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MV撮影日当日のAM3:00、車内は暗くて、外はまだ真っ黒。運転席と助手席の明かりも落として、ほんのりとスマホの光だけが浮かぶ。
太智と柔太朗は小声で「おい、それやばいだろ」って笑ってて、後ろの3人席はわちゃわちゃした空気が漂っていた。
真ん中に座ってる仁人はというと、レコメン終わりで0睡眠。
シートに深くもたれて、早々に寝息を立てていた。
「……あー、やっぱ寝てるわw」
勇斗がちらっと隣を見て、思わず笑みをこぼす。
その直後――車が少し揺れて、仁人の頭がコトン、と横に傾いた。
「まって?!じんちゃん俺の方きたんやけど!」
右隣の舜太が声を抑えながら叫ぶ。
「ちょまって?!最悪やねんけど〜〜!!笑笑」
肩に完全にもたれかかる仁人を見て、深夜テンション全開で大騒ぎ。
すると即座に勇斗の大きな手が仁人の頭を掴んだ。
「おーいーー、舜太ーーー!!??!?!俺のじんとなんだけど!!」
そのまま、ぐいっと力強く自分の肩へと引き寄せる。
車内は「まってwwおまえ力つよすぎやって ww」「じんちゃんの首いまやばかったよ?www」と大騒ぎ
仁人の頭は、ごつんと勇斗の肩に固定される。
「はい、ここ。じんとは俺専用。取んな」
ニヤニヤしながら仁人の髪を撫でる勇斗に、舜太は「なんやそれ!!」と小声で抗議するけど
当の仁人は、全く起きる気配なし。
口を少し開けて、完全に深い眠りに落ちていた。
「……ほんま爆睡やな……」
太智が呆れ混じりに笑うと、勇斗は「だろ?可愛いだろ?」と肩を貸したまま、ドヤ顔。
太智は「かわいくはない」となにやら小声でツッコんでいる。
勇斗の肩に頭を預けて眠る仁人は、長時間の疲れが溜まった顔で、それでもどこか安心したような穏やかな寝顔をしていた。
「そろそろ着くんで、仁人くん起こしてあげてね」
運転席のマネージャーさんが振り返って言った瞬間、後部座席の4人は顔を見合わせた。
「え、うわまってよ、がち?」
真ん中で仁人の頭を抱え込むように肩を貸してる勇斗が思わず声を潜める。
仁人はありえないくらい寝起きの機嫌が悪いのだ。
「そらそうやろ!仁ちゃん完全にはやちゃんに預けとるやん!」
舜太が笑いながらひそひそ。
太智と柔太朗も「うわー起こしにくそ笑!」「絶対機嫌悪くなるやつ」と小声で盛り上がる。
勇斗はため息をつき、そっと仁人の肩をゆさゆさ。
「……じんとー。着くぞー。起きろー」
反応はない。
寝息がふわっと肩にかかるだけ。
もう少し強めに揺さぶると、ようやく仁人が眉をしかめて小さく唸った。
「……ん…、まだ……」
「だーめ。着くって。ほら、起きろ」
「……はー、なんだよ……」
半分目を閉じたまま、不機嫌そうに低い声を出す仁人。
その顔を間近で見て、勇斗は思わずニヤけそうになる。
「なんだよ、じゃねーの。着いたんだって。」
「……うるさ」
寝起きの仁人は完全に甘噛みモード。肩から頭を離そうともせず、まだ勇斗に寄りかかってる。
「かわいいww」「寝起きの仁人ぶりっ子すぎだわ」
前の2人は小声で爆笑してるけど、勇斗はそれどころじゃなかった。
「おーい、仁人。起きろ。……可愛すぎだぞ♡」
耳元でそっと囁くように言うと、仁人は「……がちうるさい……」と言ってそそくさと勇斗から離れる。