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あくねこ夢小説※主様出てきます。血の表現ありなので苦手な方はスキップ推奨します。『貴方のナカマデ愛してる。』〜狂った愛と歪んだ執着〜
EIGHT story サヨウナラ
あぁ。なんて幸せなんだろう。
好きな人に抱かれて、死を迎えるのは。
主様…私は貴方をこのまま死なせてしまうのですね。…でも、貴方が他の誰かに目移りする位ならいっそのこと死んでしまった方がいいのかもしれませんね。
……ふっ。走馬灯か。そんな非科学的なもの。信じてなかったのにな。
『ルカス、ルカスのためにパウンドケーキを作ったんだけど…一緒に食べない?』
『いいの!?やったぁ!』
私の前に現れた優しき太陽のような人。
『来たれ、闇の盟友よ。我は汝を召喚する。ここに悪魔との契約により、ルカスの力を解放せよ。』
私が守りたいと誓った尊い人。
『いつもありがとう。ルカス。』
私が初めて心を奪われた人。
『……。』
ダメだ。ここで死なせては惜しい人。
私は涙を流し、主様をぎゅっと力強く抱きしめた。
『……る、ルカス…?』
…主様。どんなに離れていても私は貴方を愛しています。生まれ変わっても、私のことを好きでいてくださいね。
ギュウ――。
『え――っ。』
――グシャッ
私はあの後、目が覚めたら屋敷にいた。
元医者であるミヤジが治療をしてくれて、
他の執事も付きっきりで看病してくれたらしい。
『…みんな、ありがとう。ねぇ、ルカスは…?』
『…ルカスさんは即死でした。あの高さの崖から落ちたので…。』
『そっか……。』
(どうして私は助かったんだろう。あの時ルカスが私をぎゅっとちからづよく抱き締めてくれたから…?)
『ボスキ…ごめんね。』
『謝るなよ、主様。俺はもう大丈夫だ。』
『うん…。』
『主様の方が重症なんだ。今はゆっくり休め。』
『うん、ありがとう…。』
私はゆっくり目を閉じた。
一連の事件からしばらく経ったデビルズパレスは少しずつ前のパレスに戻りつつある。
庭の管理は別邸組が務めることになり…。
テディは薔薇を植え…ユーハンとハナマルは東の大地出身ということもあり、桃の花や、
色んな花が植えられた。だけど変わらないのはアモンが大好きだった薔薇は欠かさず植えられている。
コンコンっ。ギィィ…。
『久しぶりだね、ベリアン。』
『フィ、フィンレイ様…。』
『主の容態はどうだい?』
『はい、日に日に回復はしています。ですが…心の傷というのは中々癒せないものですね。』
『あぁ…。でも、主なら大丈夫だ。主は強くて逞しいのがいい所だからね。』
『ふふ、そうでした。主様の部屋までご案内しますね。』
『あぁ。』
コツコツ…。コンコンっ。
『はい。』
『主様。フィンレイ様がお見舞いに来てくれました。』
『!』
ガチャッ
『久しぶり、悪魔執事の主。お見舞いに来たよ。』
私は花と果物を抱え、主の前に立つ。
『フィンレイ様…。ありがとうございます。』
『ベリアン、主と2人にしてくれないか?』『はい。かしこまりました。』
パタンッ
『…色々と辛いことはあると思うが――今は君の身体を大事にしたまえ。君の執事達も心配していたからね。』
『はい。分かってます。』
『ルカスのこと…辛かっただろう。目の前であんな…。』
『…ふふ。いいえ。辛くはありません。』
『…え?』
『だって私は…生まれ変わったんですから。』
『…っ――!?』
一瞬主の目がルカスの目に擬態したような気がした。
バサッ
持っていた花と果物を落とす。
『……ふふ。』
私はルカスの黒いリボンをギュッと握り締める。
『愛する人の身体に生まれ変われるなんて…なんて幸せなんでしょう。私はこれから主様として生きていきます。…どうしてルカスが1番私のことを生かしたのか分からない…でも、これでずっと一緒にいられる――。』
『っ…!』
『大好きだよ\ですよ。ルカス\主様。』
次回
Final story ソノゴノフタリ