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この国の南端と北端。
対極にある地に生まれた魂は、
いかにしてこの“日本”という名の舞台で、自らの存在を証明するのか。
――海を越え、空を越え、魂が交差する。
_______本州上空・雲海
空に浮かぶ異空間。
地脈の狂いで生まれた“浮遊領域”――重力も時間も乱れる、戦闘特化の天空ステージ。
そこに突如、二つの力が交錯する。
一方は太陽と共に舞う舞踊のような動き。一方は静寂と共に忍び寄る氷刃の気配
赤と黒の伝統衣装。しなやかに風に乗りながら、三線を奏でる少年。
指先には祈り、足元には風。その姿は戦士というよりも、舞い手。
沖縄:風ぬ声、聞こえたさ……この空の上でなら、ようやく“自由”になれる気がするわけ。
《うちなーんちゅ(UCHINANCHU)》
リズムを力に変換。
技は自由自在、型を持たず、攻防すら“踊るように切り替える”。
「これが、“風”の戦い方さ。」
空の向こう、氷の刃がすれ違う。
冷たい吐息とともに現れる影――白銀のコート、冷徹な双眸、そして無駄のない動き。
北海道の戦いは静かで、重い。
北海道:……気温、低下完了。外気温、マイナス42度。戦術起動、零式。南の自由など、吹雪でかき消す。
《極北圏域(ノースサンクチュアリ)》
北海道の気候と地理を圧縮・展開する“極寒の戦術領域”。
空間を冷却し、相手の反応速度・意識すら凍結。
沖縄の動きは風そのもの。
三線の旋律が空間に波紋を走らせ、空中に“無形の足場”を作り出す。
それを駆けるように、舞いながら攻撃を仕掛ける。
沖縄:ほら、ついて来れるかね?いちゃりばちょーでー、ってな!
北海道は動じない。
彼女の周囲の空間が静かに凍り、音すらも“凍結”する。
北海道:無意味だ。熱も、感情も、ここでは凍る。
沖縄の周囲の風が止まる。
舞のリズムが奪われる――だが、彼は笑う。
沖縄:「なら、ちむぐくる、聴かせてやるさぁ。」
沖縄、肩を斬られ血が舞う。
沖縄:冷たいねぇ、ほんとに……でもな、“冷たい”ばっかじゃ、誰も寄ってこないさ。
北海道の手が止まる。ほんの一瞬――その隙に沖縄が肉薄。
三線を強くかき鳴らし、風が逆巻く。
沖縄「――魂、込めるで!!」
《舞魂解放・首里ノ嵐》
空が海のように波打ち、島の精霊たちが出現する幻想的な光景。
北海道「《零葬》」
全空間が“完全無音”となり、思考も、動きも、時間すら凍るような空間が発動。
空が割れ、二人の力がぶつかり合う。
風が止まり、雪が落ちる。
そして――二人は空から落ちていく。