テラーノベル
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この作品はnmmn二大禁です。全てがフィクションであり、実際に存在する方々や団体などとは一切関係ありません。ありがたいことにコメントを頂ける際は、伏字など対策をお願いします。ルールを守って楽しみましょう。
cp: なし。強いて言うならメンバー愛
cp要素はあまりありません
生死の描写が含まれます
シリーズ物です
ふっかに一人でいるなと言ったら、ふっかは生きていた。でもその代わりに舘様が死んでいた。
ならば次は、舘様を見守っていよう。ふっかに目を配るのも忘れずに。
「ふっか。今日の撮影終わったら、皆でゆっくりしてよう」
「お?いいよー」
「あんま一人で行動しないでね?ここ無人島だし 」
「はいはい、わったから!」
「じゃあ俺、舘様んとこいってくるから」
「はーい、また後でな」
今回も釘をさしつつ、俺は初めてこの時間帯に舘様を探した。
舘様はこの時間、照と翔太と一緒にいた。
「あ、いた舘様」
「ん?阿部どうしたの?」
「いや特に用はないんだけどさ……今日舘様って、崖の撮影シーンあるっけ?」
「いや、ないけど」
「え?ないの?」
崖に行く用事がないのにも関わらず、なんで舘様は崖から落ちたんだ?
「阿部?そろそろ行くよ!」
「あ、うん……」
照に言われて、俺は疑問を抱きながら撮影現場へと向かった。
俺がどこまで皆を守れるかは分からないけど、やってみるしかないのだろう。このリープはきっと、描いてる未来に近付くための旅だと思おう。
───
今度は注意深く、舘様を気にかけながら撮影をした。俺だけが俺以外のことも気にしたままパフォーマンスをするのはかなり疲れたが、これで皆を救えるなら安いものだ。
でも、事は起きた。
SNSのグループ撮影のメンバーが変わっていたのだ。
俺は最初、照と康二との3人グルだった。しかしそれが今回は、俺とふっかと舘様のグルになっていた。
まあでも、これは好都合だ。
当人である舘様を近くで見れるし、ふっかもどこかにいかなくて済む。
そう思っていたのが、めめの一言で全部崩れた。
「っ皆きて!!康二としょっぴーが、崖で……!」
「…………え?」
誰よりも先に崖に向かった。俺が知っているあの崖なら、もしあそこなら──
「…ぁべ、ちゃ……」
「康二!!……しょ、た…は……」
「しょっぴが、しょう、ぅあぁ”…!!」
嘘だろ。嘘だろ嘘だろ嘘だろ。なんで。
なんでここで翔太が死ぬことになったんだ。なんでだ。ふっかと舘様以外も死ぬ?
いや冷静に考えたら2回目のリープで舘様が死んだ時点で、死ぬ対象なんてコロコロ変わることなんて気付けたはずなのに。
俺のせい?俺のせい?俺の──
「落ち着け康二!何があったかちゃんと説明しろ!!」
「ふっかさっ……あんな、しょっぴぃとめめと僕で、ここで踊ってたんよ、ほんなら僕が足滑らしてもうて、しょっぴーが庇って、そんで……」
康二の途切れ途切れな説明を聴きながら、俺はずいっと崖を覗き込んだ。
「っ阿部なにして……」
「舘さんは、見ちゃだめ」
「は?なんで?ここの崖ってそんなに深いの?」
「だめ、だめ」
「阿部しっかりしろよ、阿部!」
だめだ。舘さんにこんな光景は見せられるはずがない。
俺が覗き込んで見えた景色は、舘様とはまた違ったあの翔太の衣服が赤まみれになっていて、人間と思われる形をしたものが粉々になっているものだったから。
こんなの、舘様に、見せられる、はずが。
「康二わかった、ありがとう説明してくれて」
「……阿部?阿部、大丈夫?……ちょっと、阿部!!しっかりしろよ!!」
「めめは翔太の姿探してっ、崖から〜〜……」
康二の説明を聞いているふっかとめめと、俺の名前を呼んでくれる舘様の声。
まざりあって、きもちわるいと思った。
───
「阿部ちゃん!そろそろ起きときなぁ」
「ぅあ”……ッ、……はぁ、はぁっ……」
「?あべちゃ大丈夫?」
「……だい、じょうぶ」
気がついたらまた気を失っていて、またふっかに声をかけられて目を覚ました。
ふっかが生きると舘様が死んで、舘様が死ぬと翔太が死ぬ。この流れは確実なのだろうか?
では次に翔太を守ってみると、次は誰が死ぬことになるのだろうか。確かめなければならない、……
「……いま、おれ、なんて……?」
──段々と実験思考になっている自分を、心底軽蔑した。
「阿部?大丈夫?」
「あ!照じゃん。阿部ちゃんなんか調子悪めなんだよねえ」
「……え?佐久間じゃなくて、照?」
「?うん、俺だけど……」
自己嫌悪に浸りそうになっているうちに、いつもの様に佐久間が来るかと思った。
しかしやってきたのは照で、俺の顔を覗き込んではなにか訝しんでいるような視線を向けられる。
「……阿部…なんか……」
「なに?」
「…………んやなんでもない。そろそろ行こうか」
「あーい!」
「……?分かった」
照が何を言いかけたのか分からなかったけど、問うても答えてくれなさそうな気配がした為素直に撮影へと向かった。
前回は撮影のグループが違って、今回は佐久間が来るはずが照が来た。
段々と、俺が知っている未来ではなくなっているのかもしれないと思った。
「……今、岩本くん……」
「ん?なんか言うたぁめめ?」
「…いや、なんでもない」
「ふぅん、そう?ならええけどっ」
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