「おはようございま〜す」
渡辺が楽屋の中に入って来ると、何やら隅の方でラウールと目黒が盛り上がっている
『あれ何?』
ジェスチャーで、側に居た阿部に聞いてみると
勉強中だった阿部は、問題集から顔を上げ…肩をすくめて
『さあ…』
と、返してくれた
「………」
気になった渡辺は、2人に近付いて行く…
「絶対、大丈夫だって」
「えっ…でもさぁ」
「何が問題なの?」
「問題って言うか…ねぇ…」
「あ〜もう、ハッキリしないなぁ…」
近付いて見ると、2人で盛り上がっているというよりは…
ラウールが目黒を質問攻めにして、楽しんでいる様にも見える
「何々?何の話?」
気になった渡辺が声を掛けると
「あっ!しょっぴー良い所に!」
ラウールは誰かに言いいたくてウズウズしていたのか、満面の笑みで迎え入れてくれた
「あのね、翔太君…」
「ちょっ…ラウール!」
目黒が止める間もなく
「めめ、気になる人が居るらしいよ!」
渡辺に話の内容を暴露した
「気になる人?好きな人の事?」
「そうそう!甘酸っぱいよねぇ〜」
ウットリしているラウールを他所に、渡辺は目黒の顔をジッと見た
「うん、だけど自信が持てなくて…」
ここで話題を変えるのも怪しまれそうな気がして…仕方なく話を続ける
「目黒なら、誰でも喜んでOKしそうなものなのになぁ…」
国宝級イケメンの目黒は、万人受けしそうなタイプに見えた…
それとも、その相手は何か意外な嗜好の持ち主か?
まさかその相手が自分の事だと思っていない渡辺は、色々と勝手に想像してしまう…
「翔太君、それ本当?」
本人からの太鼓判に何だか希望が湧いて来た
「大丈夫だって…目黒が良い奴だって事は、俺達が1番よく知ってる。自信持っていけば上手く行くさ」
少しでも悩んでいる目黒の力になれたらと、渡辺は出来る限り励ました
「そうそう、翔太君の言う通り」
渡辺の言葉にラウールも隣で頷いている
「2人共ありがとう!俺がんばってみるよ」
きっと本人が言うのだから間違いないのだろう
勇気が出て来た目黒は、満面の笑みでそう告げた
コメント
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やーん!待ってました😍