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番外編19 『主様がデビルズパレスに全然帰ってこない』後編2
🕯
ミヤジと私は食堂でご飯を食べていた。
『お待たせ、主様。主様用に辛さは押えてるから。ゆっくりお食べ。』
『うん!ありがとう!』
私はミヤジ特製香辛料スープを飲む。
『うん、美味しい。』
『それは良かった。辛くないかな?』
『うん、凄く美味しい。』
(ミヤジの特製香辛料スープ疲れに効くんだよね…だからこれくらい辛い方がいい。)
( ˶ˆ꒳ˆ˵ )ニマニマ
『ふふっ。嬉しそうで何よりだよ。』
『うん!ありがとうミヤジ。ミヤジも実は私と会えなくて寂しかった?』
『…執事としての立場なら主様にも主様の生活や仕事がある。だから、寂しいとは言えないが……。今だけ執事としてではなくできるのなら……』
ミヤジは私の頭を撫でる。
『凄く寂しかったよ。主様の居ない屋敷は…蝋燭の日が消えたようで…静かでね。』
『ミヤジ……。』
『だから帰ってきてくれてありがとう。』
『っ……うん。ただいま。』
私はニコッと微笑んだ。
『…私としたことが、素直になりすぎてしまったな。』
❤️🩹
地下執事部屋 ラトのベットの上
『もうしばらくこのまま離しませんからね。』
ラトに後ろから抱き着かれて身動きが取れない。
『ラト…。わかった。ラトが満足するまでここにいるよ。』
『クフフ、ありがとうございます。』
(´。•ω(•ω•。`)ギュゥゥゥゥゥ
『少し力強い…かも。』
『だって…。主様がいなくて寂しかったんですよ。だから主様に会えない寂しさを埋めるため、フルーレに構ってました。』
『フルーレに?』
『はい。フルーレを追いかけ回してました。』
(気の毒に…後で謝っておこう。)
『本当に…寂しかったんですよ?主様の居ない毎日は……辛くて、苦しくて…もう、かえって来ないんじゃないかって…』
『ラト…。大丈夫だよ。私はもうどこにも行かない。』
『本当ですか…? 』
『うん。ずっとここにいる。』
『主様……はい。約束ですよ。』
私はラトの頭を撫でる。
『クフフ、主様に撫でられました。幸せです。』
🪡
私はフルーレとサンルームで過ごしていた。
『すみません、ちょうどまだ洗濯物畳んでて。』
『大丈夫だよ、むしろ手伝わせて。』
『ありがとうございます。』
『ううん。むしろ、私が居ない間ラトに追いかけ回されたって聞いたけど…大丈夫だった?』
『はい。いつもの事ですし…もう慣れましたから。』
『そ、そっか。』
(対応力すごいな…。)
『それより今は主様と会えて嬉しいです!その、ずっと会えなかったので寂しくて…主様に会えない間も主様に着て欲しい服のデザインもあって…。』
『フルーレ…わかった。そしたら後でそのデザイン見せて欲しいな。まぁ、フルーレの作るものなら私はどれも素敵だと思うけどね。ふふっ。』
『主様……っ。はい!どのデザインも俺なりに考えて作ったのでぜひ着てほしいです!』
フルーレは目をキラキラと輝かせた。
『主様にもっと喜んでもらいたい…楽しみだな…。』
🫖
私はベリアンとベリアンの部屋で過ごしていた。
『やっと…帰ってきてくださったんですね…。私、寂しくて寂しくて……だから今は…』
ベリアンは私をぎゅっと抱き締める。
『ベリアン…。』
『このままで居たいです…本来なら執事としてダメですが…今だけは……主様の近くでこうしていたいです…』
(ベリアンが甘えんぼになってる。可愛いかも。)
『主様……もう、もうどこにも行かないでください…。』
『ベリアン…。大丈夫だよ。しばらくお休みだから。屋敷にいるよ。私もベリアンと一緒にいたいから。』
『はい…主様。ありがとうございます。 』
『しばらく屋敷に主様が……ふふ。うれしいです。』
🍳
私はロノと食堂で過ごしていた。
『主様!これ、俺の特製スイーツです!主様のいない間、考えて作りました!』
『凄い…これをロノが…』
そのケーキは綺麗にコーティングされ、甘いチョコの香りが五感を刺激した。
『ガトーショコラです!中に暖かいチョコソースが入っています。フォンダンショコラみたいでしょう?』
『斬新な考えだね。でも凄くロノらしい。たべていいの?』
『もちろんです!』
『そしたらロノも一緒に食べようよ。』
『え、俺もいいんですか?』
『うん!私はロノと食べたい。』
『主様…はい。分かりました。』
私はロノと甘いひとときを過ごした。
