事も人生も経験豊富な女性の敏腕部長。

人の面倒見もよく、いつもいろんな相談にも乗ってくれる仕事でもプライベートでも頼りがいあってカッコイイ女性。

現在バツイチ。子供ナシ。

だけどバツイチになってから、仕事も順調で部長に昇進。

どうやら世間でよくある、一人になって自由になってから女性として逆に輝いて綺麗になっていくタイプの人のようだ。

そんな部長を見ていて、いろんな話を聞いていくうちに、結婚への憧れもどんどん無くなっていった。

男性がいなくても、結婚していなくても、女性一人の人生でも輝いていくのだと証明している人。


「新しいプロジェクトの話ですか?」


「そうなの。 今度新しく企画するプロジェクトなんだけど。うちの商品企画2部だけじゃなく商品企画1部と合同で最初から一緒に始めてほしいの」

「今回1部と合同なんですね。初めてですね、一緒にするの」

「なんだか今回は大きなプロジェクトらしいわよ~。そこで望月さんにはそのプロジェクトのリーダーになってほしくて」

「私ですか!? 」

「いつもホント色々お願いして申し訳ないんだけど。望月さんには期待してるのよ」

「それは光栄ですけど・・・」


そんな合同プロジェクトでリーダーなんて自分に出来るかどうかという心配が頭をよぎる。


「あっ、それでその企画1部との合同なんだけど、向こうからもリーダーを選んでくれるらしいから、望月さん一人だけでやってもらおうと思ってないからそこは安心して」

「あっ、そうなんですね。それならまだ安心出来そうですね」

「なのでそのリーダーとこれからは一緒に中心になって相談しながらこのプロジェクト進めていってくれるかしら」

「わかりました」

「商品企画1部の早瀬さんが向こうのリーダーだから、これから顔合わせがてら挨拶しに行ってくれないかしら」

「早瀬さん、ですね。了解です」

「望月さんよりも確か年下だと思うんだけど、向こうのエースで頼りにはなるみたいだから上手くやってちょうだい」

「年下でリーダーって、商品企画1部そんな若い人が頑張ってるんですね」

「まぁ向こうは男性メインで頑張ってる部署だから、うちとはまた違うのかもしれないわね」

「確かに。男性だと若い人の方がこの業界だとやりやすいかもですね~」


うちの商品企画2部は、主に女性ターゲットがメインの商品。

そして商品企画1部は、主に男性ターゲットがメインの商品。

その二つの部署が合同って珍しい。

今までにないパターンだな。


「とりあえずリーダー同士、先に顔合わせしておいて。また改めてそれぞれの合同チームを集めて会議の機会設けるから」

「わかりました。では、これから1部に顔出してきます」

「お願いね」


ちなみにうちの会社は商品企画1部と2部とはフロアが違うからあまり顔も合わせることもなくて。

商品ターゲットのコンセプトがそもそも違ったので、あまり関わる機会もなく正直同じ商品企画部でもどんな人がいるのかもよく知らないんだよな。

なのにそこと合同でしかもリーダー同士メインで進めろってなかなかのハードル。

しかも1部ということは男性か~。

まぁ年下みたいだし、そこはまだやりやすそう。


とりあえずそこから違うフロアの1部まで移動して到着。

入口の近くにいる人に声をかける。


「すいません、早瀬さんいらっしゃいます?」

「早瀬さん? ・・・いませんけど。何のご用ですか?」


たまたま声をかけたその女性は、なぜか少し攻撃的で、その場ですぐにいないと返される。


「あっ、いらっしゃらないなら大丈夫です」

「どういうご用件ですか? 私が早瀬さんに伝えときます」


と、言われても挨拶だけだし、まだ顔も知らないし、ここで用件伝えてもな。

この人、いやに攻撃的だし、そもそもちょっと伝えにくい。


「いえ。また出直します」

「また?どちら様ですか? 早瀬さんにどういうご用件でしょうか?」


可愛い顔して、なぜかずっと攻撃的に応対される。


えっ?私あなたに何かした??

出直すって言ってるのに、なぜにこの子はまだ攻撃的なのか。


「おい。藤川。お前何やってんだよ」

「あっ!早瀬さん! おはようございますぅ~」


おいおい。ちょっとその話し方の変わりよう、どうよ。

あまりの豹変ぶりに思わず目を大きくしてしまう。

背後から聞こえる声に反応して、急に女子モードで態度も話し方も変わるこの女子社員。

あまりの衝撃に思わず見入ってしまう。


「オレに用事だろ?なんでお前がそこまで入り込んでんだよ」

「だって~滅多に女性なんて尋ねてきたことないのに、早瀬さん名指しで気になるじゃないですか~」


いやいや。ここ会社でしょ。

誰か用事ありゃ尋ねてくるだろうよ。

この雰囲気の感じだとこの女子社員その早瀬って人、気に入ってる感じっぽいな。


「すいません。お待たせしました。早瀬です」


すると自分に話しかけて来たであろう言葉を確認して、後ろを振り返る。


「こいつが失礼しました。すいません。場所変えましょう」

「あっ、えっ、はい」


すると、振り返って顔を確認する間もなく、その場を移動することになって、そのまま促された方向へと方向転換する。


「もう早瀬さ~ん!冷たい~」


そしてその姿を見て案の定悔しがって猫なで声を出すその女性。

そんな声は無視するかのようにすぐにその場を離れ、私よりも随分身長が高いその男性が自分の前を歩いて先導してくれる。

背中越しに後についていき、廊下の角を曲がるとその女性も見えなくなって人影もいない場所でその男性が立ち止まる。


その流れで自分もその場で足を止めて声をかけようとしたら。


「ここまで来たらもう大丈夫」


その男性がそう呟いて背中越しにいたこちらへと振り向く。


「望月さん、ですよね」

「はい。・・・え? 」


あれ? 私自己紹介したっけ?

私この人と初めましてだよね??


「え?あ?私のこと知ってましたっけ?」


いや、私今回この人とは初めて仕事するはず。

だから今挨拶しにきたはずだよね確か。


「前にお会いしたことありました?」


いや、企画1部とは今まで交流なかったはず。

思い当たる節を遠い記憶辿りながら思い出してると。



「ええ。仕事は初めてですけど」

「ですよね? ん?仕事は?」

「そう。仕事では初めてだけど。オレたち前に会ったことあるから」

本気になってはいけない恋

作品ページ作品ページ
次の話を読む

この作品はいかがでしたか?

6

コメント

1

ユーザー

まさかの出会い!!この先の展開が楽しみすぎる!!

チャット小説はテラーノベルアプリをインストール
テラーノベルのスクリーンショット
テラーノベル

電車の中でも寝る前のベッドの中でもサクサク快適に。
もっと読みたい!がどんどんみつかる。
「読んで」「書いて」毎日が楽しくなる小説アプリをダウンロードしよう。

Apple StoreGoogle Play Store
本棚

ホーム

本棚

検索

ストーリーを書く
本棚

通知

本棚

本棚