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ここは現実の世界だ。
谷川さんは定年退職をして、南米へと向かうために必死に頑張っていた私を正社員へと推薦してくれた。
みんなは今、どうしているのだろう。
日本語の勉強をしたジュドルから手紙が来た。二グレド族の村にも朝がきたようだ。
あの後、二グレド族のバリエ率いるシャーマンたちの力も借りて、世界の現実を少しずつ取り戻していった。現実はパズルのピースのように狭い空間が幾つもある感じだった。それを一つずつウロボロスの力で繋ぎ合せるという作業をみんなとやった。
まだ16時か……。
中村・上村はいつもと変わる所が無く。上村はやっぱり禿頭。中村はメタボ。
仕事中の雑談はなかなかに面白く。つい正社員になっても、話に割って入ってしまう。
「それでさー。この間の奴。休憩時間に煙草を吸いたいからとトイレへ行かなかったんだぜ。それで、仕事中に便意を催したのか、そわそわしだしてトイレへ行こうとしているんだぜ」
中村が上村と話している。
「仕事中だってのにさ。一発、ケツを蹴ったらどうなるか。やってみたかったぜ。それでさー」
私はウロボロスの蛇で現実を修復している時から、この世界に漠然とした疑問をもち始めてもいた。
二階へと上がる。
私は二階の管理室へと入り、パソコンと睨めっこする日を今でも享受している。
定時まで後、一時間。真理はどうしているのかな。あの悪夢から正確には1年6カ月。まだ結婚をしていないが、同居をしていた。真理は、何かを警戒しているのだろう。
真理との同居は、感慨深いのも事実だったが。