『はい、あーん。』
『じ、自分で食べれますから……///』
『…主様には敵わねぇな。』
⚔️
私とバスティンは庭の芝生に座っていた。
『夜の方が涼しいな。』
『そうだね。昼間は暑いから……』
『主様の世界もそうか?』
『うん。いつも暑くて…溶けちゃいそう。』
『ふふ、そうだな。…俺は主様に会えなくて溶けてしまいそうだった。』
『え……?』
バスティンは私の瞳を真っ直ぐ見つめた。
『…もう、帰ってこないんじゃないかって。不安に駆られた。会えない日々がこんなにも辛いんだな。』
『バスティン…っ。』
『…でももう大丈夫だ。こうして帰ってきてくれて…。主様に会えた。それでもう充分なんだ。』
『…私も。会いたかった。』
『あぁ。俺もだ。しばらく…こっちにいてくれるか…?』
『もちろん。ずっとここにいるよ。もう…離れない。』
『主様……。あぁ、ありがとう。』
2人で瞬くような時間を過ごした。
とても幸せな時間だった。
『あのまま…時間が止まればよかったのに。』
💮
私とハナマルは別邸の和室でだらりと過ごしていた。
『ふぅ。やっぱりこうして畳の上で寝るのが醍醐味だよな。』
『私の世界にも畳で寝る文化があるから親近感湧く。』
『そうか。それは何よりだ。俺は畳で寝れると言うよりこうして主様と居れて幸せだ。』
『え……?』
グイッ!
ハナマルは私の手を引き寄せて、私のことを抱き寄せた。
『っ、は、ハナマル、誰か来たら……っ。』
『大丈夫だ。今は誰も来ない。』
『で、でも…』
『…俺は主様が居なくて寂しかったんだぜ?ずっと……寂しくて、酒も進まなくてさ。主様の居ない中…何を楽しみにしたらいいんだよ。…ふっ。こんな歳になって恥ずかしいよな。』
『……そんなことないよ。歳なんて関係ないよ。それくらい寂しかったんだよね。ごめんね……寂しい思いさせて。』
『…主様――。』
主様は俺を抱き締め返した。
『しばらくこうしてよっか?』
『……あぁ。頼む。』
『ふふ、ハナマルかわいい。』
『からかうなよ…///』
『……ったく。主様には参っちゃうよ。』
☂️
『すぅ、すぅ…。』
『……おや、寝てしまいました。』
私と主様は主様の部屋のソファで話していた。
『ふふ、きっとお疲れだったんですね…。主様は寝顔まで美しいですね。』
(私がこうして誰かを想い…美しいと想うなんて…以前の私なら…。)
『ん…。』
『主様……?』
主様は私の手を握る。
『あったかい…。ユーハン…』
『…!私ならここにいますよ。ずっと…貴方の傍に。』
(こうして二人で居れるだけでも…私はとても幸せですよ。主様。ずっと…こうしていたいです。)
『…貴方は私の家族のようにどこかへ行ったりしませんよね…?あんな絶望はもう二度としたくありません。私はもう大切な人を……失いたくありませんから…。』
『主様。ずっと…敬愛しておりますよ。』
🧸
私とテディはコーヒーを飲みながら団欒室で遊んでいた。
『やった!また勝った!』
『主様強いですね!!俺なんかまた負けて…』
『ふふ、もう1回する?次は別のゲームで。』
『はい!チェスなら負けません! 』
『チェスのルールって難しいよね…ハウレスとかフェネスが得意でたまに教わるけどまだ勝てたことなくて。』
『たしかにあの二人は強いですもんね……俺もまだ勝ててません。』
『いつか勝てたらいいね、お互い。』
『はい!』
私とテディはチェスを始める。
『ここでナイトを…』
『あっ!』
『ふふ、打つ手なし、ですね。』
『うぐっ』
『チェックです。』
コツンっ。
俺はキングをチェックする。
『負けたぁ(>_<)』
『ふふ、主様と久しぶりに楽しめて俺、凄く嬉しいです!』
『私もだよ。最近ストレス溜まってたから…こうして遊べて嬉しいな。』
『良かった、少しでもリラックスできたなら。』
『ありがとう。テディ。』
『……っ。あの、主様。』
『ん?』
『勝者のわがまま…言ってもいいですか?』
『?』
『もう少し…隣にいて欲しいです。』
『!』
『主様と…もう少し一緒に居たいんです。』
『テディ……ふふ、もちろん。』
『!やった!』
(可愛いなぁ。テディ。私も同じ気持ちだよ。まだ…眠たくない。)
『主様と居れてラッキー!』
次回
番外編20 『もし、主様と同棲することになったら。』前編
※平和な世界が訪れて執事一人一人と同棲することになったお話です︎💕︎
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