「ここは…」
私も知ってる…見覚えがある。あの公園…あの日の公園。まさか…
沙恵が口を開く。
「また、来れた…あの子は、どうしてるんだろう。」
やっぱり…あの子。泣いていた子だ。
「会いたいなぁ。」
「もう…会ってるよ…沙恵。」
「花織?君なの?あの日…あのベンチで、私を慰めてくれたのは…」
「そうみたい。記憶が、一致してるから…」
その時、辺りが暗くなる。待ってましたと言わんばかりの、日食。一瞬だった。そして、明るくなった時、目の前に、さっきまで私だった人が目の前にいた。
「戻った…?」
「どうして…急に…?」
「もしかして……いや…違うかなぁ…。」
「言ってみてよ。」
「二人が会うためかなぁって思ったけど…」
「過去の出来事が忘れられない誰かさんがいたのか…」
「っ!?」
「図星だな。」
「影斗、鋭すぎ…。」
「そりゃどーも。」
「褒めてない!」
実感はしてた。でも…いざ目にすると、改めてこの二人はとても仲がい良いんだなぁって思ってしまう。
「花織…覚えてる?あの日のこと。」
「うん。覚えてる。ベンチで泣いていた君に、話しかけた。そして…」
「そして、私に、大丈夫だって言ってくれた。1人だったから、あと、親に、見放されてしまったから。とても……」
「後で、私の親が来て、沙恵は、1人で帰ったんだっけ?」
「うん…あの日のことがあったから…」
それから、沙恵の隣に座る。沙恵が言う。
「連絡先、交換しよう。またすぐに、電話できるように。」
「分かったよ。」
交換し終えると、彼女は立ち上がる。空が、紅く染まってきている。
「帰らないとね。花織、香、またね。」
「うん。またね。影斗も。」
「ああ。」
「またね!」
私達は、電車に乗り、家に帰る。
あの2人と再会するのは、すぐだった。気づかなかった。今まで。いや、制服を見た時点で、気づくべきだった。同じ学校に通っていた事を。
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