〘 📢seed 〙
空は藍色へと変化していく、それと同時に段々と周りの温度が下がっていくのが分かる。
双方が互いに見つめ合い、何も発さない時間が続く。
俺と🍵の胸ポケットに入っている携帯からは通知音や電話がかけられている音が、静かなこの空間に只鳴り響く。
携帯の明かりは点滅し、真っ暗闇に包まれる。
🍵「……俺は、やだよ。」(泣き目
震えた声で、🍵にそう言われた。
だけど俺の心は変わらなかった。
📢「………ッ、もッ……いぃだろ、ッ?」(泣き目
📢「俺ッ、、頑張ったでしょッ?」(泣き目
🍵「うんッ、。そうだねッ……頑張ってたッ、。」(泣き目
📢「ッ…ならッ!!…ならもうッッ!!!!」(泣き目
📢「死なせてくれよッ………」(泣
📢「楽にさせてくれよッ、……」(泣
目の縁に溜めていた涙は零れ、俺の頬を伝って地面に落ちていく。
🍵の顔がぼやけて見えなくなっていく。
声は掠れ、どんどん弱くなり、言葉が詰まる。
🍵「俺がッ……俺がもしッ、📢くんの弟ならッ、、死ぬのはやだよッ!」(泣
🍵「耐えらんないよッ!!!」(泣
🍵は感情を高ぶらせ、涙も零れ落ちていて、言い終わったあとは、ぼんやりとだけど唇を強く噛んでいたように思えた。
🍵の言葉は確かに俺の心に届いて、同感できた。けど……俺の気持ちは天秤に乗せるとどうしても “死にたい” 。その気持ちが勝っていた。
📢「俺をッ、、俺を欲するやつなんてい”ねぇ”よッ”!!」(泣
📢「どーせ俺はッ、兄弟にはッ…夜遊びしてる兄だって思われてるッッ!!!!」(泣
📢「そんな兄が死んだってッ!どうにもなんねぇよッ”!!!!」(泣
俺は、🍵の言葉に対して反抗した。
実際🍵が言っている事の方が正しい。
けどどうしても、どうしてもそれを認めたくなかった。
流れる落ちる涙を俺は拭うことも出来ず、地面には丸い形を描き、落ちた地面の色を濃くする。
手は既に言うことを聞かないほどに冷え、思うように動かない。
息を吐くと同時に出てくる白い息が俺の心をただ虚しくした。
🍵「……本当に、そうなのかな、」(泣
少し沈黙が続いた後、言葉を落としたのは🍵で、その内容は、俺の予想斜め上をいった。
📢「……ッそうだろ、」(泣
高ぶっていた感情が静かに納まっていくのが、雰囲気からして分かった。
🍵「……俺は、違うと思うッ。」(泣
🍵「🎮くんッ、前言ってたもんッ」(泣
🍵「……🎮くんに、ッ聞いた事……あるんじゃないッ、?」
📢「ッッッ……」
-回想-
少し暗い中7色以上に点滅するテレビ。愉快なBGMが耳に残る。
📢「……なぁ🎮、。」
🎮「んー?何〜」
📢「俺って……この世に必要かな、」
🎮「必要」(即答
🎮は確かにゲームをし、テレビに釘付けになっていたが、俺の質問に迷いなく答えた。
🎮「………俺、📢兄の弟に生まれてよかった。」
📢「ッ……!」
🎮「📢兄達の弟以外に生まれたくないッ」
🎮「もしッ、この兄弟の誰か一人でも欠けたら俺もその後を追うッ」
🎮「それくらい、、俺は兄弟が大好きでッ、大切なのッ」(泣き目
🎮のゲームする手は止まっていない。けど、声色からして、泣きそう。というのだけわかった。
そんな🎮の姿を俺は嘘だと思えない。
俺のどす黒く輝く心が微かに浄化されたように思えた。
-回想終了-
📢「………ッッ」
🍵「まだッ、生きようよッ……」
🍵「”兄弟だけの為”に生きてみようよッ!!」
📢「ッッ……!!」
🍵の「兄弟だけの為」。その言葉俺の心に強く刺さった。
俺は……ずっと彷徨い続けていたのかもしれない。導けない自分の生きがいに。
けどそれは今変わった。
俺の生き甲斐は〖兄弟〗。彼奴らが居ること。
気づけば俺は、屋上の端を飛び出して🍵に抱きついていた。
涙は溢れ落ち、それと同時に俺と🍵は抱き合いながらも膝から崩れた。
📢「ッぅっ…ぅ”ぅっ”…」(泣
🍵「ッ………」(泣
俺は声を漏らしながらも泣いた。
🍵は何も発さないし、言わないけど、静かに泣いていることは分かった。
冷えていく一方の外でも、俺らは暖かくて、寒さなんて一つも感じなかった。
📢「………なぁ”🍵、。」
🍵「ん”、?なに…?」
鼻が詰まって喋りづらい。声も少し掠れている。
