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ピチャッ・・・・・
液体が床に滴り水面に円が広がる。
蝋燭が怪しげに揺れた。
水面が赤く光を反射させている。
カツン カツン
靴が石畳の床を鳴らす。
薄暗く細い洞窟のような場所に点々と置いてある蝋燭だけが照明となっている。
奥からぼんやりと人影が現れた。 その人物はゆっくりとこの場所を進んでいく。
・・・少し進むと開けた場所に出た。
また蝋燭が点々としているだけだが、他の場所よりは明るい。
その理由はこの空間の中央にある大きい木なのだろう。 うねうねと幹が曲がりくねり横に大きい。その木に生えた葉の隙間からちらちらと丸いあたたかな灯りが見える。
この樹木の下に根に隠れるように扉があった。
この人物はその扉に手をかけた。
ゆっくりと開けると中は円形状になっていて木の香りがする。 大木の中をくり抜いた場所なのだろう。
その壁を覆うようにぎっしりと本が並べられている。 古くて厚みがある本ばかりだ。
黒いマントを揺らし一冊を手に取る。 真ん中の椅子に腰をかけ本を開いた。
少しパラパラとページがめくられ数十ページのところで止まった。
この世界にはニンゲンと人外という2つの高度な知力を持った種族がいた。
人外もその種族ごとに暮らしており他の種族と関わることはほとんどなかった。 それでも生きていけた。 つまり、各種族ごとに一定の数がいたのだ。
大昔、ニンゲンと人外は別々の場所で繁栄していた。 しかし、繁栄していく過程でもっとたくさんの土地が必要になった。
両者は土地を広げ、開拓していった。
そして、出会ってしまったのだ。
当然そこから争いになった。 この戦いは人外側の圧勝に終わった。
しかし、人外達はニンゲンと人外が助け合い、平和に暮らせるようにしたい言い出した。 ニンゲン達にとってはとても好都合な提案だった。 それもそのはず、戦争に負けバケモノたちに支配される可能性もあったのだ。
ニンゲン達はそれを受け入れ、、、
そこから、一緒に繁栄していくと思われた。
しかし、ある夜ニンゲン達による予想外の反乱が起こった。
ニンゲン達はそのままその時の人外の王を殺した。 その重臣も殺した。 その国に住んでいた人外達も全て殺された。
人外達はニンゲンを疑わなかったのだ。
その結果、ニンゲン達に虐殺された。 ニンゲン達は人外を追放した。
この時期から人外への迫害が始まり、 大幅に人外の数が減った。
そこから数千年、、、
人外はニンゲンに迫害され続けてある時悟った。
自分達が平等に暮らせるようになるには 自分達で国を作る以外に方法はないのではないか。 そこから、人外達はそれぞれの地域、場所で人外だけの国を作った。
もちろんニンゲンの国と戦争になったりもした。 でも、人外はニンゲンより優れていた。 各地の人外の国は着々と力をつけていった。
しかし、ある時 ニンゲンは人外よりも優れた団結力で、いくつかのニンゲンの国と協力し人外の国を滅ぼしていった。 今ある人外の国は数えられるほどしかない。
その中で1番栄えている国、
『キアノース』
世界屈指の大規模な軍事産業国家だ。
この国には「青」と呼ばれている8人の人外がいる。 その8人に加えて他6人、計14人の人外がこの国の幹部である。
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そこまでページがペラペラとめくられていたが 不意に止まり、 この人物が本から目を上げた。
そっと本を閉じ、横にあるテーブルに置く。
肘掛けに肘を置いて頬杖をついた。 滑らかな唇が弧を描く。
フッ
蝋燭の灯りが揺らいで消えた。






