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〜 side 小柳 〜
身体中が痛い
さっきのローレンさんとの行為もあるが、今日の仕事中の傷痕も痛む
こっそり薬を取りに行き飲むと静かにベッドへ戻った
俺が抜けたあとにベッドで空になったローレンさんの腕が俺の身体を見つけ、また背後から抱きしめられる
起こしたかと様子を見るが、そのまま寝息を立て始めた
戻ったベッドの中で左手を空にかざした
左薬指の指輪を右手でクルクルと回す
いつ外したっけ‥‥?
水回りの事しようとして置いたのかも
忙しくて記憶力まで低下してる
仕事にまで影響出始めたら最悪だ
気づくと腹が減っているように感じたが、もう起き上がるのも面倒だ
何度も出入りしてローレンさんを起こしたくないし
そう言えば今日のローレンさん
何だか不機嫌だった
それは俺のせいかも‥‥
足を引っ張りたくなくて気をつけているつもりでも、それが空回りになったみたい
俺の頑張りじゃ足りないかもしれないが、少しでもやれることがあるならやらないと‥‥
瞼を閉じた瞬間、深い眠りに落ちる
まだ考えたいことはいっぱいあったのに
日中、事件処理を終えて警察署に戻ろうとすると一台のパトカーが俺の横に止まった
窓が降ろされると元気な声が聞こえる
「ロウ戻りか?」
「あぁ、ここは片付いたよ、マナ」
「あれ?ロウ‥‥お前飯食ってる?」
「え?飯?‥‥食べ‥‥てるけど?」
「なんや、その間。食ってない奴の言い方やぞ?顔色悪そうだけど大丈夫そ?」
「あぁ、何ともないよ。日陰だから暗く見えてるだけだろ」
「そうかな‥‥まぁこれでも食べときな」
窓から放り投げられたものを慌てて受け取る
「じゃあな、先に署に戻っとくで」
「これ、サンキュー」
受け取ったグラノーラバーをダッシュボードに入れる
お腹空いた時にでも出して食べよう
それにしても、今の事件も俺のエイムが悪いせいで散々だ
今日は少し早く切り上げて、射撃場で調整しよう
結局暗くなってから射撃場に向かい、家に着く頃にはいつもと変わらない時刻になっていた
もう慣れた
静かに部屋の中に入る事
速やかにシャワーを浴び、明日の準備をする
ベッドに向かうとローレンさんは横向きで眠っている
静かにシーツを捲り、ローレンの背後に入り込む
そっと背中に触れようと手を伸ばす
「‥‥帰ったなら声かけろよ」
「あ、‥‥寝てるかと‥‥」
振り向かないまま声をかけられる
「おやすみ」
「‥‥おやすみなさい」
俺はローレンさんに触れることは出来ずにゆっくりと背中を向けた
きっと疲れているんだ
それか、また俺が何か気に食わない事でもしたんだろうか
その夜
初めて俺達は背中合わせに眠った