📢「🍵も……いじめ受けてるんだろ”、?」
🍵「………バレ”てたッ、?」(微笑
📢「んーん”」
📢「虐めっ子から教えてもら”った」
🍵「ッ……」
📢「それでッ、」
📢「«嗚呼俺、なんも出来てなか”ったんだ»ってッ、」
📢「もうッッ……やになってッ、」(泣
散々出したはずの涙がまた零れ落ちてくる。
必死に涙を拭うが、零れ落ちる涙は止まらない。
🍵は優しく俺の頭を撫でた。 暖かい手で包み込んでくれた。
そのせいで、止まる涙も止まらぬ涙になってしまった。
ようやく俺が泣きやんだ時、🍵は笑いながら、笑顔を見せながら俺に微笑んだ。
そして、口を動かした。
🍵「じゃあお互い様ッ!」(笑 浮
📢「えッ、、?」
🍵「どっちも……虐められてたから」(微笑
📢「……ふはっ」(微笑
📢「何それ*……*w」
🍵「でもいーじゃん?w」
📢「まっ!それもそっかw」
🍵の考えは少し不思議だが、不思議と笑えて、自分の何かが吹っ切れた。そんな感じがした。
冷たいコンクリートの上に寝転び、屋上から見える煌めく星々を只々眺める。
🍵とはぎゅっ、と離さないように強く手を握っている。
📢「………そろそろ行くか。」
🍵「うん。帰ろ、家に。」
真夜中の夜。高校生2人で、昔は仲が悪かった2人で、家への帰り道を一歩一歩進める。
寒さは最低気温にまでなっていたが、🍵が居るおかげなのか。不思議と寒くは無い。
……でもちょっぴり寒いかも。
家に着き扉を開けると、ドタバタと音を立てて、兄弟達がやって来た。
その顔は心配していたが、俺らの顔を見るとほんのり暖かい笑顔になったような気がした。
〘 🌸seed 〙
業務のタスクを終わらせた後、家に帰宅した。
………が、何時もより家の雰囲気は暗く、どんよりとし、不安……というより心配に溢れているようだった。
🌸「……どした?」
👑「📢兄と🍵兄が帰ってきてないんよッ!!」
🌸「はッ……??」
🎮「どんだけ携帯鳴らしても繋がらんくて……ッ、」
唖然だった。📢はまだしも、🍵まで繋がらないなんて思わなかった。
🌸(なんで、なんで……)
🌸(言ったじゃんッッ………なんかあれば相談しろってッッ………)
よくよく考えれば分かる話だった。
次男である📢が、特に負担がかかっている兄に対して言わないことなんて。
不安が積もる中、俺の足は玄関に向かっていた。
☂️「どこに行くの🌸兄ッッ!!」
🌸「探してくるッ、」
☂️にそう告げ、玄関に置いている靴を履こうとした時___
ガチャリと音を立てて、玄関の扉が開いた。そこからは、2人の姿があった。
2人の目尻はとても赤くて、その時だけは、泣いたんだって分かった。
でも、俺にはもう1つの考えが浮かんできた。
また……… 🍵が📢を救ったんだって、思ってしまった。
2人の距離はグンと近づいていて、傍から見ればもう本当の兄弟だと思えた。
🌸「………」
俺以外のみんなは2人を心配するかのように駆け寄り、何があったのが質問していた。
けど2人は口を開かなかったけど。
その時、俺はただ独り。置いていかれた。
俺は、誰も助けることをできない。救うことも出来ない。
ただ自分のことしか出来ない兄でしか無かった。
俺は、彼奴を、🍵の姿を見て改めて、自分の無力さを実感した。
こんな俺なんて、居なくなってもこいつらはやって行けるんじゃないか。
🍵さえ居れば、やって行けるんじゃないか。
自分なんて居なくても___
そこから考えるのをやめた。次、考えてしまえば俺は、本当に消える存在になってしまいそうだったから。
暖かい空間の中、俺一人だけが冷たさを放っていたように思えた。
玄関の明かりは点滅しながらも俺らを照らす。
その明かりは、今の俺にとっては充分すぎるほど、要らないものだった。
20話 何の為 _ 𝐟𝐢𝐧𝐢𝐬𝐡
コメント
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ってか今更ですけど、1話1話が長くてとても嬉しいです✨続きも楽しみにしてます!

🌸くんも📢くんも必要不可欠すぎるよォ!そんな悲しいこと言わんといてぇ〜😢
続き待っています