白 色 ピ エ ロ の こ ん て す と
上記参加作品
/ 一次創作 読み切り
/ 百合
宜しくお願い致します🫶🏻️
「 ねえ 」
少女の口が開いて酸素と二酸化炭素を吐き出すと同時に震えた音を発する。
「 此の儘、死んでみない? 」
耳障りな波音とローファーの靴裏に入り込む砂の音だけが脳裏に焼き付いていく。
貴女の笑顔も
貴女の声も
貴女の容姿存在全て
今日で跡形も無く消えてしまうのだろうと思うと肺か心臓の辺りが酷く痛んだ。
「 ねえ、やっぱり女の子が女の子を好きになるって可笑しいのかな? 」
感情の制御も効かず今にも泣き出しそうな声になってしまった。
多様性とか
LGBTQとか
BLとか
GLとか
面倒な区分けは要らなくて、
唯、唯、貴女を愛していたい。
貴女と愛し合いたい。
「 世間から見たら可笑しいのかもね 」
痛 い
「 そっか … 笑 」
甚 い
「 でも、私は可笑しいと思わないし雨莉のこと好きだよ。 」
イ タ イ
「 私も、未宙のこと好き、大好き、愛してる … 」
遺 体 … ?¿
世間は多様性だと言いながら何も理解していないのだろう。
結局は自分が其の立場にならないと解らない阿呆と馬鹿の集いが此の星だ。
会話を邪魔するような、わざと遮ろうとしているような波音は途切れる事を知らず鼓膜に届く。
「 ね、ギューしたい … 」
「 なーに、大胆じゃん?笑 」
意地悪な笑みに顔を背けた。
妙に恥ずかしくて身体が熱くて心音が波音より煩くて、消えたくなる程に、貴女が好きで。
「 … 甘えちゃ、駄目なの? 」
「 ごめんごめん笑
可愛くてつい虐めちゃった 」
真剣な眼差しで此方を見るものだから身体の熱は全身に巡り頬を紅く染めた。
「 すき、 」
「 うん、私も。 」
此の世に誰の眼を気にする事も無く
手を繋いで、
抱き合って、
キスをして、
あんな事やそんな事まで出来る場所が在るのなら何を躊躇うでも無く、真っ直ぐに其処へ行きたい。
其処で貴女と生きたい。
貴女の体温は私の体温よりも熱い。
貴女の心音は私の心音よりも煩い。
貴女の好意は私の好意よりも強い。
何を想っているのか彼女が私を抱き締める力は強まるばかりで物理的にも心理的にも胸が苦しくなる。
「 ねえ 」
私が苦しいと言うより先に頭の少し上で空気が揺れた。
少女の口が開いて酸素と二酸化炭素を吐き出すと同時に震えた音を発する。
「 此の儘、死んでみない? 」
波音が近くて、恐くて、呑み込まれてしまいそうだった。
貴女はきっと私より苦しんでいて、私より恋をしていて、愛していて、殺されてしまいたいとすら想っていた。
全部知っていた。
貴女が今日、貴女自身と私を終わらせる事も、全部全部、分かっていた。
「 … いいよ 」
貴女の抱き締める腕の力が少し強くて此の儘、絞め殺されるのかと錯覚しそうだった。
貴女と何処まで行けるのか試す程勇気は無くて、世間の眼から逃れられる程私は脚が速くない。
貴女の脚の速さには追い付けなくて貴女に迷惑を掛けるから何度も突き放そうと手を振り払ったのに、其の手を繋ぎ直すのはいつだって貴女で。
此れはもう運命で必然で心中以外の路は無いのでしょう。
「 ね、私の事、好き? 」
海水がブレザーを濡らしていく。
夏にセーラー服をお揃いで買って着た方が其れっぽかったかも、なんてわざとらしく笑って魅せる彼女は綺麗だった。
「 未宙、愛してる 」
涙か海水か判らないモノが頬を伝っていく。
熱すぎた体温も奪われる。
冷めていく。
ねえ、貴女の全部を頂戴?
繋がれた指先も
抱かれた身体も
何もかも温度を失い、冷たくなっていく。
奈 落 之 底 遺 体 在 。
宙 が 雨 に 染 ま る そ の 前 に
身 投 げ し て い た い
end.
コメント
6件
えまって百合じゃないですか!!え大好き超えて愛してますけど??? いつもの百合とはまた違う感じでサムネとタイトル相性抜群だし特にサムネの雰囲気最高すぎる🫠💞 私服とかでも無くお揃いのセーラー服なの凄くいいし、いたいの流れなんか特に好き りんちゃんの百合作品はどれも全部大好きです👊🏻💓
ねぇ違うじゃんごめんじゃん見てたわ見てたんだよ🌾後回しにしてただけじゃん落ち込まないでよごめんじゃん はいえっと題名から愛すしかないんですけど何事???🤷♀️🤷♀️ いい画像見つけたねりんちゃん😖✨ えもうなんか内容もそうだけどルビやら空白やらなんやら盛りだくさんすぎて愛してるノベルでこんな満足感あるの凄すぎ何は喧嘩売ってるあ今情緒不安定とか思ったねHAHA 百合ラッシュありがた
相変わらず語彙力爆発してて安心 いたいの流れ好きすぎる‼️‼️ なんでこんな神作なんだよう