テラーノベル
アプリでサクサク楽しめる
コメント
0件
👏 最初のコメントを書いて作者に喜んでもらおう!
朝、この壊滅的で世紀末な世界では、夜とほんとんど変わりない。
少し明るくなるだけだ。
シャドはまだ眠っている。朝だとは気づいていない様子だ。
アングレ「うーん、全く起きませんね…恐らく8時にはなりましたけど…」
アングレは昨日の夜、シャドを守るのに精いっぱいでずっと起きていた。
勿論、彼自身も眠たいと思っている。
それでも、彼女が自分で起きるまでそっと見守っていた。
彼女の眠りを妨げてはいけないと思い込んで、アングレは「眠い」と言うものを抑え込んだ。
彼はふと忘れかけていた事を思い出した。
アングレ「あっ!食糧の準備をしなくては!」
アングレはササっと走って倉庫に向かった。
昨日シャドがバグバグと貪っていたが、それでも食糧は9割ぐらいは残っている。
しかも数年放置さえしなければ腐らないぐらいには余裕がある。
食糧が入った箱を運び、寝ているシャドの横にそっと置いた。
数分後、シャドは目を覚ました。
アングレ「おはようございます、シャドさん。」
シャド「…おはよ」
元気がなさそうな顔と声をしている。
昨日あれだけ食べたのに、苦しみは少し薄れたと言ったのに、病人のように青ざめた顔をしている。
アングレはシャドを心配する。
アングレ「シャドさん、大丈夫でしょうか…?」
シャド「…悪い夢を見たんだ」
アングレ「どんな夢でしょうか?」
シャド「私が滅ぼされる前の皆から襲われる夢…皆刃物や鉄砲を持ちながら私を襲ってきたの…」
夢にしては物騒な内容だ。悪夢の方だろう。
どうやら今まで食糧や住まいを探し求めてストレスが溜まっていた上に過去の嫌な事が重なってしまったらしい。
「可哀想」と「守りたい」と言う感情が混ざったアングレは、シャドを優しく包み込んで抱きしめながら、彼女の頭を撫でた。
アングレ「辛かったでしょうに…悪夢に苛まれたのですね…」
シャド「…」
シャドの目から一粒ずつ雫が落ちる。
アングレの優しい包み込み…そして自分の事を大切にしていると伝わる優しい声…
シャドも彼の事を抱きしめた。
アングレ「フフフ…シャドさんの過去については詳しく知りませんが、どんな過去をお持ちであろうと、ワタクシはシャドさんを大切にしますよ…」
シャド「うん…ありがとう…」
アングレ「では、起きたことですし食事でもしませんか?ご飯を食べれば元気が出るはずです!」
シャド「…」
シャドは少し考えている。
アングレ「シャドさん、どうしたのでしょうか?」
シャド「アングレも一緒に食べないの?」
アングレ「…!」
アングレは驚いたかのように目を見開いた後、頬を赤らめた。
人間に初めて優しくされて照れているのだろう。
アングレ「フフ…ありがとうございます…!」
シャド「じゃあ食べようか」
アングレ「では、いただきます…」
アングレは頭の花で食糧を包み込んで食べた。
シャドは驚くも、彼に対する興味が更に沸く。
食糧を食べ終え、お互い腹が満たされた。
アングレ「ごちそうさまでした…!」
シャド「うん、美味しかったよ」
アングレ「ええ、そうですね!ワタクシはシャドさんと一緒に食事が出来て更に幸福を感じました…!」
シャド「私も、貴方とご飯を食べて楽しかった…」
シャドは今回の食事でアングレの事をもっと知りたいと思い始めた。
こう思い始めるのも、今日の朝に優しく抱きしめてくれた事と、彼の食事の仕方を見たのがきっかけである。
彼は初めて会った時同様、謎が多いままだ。
何故人間に興味を持っているのか…何故優しく接しているのか…
何故…“人のような体を持ち始めたのか…?”
「きっと、アングレと過ごしている内に色んな事を知るかもしれない」と信じながら、1日を過ごした…