おやすみBirdKiss
「カゲツきゅん。お休みのちゅーは?」
寝るぞって時に、予想外の言葉が聞こえた。
おやすみのちゅー。
「赤城…もう一回言ってくれん?」
「だぁかぁらぁ!おやすみのちゅー!」
何度聞いても同じらしい。おやすみのちゅー。
キス。いや、今までハグ止まりでそれ以上してないのに。
初心で奥手な僕にどうしろと言うんだ。
「…、僕とキスするの嫌なの……?」
だめだ。傷つけた。僕が奥手すぎるせいで赤城にダメージが、
でも、僕どうしたらいいん。手握る?
「なんとか言ってよ…」
ええい、もうこうなったらどうでもなれ!!
「赤城っ、!」
「っ、なに…。」
思いっきり赤城の手を掴むと、少し震えてる気がする。
「ぼ、僕はっ…、赤城とキス、したいけど!」
「…けど……?」
だめや、ダサい。僕今絶対赤い。恥ずかしすぎるやろ。
「…、その、…恥ずかしい、から…」
漫画ならプシューって音がつくんやろうな。今の僕。
赤城も固まってもうるし、ごめん。赤城。情けなくて。
「ぃ、今は……これで我慢して…」
ちゅ、と効果音がつきそうな程の軽いキス。
それを赤城のおでこに送った。情けない。目も見れん。
でも、さっきから赤城が黙ってるから、目を開ける…。
「……////////」
そしたら、おでこを抑えて真っ赤になる赤城と目が合った。
…かわいい。めっちゃ赤い。首も耳も、鼻も。全部。真っ赤、
「…赤城…」
「…、…そっちのほうが、はずかしぃ…でしょ、」
消え入りそうなか細い声で、文句みたいなのが聞こえた。
あぁ、僕もちゃんと男なんやな。かわいすぎる。
「赤城、」
名前を呼んでから、もう一回、軽く、今度は鼻に。
「っ、///」
反応が可愛くて、あちこちにキスしたくなる。
でも、これ以上は僕が恥ずかしい。僕も顔赤いんやろうな。
「赤城、かわいい」
「…、ぅるさい……、かげつだって…、かわいいもん…」
唯一の抵抗なのか、赤いまま、胸に手がボス、と投げられた。
僕のほうが小さいけど、身長は2センチ差。
まぁ、ガタイは断然赤城のほうがいいわけやけど。
ガタイいい男やけど、声も可愛いし、多分、誰よりも可愛い。
「赤城きゅん、寝ようや」
「…、カゲツきゅん、」
「なんゃ…」
ちゅぅ
小さな音が聞こえた。数秒遅れだった。 キスされとる、口に。
僕、赤城にキスされとる。理解したら赤くなっていく。
「、カゲツが意気地なしなのが悪い!」
真っ赤な顔で目をぎゅっ、と瞑りながらキスしてきた
赤城に言われたくない、と思いたかったが、僕はできてないから
僕のほうが意気地なしなんだろう。
赤いまま、そっぽを向き始めた赤城に、ぎゅぅしたくなった。
「赤城」
「何」
名前を呼んだら、真っ赤な顔をこちらに向けてくる。
「ぎゅぅしてもええ?」
「ぃ、いよ」
躊躇いながら、おずおずと腰に手を回した。
そしたら、赤城の速い鼓動音が聞こえて、僕も、緊張する。
「カゲツきゅん、心臓うるさいよ」
「赤城もや。」
なんとなく二人とも恥ずかしくなって、目をそらした。
寝るはずやったのに、寝れんくなった。
「…、はい、はいっ!もぅおしまい!」
とうとう限界が来たのか、赤城の声が大きく叫ぶ。
もう少し、このままでいたい、とも思ったけど、僕も、赤城も
このまま心拍数上がりすぎて死にそうだから、大人しく
離れた。
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