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『ッてめぇぇ!!待て!!!』
タッタッタッタッタ……
夜、シャツ1枚で裸足で必死に追っ手から逃げる。
『っはぁ……ッはあ……はぁ……ッこないで!』
堕ちたのはいつだっけ____
「…待て!!てめぇ!!クソ女ァ……!!」
クソ女。
私にはお似合いかもしれない。
ちょっと一緒に寝た男が、彼女持ちだった。
言いよってきた男はみんな私の体目当て。
私ってそんなのばっか。
いつも2番目の女。
誰かの1番になった試しがない
『っはぁ……はぁッ……はあ』
当たり前か。
ああ、行き止まり。
「あんたなんかッ!……○してやる!!」
ジリジリと包丁を持った女が私に近づく。
まあいっそこのまま誰かに恨まれて
刺されて死ぬのも悪かぁないかも
だって来世私は美少女に生まれ変わって
誰かを本気で愛して、誰かに本気で愛されて____
「死ねェえ!!!」
追っ手の女は私に包丁を振りかざし
ああ、もう刺される____
と
目を、閉じた時だった____
グシャァ!
?
ブシャァア
私のではない、血しぶきが体にかかり
シャツが血まみれに。
目を開けると
「大変だったね〜〜?君無事〜??」
そう言って、血まみれの手で
手を差し伸べる
身体中ツギハギの男____
目の前には先程まで私を追っかけていた女がピクピクしながら血を流しながら倒れている
背中を大きく刃物で切り裂かれたような傷がある____
『な……何が起こったの?』
突然の事で何がなんだかわからない。
すると
ツギハギの男は私の頬に手を触れ
「危機一髪だったっしょ?」
とニコッと笑う。
『助けて……くれたの?』
「そうっ!お姉さんとっても可愛いから!!そんでいい身体してるし!
俺の気まぐれで助けてあげた〜的なっ?」
助けられた……の、?
『あのッ……この子は』
横たわる追っ手の女を指さす
「あ〜この子はねぇ、……」
ペチペチとツギハギの男は横たわる追っ手の女を触り
「無為転変!」
そう言うと
グニャグニョグニャ
人間だったそれは奇怪な形の物体に____
グァッ……ま゛ッテ゛え……まッ゛て゛ェ゛……
『なに、これ……』
「なにって〜人間だよっ?あ、元ね!
君みたいな可愛い子を殺そうとしたから呪霊にしてやったの!」
呪霊……?
聞いた事ない……
お化けとか、妖怪とか、そういうもん……?
呆気にとられてると
「お姉さん、驚かないんだねぇ?」
そう言って私の顔を覗き込むツギハギの男。
そして
「良いじゃん!良いじゃんッ気に入った!
お姉さん!俺と一緒に来ない?」
そう言って、血まみれでニヒルに笑うあなたは____
全身に鳥肌が立つ。
〝この男の手をとってはいけない〟
全身がそう言ってる
けれど____
この男の笑顔に私は不覚にも
『いいけど楽しませてくれるんでしょ?』
「もちろん!お姉さんを最っ高に楽しませてあげる!!」
恋に落ちてしまったんだ____